伝えたいことを上手く伝えられないA君のもどかしさに気づいたのは、学級崩壊の寸前だった。若者ばかりの担任団は、なんとか危機を乗り越えた。1組は“仲の良いクラス”に生まれ変わった。
報告者は、特別支援学校での勤務も、担任をするのも初めてです。最初は一つ一つの問題行動に気を取られて、生徒の気持ちに気づくことができなかったのです。A君は教師や生徒に暴力をふるい、クラスの中で徐々に孤立していきました。周囲の生徒はA君の行動にいらだち、暴言を浴びせました。
私は戸惑いながらも先輩教員や子どもたちから学び、少しずつ彼らの気持ちを聞き取れるようになりました。3人の担任がぎこちないながらも連携して対応して、クラスの雰囲気は徐々に良くなっていきました。A君への指導の見直しは、A君をとりまく他の生徒への指導の見直しへとつながっていきました。初動の失敗、教員間の連携不足、特別支援教育の専門性不足等、課題の多い実践ではありますが、初担任の一年間の「学び」を皆さんと共に深く掘り下げていけるような分科会にしていきたいと思います。よろしくお願いします。
「今どき通信交流会」PR <アンケートに協力してください>
大会グループ広報担当のアンドウです。
いよいよ、大阪での全国大会が2週間後に迫ってきました。
あちこちで大詰めの作業が行われていることだろうと思います。
参加申し込みについては、集約状況報告を随時行っていきたいと思います。
こてこての大阪のど真ん中で行われる大会です。
宿不足に負けず、熱い学びの場につどいましょう。
ここで、私からのPRです。
大会初日「今どき通信交流会」というのを行います。
かつて、担任は毎日のように学級通信を発行していた話をよく聴きました。
今やスマホ時代。「通信」という言葉の意味もかつてのような
担任などの情報発信のメディアという意味合いが薄れてきているのではないでしょうか?
昨年の交流会でも全国通信グループが主催になって、手書きの通信が持ち寄られ、
そのことについて語られたと聞いています。
果たして、通信は編集作業などのテクニックなのか、はたまた、「なんとか人に伝えたい」という思いなのか?
語るべきことは高生研の大会づくりにも絡むように思います。
「国民の共通認識・共通理解」という観点で取り上げられるニュースが飛び交っていますが、
教師自身の身の回りの意思疎通は果たして今どうなっているのか?
通信のこれからを見据え、是非、一緒に交流しましょう。
つきましては、この交流会に関わるアンケートにご協力ください。
こちらから。http://kouseiken.jp/Taikai/%E3%80%8C%E4%BB%8A%E3%81%A9%E3%81%8D%E9%80%9A%E4%BF%A1%E4%BA%A4%E6%B5%81%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%91/
交流会への参加もお待ちしています。
文化班(有志)練習会のお知らせ
7/25(土)ウェスティ(西文化会館)
※鳳駅付近
オープニング「花は咲く」
交流会「僕らに力を」
の練習を主に行います。
皆様のご協力あってこその文化班活動だと思っております。
少しでも多くの方と活動を盛り上げてゆけることを、切に願います。
(担当・岡田)
なかなかエンジンのかからなかった文化班ですが、ついにエンジン全開!です。
先週土曜日の文化班練習は、Iさん、Tさんが来てくれて、とても充実したものになりました(6人)。
歌う曲は2曲。
「花は咲く」。東日本大震災被災者応援の歌です。このユーチューブみてください。泣けます(>_<) https://vimeo.com/51717456
歌うたびに、辛い思いをしつつも生きる人々を想像し、連帯の思いがふくらみます。
もう一つは、前大阪大会(2009年)テーマソングだった「僕らにちからを」。
今、日本全国あらゆる世代に広がる「9条守れ!民主主義守れ!」の声と響き合う「僕らにちからを2015Version」です。
ちょっとすてきな演出も計画中。
大会オープニングで、8月9日夜の大交流会で、実行委員みんなで歌いませんか? うまい下手なんて気にしない。みんなで心ひとつになれたらすごくいい。
