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細腕三学年主任奮闘記⑥(最終回)

 沖縄の照屋です。先月下旬に梅雨が明け、それからは連日32~33℃の真夏日が続いてます。
夜も気温が27℃以下にならない熱帯夜…僕は教員になって九年目です。
今は実家を出てアパートに住んでますが、エアコンはありません。引っ越しする時、「しばらくは、エアコンいらないや」と思い、扇風機だけで過ごしてきました。そうこうしているうち、エアコンなしの生活が九年目に突入しました。自分では節電に貢献してると思ってますが、生徒たちにこの話をすると、かなりびっくりします。今年までは我慢して、来年はエアコン買おうかな?…..
 「カーディガン着用許可」顛末最終話。元生徒会長Sが校内放送で呼びかけたのにも関わらず、三年生を中心に違反者が相次ぎ、「有無を言わさず再禁止」の15人になるまであと4名。
卒業まであと三か月に迫