25日土曜の6時から8時、練習します。(場所は鳳ウェスティ2Fスタジオ)。ギターのKくん、合唱団のMさんも参加してくれる予定で、主要メンバーがはじめて揃います。
よかったら来て下さい。女性が足りないんだよなあ。
(以上、おかっち応援団、井沼でした)
一般分科会6「『原発神話』を考える国語の授業」 久野里信夫さん のPR
原発問題を国語の授業で取り上げた実践である。「原発神話」とは、原発に対して無反省に持ってしまっている印象・情報のことだと思うが、久野里さんは生徒たちの受け止め方にも「神話」的なものを感じたのだろう。久野里さんが取り上げる教材は、1957年の菊村到「原子の火ともる」、1975年の前川力「原子炉が爆発しないのはなぜか」、『メルトダウン』(NHK)、堀江邦夫の『フィアンセ』、溝口健二の『1977年6月』など。「原子の火ともる」は、東海村での実験用原子炉の点火がスタートしたことを、未来への希望と期待を込めて書かれたもの。「原子炉が爆発しないのはなぜか」は、原爆と原発との違いや原発の安全設計について解説したものである。
生徒たちの原発に対する意見は賛否両論ある。しかし、福島第一原発事故を知っている今の生徒たちからすれば、1957年の原子力に対する期待が「楽観」であり、1975年での安全設計への信頼が「神話」だったことは共通して感じていたようだ。「原子の火ともる」に対しては、「筆者はこの時点で原発に危険性を考えていなかったのか」という疑問がおこり、「原子炉が爆発しないのはなぜか」に対しては「前川さんの言うていることは、ちょっとおかしい」「事実と違う」という声が出ている。久野里実践が育てているものは、原発の情報・知識に対する可謬主義的な向き合い方なのかもしれない。
それ以外にも『フィアンセ』の読み込みや、そもそも原発問題などの政治テーマを国語で取り扱う意味・意義など、議論したいことはたくさんある。分科会参加者がどのように分析するのか楽しみである。 (岡村昭弘)
8月8日交流会で「釜ヶ崎夜回り」企画を新設
「大阪に行くなら釜ヶ崎に行きたい。そして、夜回りに参加したい」
そんな声にお応えし、日ごろ「野宿者ネットワーク」で活動しているメンバーにあっせんいただき、8月8日夜の交流会の時間に「夜回り」に参加する企画を新設しました。
定員10名。
19:30に 釜ヶ崎のふるさとの家に集合し、終了は、22:00ごろ。
当日、定員までの参加を受け付けますが、すでに参加希望の方は、大会申し込みの際に、もしくは大阪高生研までメールで申し込みください。
民間教育団体ハシゴしましょう企画② 「第17回学びあう教材・授業づくり研究会」は7月19日(日)~20日(月)
「高生研がうらやましいのはスタッフが多くおられることです。
皆さんで研究会をつくっておられるのが伝わってきます」
とおっしゃってくださるのは、「学びあう教材・授業づくり研究会」を主宰される河原和之さん。授業ネタ研究会の常任理事で、「授業工房」にも来てくださってます。
熊本高生研のUさんも来られるという「学びあう教材・授業づくり研究会」でも、「どうぞ高生研大会の案内も置いてください」と快諾いただきました。
<以下>
第17回学びあう教材・授業づくり研究会
◆日時 7月19日(日)10:40~17:00(事前企画 9:40~)
7月20日(月)9:40~17:00
◆テーマ 敗戦70年、防災・減災を子どもとともに考える
◆会場 たかつガーデン
◆定員 70名
◆ 参加費 教員3000円(2日)2000円(1日)学生半額
◆ 懇親会 19日 17:15~19:00 3000円程度
◆ 参加申し込み 河原和之 メールqqt36ps9@tea.ocn.ne.jp
◆内容 19日 敗戦70年と憲法学習
<事前企画>
9:40~10:20 「授業方法でこんなに変わる授業10」
河原和之(立命館大学)
10:40~12:20
<A分科会 活用・探究型授業>
<B分科会 教材発掘と授業>
<全体会> 敗戦70年と憲法学習
13:30~14:10 模擬授業
「憲法はだれに向けて書かれているの?~えん罪と日本国憲法~」
菅間 正道(自由の森学園)
14:10~14:40 意見交換
14:50~15:20
「小学生と憲法」(仮題)千葉 保(国学院大学)
15:20~15:50
「立憲主義をどう教えるか」(仮題)福田 秀志(兵庫 尼崎小田高校)
16:00~17:00 講演「「いま、憲法教育をすすめるために」
久保田 貢(愛知県立大)
20日 敗戦70年と歴史教育、防災教育
<全体会>AM
9:40~11:40 講和「70歳から被爆体験を語る私のこと」(仮題)
飯田 清和 ほか
<全体会>PM 報告&討議&講演
12:40~15:20
「なぜ日本は戦争への道を歩んでしまったか~小学生が討論する素地をつくる~」
15:30~16:50 講演「解釈型歴史学習のすすめ」(仮題)
土屋 武志(愛知教育大)
細腕旅行紀シーズン2(イギリス編)その⑤
こんにちは。沖縄高生研の照屋です。先週木曜日(7/9)、午前中の授業が終わった時に、教頭先生からの校内放送。「沖縄本島地方に台風9号による暴風警報が発令されました。生徒の皆さんは速やかに帰宅して下さい….」放送が終わらないうちに、あちこちから生徒たちの「やったぁ~!」という歓声が聞こえました。割と強い台風で速度も遅めだったので、木曜日の午後から金曜日まで臨時休校になりました。この原稿を書いている時点で、台風11号が本州に向かっているようです。気象庁のコメントみたいですが、大雨や土砂災害には気をつけて下さいね。
さて、イギリス訪問の話も大詰めです。あっという間に2週間が過ぎました。帰国2日前に、お世話になったホストファミリーたちと「お別れパーティ」をすることになりました。
生徒たちは各自で相談しあい、感謝の意を伝えるべく、限られた時間で精一杯パーティの準備をしていました。本番は、学校の図書館で8時から。僕は少し遅れて8時過ぎに学校に着くと、殆どの生徒たちとファミリーが揃っていました。各家庭から軽食やお菓子が持ち寄られていて、図書館内はささやかながら華やかな雰囲気でした。全員が揃った時点で、パーティが始まりました。生徒たちはグループ・個人で日本や沖縄の文化を紹介し、最後にお礼を述べるという形式でパーティは進んで行きました。折り鶴の作り方を紹介した生徒が印象的でした。その子はまずその場にいたホストファミリー全員に折り紙を配り、全員に行き渡ったところで実際に折り方を見せます。その他の生徒たちはそれぞれファミリーごとに散らばり、折り方を手ほどきするというものでしたが、とても好評でした。パーティ後半、僕も感謝の意を込めてサプライズ(?)で「涙そうそう」を歌いました。生徒たちには何も言ってなかったので驚いていましたが、僕のホストマザーが一番驚いてたようです。パーティの最後が「イギリス研修修了書」を全員が受け取り(僕も)、記念撮影&会食で、和やかな雰囲気の中終わりました。
翌日、イギリス滞在最終日。パッキングした荷物を抱え、ホストマザーに大型スーパーまで送ってもらいました。到着初日に迎えに来てもらった場所です。ホストマザーには前日の夜、「絶対に沖縄に招待しなさい。あなたの結婚式でね。」と約束してしまいました。
いつになるやら….マザーとハグし、最後の握手。生徒たちもホストに送られて、全員揃ったところでバスに乗り、最後のロンドン巡りに出発しました。ホストファミリーたちは、僕たちが見えなくなるまで駐車場に残ってくれていました。バスの運転手さんはとても気さくな人で、「どこから来たのか」「イギリスの食事はどうか」「ロンドンまで長い間かかるが、トイレは大丈夫か」等、色んなことを話しました。そのうちお腹がすいたので、マザーが作ってくれた最後のランチを食べながら2時間ほどバスに揺られ、ロンドンに到着。僕らは最初にナショナルギャラリーを訪れました。なんと!ゴッホの「ひまわり」が2つ展示されていて(一つは元々ナショナルギャラリー所有、もう一つはアムステルダムからの作品)、二枚同時に鑑賞する事が出来ました。しかも、入場無料(イギリスでは、大英博物館を含め、ほとんどの博物館・美術館が入場無料)でした。世界各国の、「教科書でみたことある」ような作品が数多く展示されていました。
次に、生徒たちが一番行きたがっていた「コベヴェントガーデン」へ。色んな雑貨屋・レストラン・ブランドショップ・ミュージカルシアター・博物館、はては大道芸人さんのパフォーマンスも見れるような一帯で、生徒たちには2時間の滞在時間は、十分なお土産を買うには短かすぎたようです。
さて、いよいよ帰国。コヴェントガーデンからヒースロー空港へ。ここで、生徒たちにとって最後の難関が待ち受けていました。機内預けのスーツケースが20kgを超えると、超過料金が加算されます(1個あたり10,000!!)。僕のスーツケースはなんとか19kgほどでしたが、生徒たちは半数くらい20kgを超えていました。なぜ重量がわかったのかというと、ヒースロー空港には入り口付近に「スーツケース用秤」があり、うっかりした旅行者も、そこで重さを計ることか出来るからです。重量オーバーした生徒たちは慌ててスーツケースを明けて(出国審査があるのであまり時間がない)、どれを捨てようか本当に悩んでました(ほとんどはお土産)。
僕ら引率教員もアドバイスを与えながら、生徒たちに不要な物を廃棄させ(廃棄専用boxがある)、何とか出国審査を済ませ、飛行機にのる事が出来ました。
まだまだエピソードはありますが……みなさん8月の全国大会で会いましょう。
民間教育団体ハシゴしましょう企画➀ 新英研大会は新潟・赤倉で
書くことで気づかされる世界ー一般分科会3「パートナーとの対等な関係を考える」小柴架奈子
大会分科会のレポートを書くことになりまして、やっとできあがりました。
「パートナーとの対等な関係を考える」という家庭基礎の授業です。
レポートを直していく上で、アドバイスをいただいた方といろいろ話して、
ジェンダーについて考えさせられました。
この授業、最初は「異性」という言葉が出てきていたのですが、彼氏彼女が異性ではない人もいるわけです。
考えが浅かったです。
それからというもの、勤務校の様々なところが気になり始めました。
例えば、部長以上の人に女性がひとりもいないこと、生徒の出席番号は男女別が当たり前になっていること、
大半の女子はスカートよりズボンがいいと思っていること・・・。
高生研に参加していると、自分に足りなかった視点を発見できるので、
鈍感で疑問を持たないダメ教師の私にとっては大切な場となっています。
今年、大阪ではどんな出会いがあるのか今から楽しみでなりません。
若い人たち(私も高生研では若い人)がたくさん来てくださるといいなあ。
よろしかったら、分科会で一緒に議論しましょう。
「保育」の受け付けを終了しました。
保育係の谷口です。
先日お伝えしましたように、昨日までに保育の申込みはありませんでしたので、派遣団体と話し合い、今回の保育はなしにしました。
今後は対応できませんので、何卒よろしくお願いいたします。
私が見る、大阪大会の魅力その2 全体会から分科会へ
その1で「権力関係の蔓延とコミュニケーション不足・不全」が生きづらさのもとではないかと書きましたが、それは前回大会での基調論議で議論になった“スクールカースト”の問題とつながります。そして、それをHR実践の中で取り上げたのが、一般分科会2「HR『スクールカースト』を乗り越えるHR指導」(佐藤育美)です。
この分科会の運営担当者が、すでにこのブログで「生徒同士の小グループ、と、それらの明らかなすみ分け。またその間には、担任からすると、明らかなカーストとも言える序列関係が存在し、そんな引力関係は、それぞれの小グループ内でも働いている」に焦点を当て、「HRの集団力学」を分析をしたいと述べています。
私も運営の一人なのですが、この「序列関係」と生徒同士がつくりだすコミュニケーションの内実をできれば分析することで、何か糸口が見えると考えています。全体会での議論ともつながるところがありますので、この分科会での分析・議論も大会の魅力です。
みっちり実行委員会
本日はみっちり実行委員会でした。
最近活動が停滞してしまっていた情宣係・谷口です。現在の大会参加申込数はまだ80名です(>_<)お一人あたり10名への声かけは進んでいるでしょうか?ひきつづき、声かけをお願いします。
暑くて狭い部屋に、18名が集まりました。大会前日から大会終了までの流れや各班の進捗状況を確認し、吟味し、未確定なことや不安な点を洗い出しました。まだ終わりは見えませんが、無理なときはヘルプを出しながら、前進していきましょう!
午前中、総務班の会議と歌の練習をしました。参加者は9名でした。
【立ち読み】大阪高生研「早蕨(さわらび)」6月号⑤ 授業工房盛会御礼! “帝国のデモクラシ―”の意義と限界~
5月31日(日)13:20開会。阪大中之島センター。日本近代史の成田龍一さん(日本女子大学)を迎えての第8回授業工房(戦後70周年記念第2回)『大正から昭和戦前までの憲政史』~“帝国のデモクラシ―”の意義と限界~は,21名のご参加で盛会のうちに終了しました。めちゃめちゃ勉強になりました。
遠路東京からお運びいただいた成田先生、また、ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。自分のこれまでの教えが知識注入スタイルのステレオタイプだったなあと改めて反省しています。
(中略)
会の最後に、成田さんは次のようにまとめられました。焦点は「デモクラシーと戦争」だったのですが、戦争のイメージが固定化していないか、戦闘の開始と戦争は違う。戦争の中身も一枚岩ではない、そのイメージ、問題点を輻輳的に考えることが大切であること。戦争を多様な形で考えていくことが必要であること。歴史の授業とは何かにかかわるが、我々は後の歴史を知った目で過去を意味づけするけれども、当時の人は、行先はわからない中でいろんな選択肢の中でこれを選んだ。それが結果的にデモクラシーから戦争に至った。選択肢として現れたことが結果として意味をもった。つまり、同時代の人の目でみることと同時に今から見ればこういえるという2つの作業が必要で、結果を生徒に教えるのではなく、生徒の内在的な理解を促しながら、結果として当時の「善意」で選んだことがひどい問題を引き起こしたということを考えることが必要なのではないか。そのうえで、最終的にはあなた方の意見が結果として歴史をつくっているんだということが要になってくる。どういう選択肢があったのか、またこれからあるのか、それが自分たちに跳ね返ってくる。18歳選挙権が実現した時に、どんな道を選ぶのか、道をえらぶのは君たちなんだというメッセージが大切なのだ。
成田さんには新幹線の時間まで懇親会もご一緒いただき、ここでも、矢継ぎ早のいろんな質問に丁寧にお答えいただきました。改めて成田先生、参加者のみなさん。ありがとうございました。(首藤)
一般分科会(2)HR「スクールカースト」を乗り越えるHR指導 PR
HR作りを「集団力学」として捉え、担任としての関わり方を考える分科会。
しばし、HR作りに関わる実践報告は、様々な課題を抱えた生徒(やその生徒の周りで起こる生徒間のトラブルなど)を中心に描かれがちだが、一般分科会(2)HR「スクールカースト」を乗り越えるHR指導で佐藤育実(東京)が、一番参加者と共に考えたかった視点は「集団力学」。どんなHRにも散見しうる生徒同士の小グループ、と、それらの明らかなすみ分け。またその間には、担任からすると、明らかなカーストとも言える序列関係が存在し、そんな引力関係は、それぞれの小グループ内でも働いている(が、生徒の捉えは、担任と一緒な様で一緒でもない・・)。
教員1人が、動き奮闘した所で解決されうる課題ではでない・・
しかし、一向に、自分達のこととHR作りを引き受けようとしない生徒達・・
そんな集団、そして不当に働くそんな引力関係は、どうしたら個々に解放されうるのか?
教員はどう関わることが出来るのか?
佐藤さんの文化祭を通しての実践を手掛かりに、参加者の皆さんと知恵を絞りたい!です。
7月12日(日)は現地実行委員会
全国大会まであと1ヶ月となりました。
一般分科会4 今日もノー天気!生徒と私のHRづくり レポーター 北海道・佐藤理河さん
報告者の佐藤さんは、実践の中で怒ったり、笑ったり、泣いたりと忙しい。生 徒たちも同じだ。「今日もノー天気!」という題名の通り、佐藤ク ラスの生徒 たちには、まるで学校を「遊び場」にしているような痛快さがある。学校行事の ジョギングでは「お花摘み」をして叱られたり、授業が うるさくて困ると他の 教師たちから苦情を受ける。担任の佐藤さんにとってはきっと苦しいことのはず なのに、読んでいてなんとなく微笑ましくな るのは何故だろう。
生徒たちは「プロジェクト」を次々に立ち上げて、遠足で「カレーコンテス ト」をやったり、卒業生のために雪像をつくったり、教師に断りもな く教室中 をハロウィンの飾りつけでいっぱいにしたり、やりたい放題。また、教師の発言 に腹が立った生徒たちが授業をボイコットする事件もおき る。
そんな楽しそうな学校でも、よーく実践を読むと、学校自体は日本中のどこに でもあるような「息苦しい」学校とさして変わりはないように見え る。どうし て佐藤さんのクラスの生徒たちは、こうも「ノー天気」で学校生活を楽しめるの か。その秘密を分科会に参加した皆さんといっしょに探 りたい、それがこの分 科会の中心テーマ。
「息苦しい」学校をどうにかして変えたい、生徒と楽しい活動をつくりたい、 そうお考えの方々の参加をお待ちしています。(運営担当・絹村俊 明)
北海道は1学年1クラスの学校がけっこうあります。全校生徒120人の小さな学校は、「さぞかしほのぼのとしている学校だろうな」と思われるかもしれません。でも、本校も全国同様に授業時数確保がぜったいで、行事がけずられHRの時間が服装指導や学力テストになって、HRイベントなんてありえないかんじです。
こんな雰囲気の中で、HR行事を決行するのはけっこう勇気がいります。しかも、HRがうるさく、授業が崩壊しているときなどはとくに。きっと全国のみなさんも同じだと思います。「もしかして、私って浮いてる?」と感じることもあります。
でも、きっと、いや絶対に他の先生は私のことをうらやましいと思っているはずです。本当は「いいなぁ、うちのクラスでもやりたいんだけど、ちょっと面倒だし・・・」と思っているはずです。
だから、いろんな先生を巻き込んでノー天気になんでもやってしまおうという話しです。
「先生、しっかりして」、「わかった、俺たちがやるから、先生は何もしなくていいから」と何度生徒に言われたことでしょう。最初はバレーボールさえまともにできなかった生徒たちが、自分たちで考え企画して、「楽しいことやりたい!」と叫ぶ。
そんな生徒の成長する3年間をふりかえり、みなさんの議論の中から勇気をもらいたいと思います。
(さとう りか)
【立ち読み】大阪高生研「早蕨(さわらび)」6月号④ 短期連載:わがまち東大阪(下)
中小企業の街として知られている東大阪だが、最近売り出し中なのが“ラグビーの町東大阪”だ。高校ラガーのあこがれ、花園ラグビー場は近鉄奈良線東花園駅が最寄り。高校ラグビー以外にも、大学選手権、社会人リーグなど、年がら年じゅうラグビーの試合が行われている。そして、2019ラグビーワールドカップ日本大会の会場にも当然ながら選ばれた。ただ、東大阪の脆弱な財政が、近鉄からの購入費(建物は譲渡、土地代のみ)とワールドカップに向けてのリニューアル費に耐えられるかどうか?
全国大会会場が近鉄奈良線沿いなので、そちらのことばかりを書いてきたが、東大阪の北にはJRの学研都市線(旧片町線)が走る。徳庵・鴻池新田という2つの駅が東大阪に位置する。名前の通り“鴻池新田”一帯は江戸時代の豪商鴻池善右衛門が新田開発したところだ。駅前には鴻池新田会所と呼ばれる史跡があって、内部も見学できるようになっている。大東市の平野屋新田会所が、存続運動の甲斐も虚しく取り壊されてから、ますますその価値が増している。また、江戸時代、東大阪を縦横に流れていてたびたび氾濫を起こした大和川を、いまの大阪市と堺市の間を流れるように付け替えた功労者の中甚兵衛は盾津地区の今米村の出身である。
昔の人だけではない。現在の東大阪出身の有名人と言えば、1番にあげられるのは若干50歳でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥さんだろう。彼は、小学校3年まで東大阪の枚岡にいて、その後奈良の学園前に移った。もう1人、現在囲碁4冠王(4月現在)の井山裕太さんも忘れてはならない。囲碁を知らない私でも、彼の凄さは伝わってくる。彼も東大阪の孔舎衙(くさか)中学校出身。
会場周辺のおいしいお店の話などは現地に来てから案内することとして、いささか尻切れトンボの観も否めないが、いちおう3回にわたる案内を終了します。この拙文を読んで少しでも大阪大会に参加してみようと思われた方がいらっしゃったら幸いです。大阪の高生研メンバー一同、皆さまのご来阪をキリンさんのように首を長くしてお待ち申し上げておりま~す。
(西村 康悦)
私が見る、大阪大会の魅力その1 全体会
全体会の基調発題は、静岡の早川さんと鳥取の池上さんによるものです。発題は早川実践の分析を軸に提起されます。早川さんご自身の分析と、池上さんがそれをさらに発展させた分析をされ、基調発題としての提起になっています。
早川さんの実践は発達障害を持つAくんのことが中心となっていますが、学校が大きく変わってゆく実践でもあります。しかし、池上さんも指摘しているのですが、校内のヘゲモニーを取って強いリーダーシップによりすすめた実践ではありません。まず職員会議で方針を提案して、・・・・・とは進まず、Aくんとコミュニケーションを成功させるところからスタートします。その結果が、担任を変え、養護教諭や学年主任を含むチームを作りました。さらに、Aくんの存在が学校で認知され受け入れられることにつながり、Aくんと向き合うことで授業担当の教師が、教頭までもが変わってゆきました。Aくんのことを小川さんと担任とでHRに説明し、HRはAくんを受け入れられるようになりました。
こう見てゆくと、早川さんがAくんとのコミュニケーションを成立させた事実が、全ての始まりで、そこからいろいろなところ、チーム内で、Aくんと教頭、Aくんと授業担当、AくんとHRの生徒達で、コミュニケーションが成り立ち、連鎖していったとも見えます。
コミュニケーション?
そんなもの誰でもしているではないか、と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、今の世の中で、まっとうなコミュニケーションがどれほど成立しているでしょうか?
「生きづらさ」が、いろいろなところでいわれますが、私はその正体が権力関係の蔓延とコミュのケーション不足・不全ではないかと見ています。そして、この基調発題はまさにそこに焦点が当たる提起になると見ていますので、とても魅力的なのです。
全体会でお二人の提起にもとづき、皆さんと議論できるのを楽しみにしています。
模擬投票と「偏向」
知り合いの新聞記者さんが、こんなコラムを載せた。
政治教育は「偏向」にあらず
http://digital.asahi.com/articles/ASH6R43D5H6RUSPT001.html
(2015,7,3『朝日』)
「そうそう。これから18歳選挙権を有効なものにするため、どれだけ学校で「だれでもできる」取り組みができるかが大切だな、と思っていたら、翌日、山口県でこんなことがあった、と大きく報道。
安保関連法案:山口の高校授業で模擬投票…県教委は問題視
http://mainichi.jp/select/news/20150704k0000m040115000c.html
(2015,7,3『毎日』)
要は、生徒に配布した資料が朝日と日経だけだったことが問題視されたというわけだな。
さぞや産経はこのことを大きく「攻撃」してるんだろうと思って見てみたら、確かに「朝日と日経だけ」を問題にはしてるけど、必ずしも批判一辺倒の記事では、なかった。
高校授業の安保法案資料は朝日と日経だけ 「模擬投票の中立性不十分」山口県教育長が謝罪
ここで識者のコメントとして語っておられるのは竹内常一さん。
かなり長く答えておられる。
「これについて、教育現場に詳しい竹内常一国学院大名誉教授(教育学)は「教育長がこうした否定的な発言をすることは、いわば『やめろ』と言っているようなものだ」と批判した。
http://www.sankei.com/west/news/150704/wst1507040027-n1.html
学校で行う主権者教育、正念場だと思います。
▽8月7日(金)大阪大会プレ企画では、長年模擬投票に取り組んで来られた方や選挙管理委員会の方とも一緒に、 「18歳選挙権と学校」を考えます。
詳細は、「プレ企画」チラシをご覧ください。
【立ち読み】大阪高生研「早蕨(さわらび)」6月号③ 短期連載:わがまち東大阪(中)
さて、大阪商業大学であるが、この大学は近鉄奈良線河内小阪駅の北東に位置する。河内小阪駅から点対象の南西には大阪樟蔭女子大学がある。この大学は大阪近辺のいわゆる「お嬢様」が通う女子大の1つだった。大阪のおばちゃん、田辺聖子はこの大学出身の有名人である。ごちゃごちゃした家並みが密集している東大阪で、樟蔭女子大の南東あたりが唯一瀟洒な住宅街になっており、司馬遼太郎が人生の後半を過ごした街でもある。現在は旧居が“司馬遼太郎記念館”として公開されている。小阪駅から徒歩12分、10:00~17:00開館で月曜日は休館。小阪駅から記念館に向かう途中に商店街があり、そこには大阪城ならぬ小阪城が聳えている。といっても、地元の散髪屋さんが趣味で屋上にこしらえたお城のミニチュアだ。そういった、つまらないけどおもしろいものが好きな方はぜひ。
司馬遼太郎記念館からさらに南に20分ほど歩くと、志願者数2年連続日本一の近畿大学に辿りつく。近畿大学では、全国大会と全く同じ日程で“科教協”の全国大会が開かれる。大会の目玉は、やはり近大マグロらしい。東大阪には、この3大学の他に東大阪大学がある。(つづく。西村康悦)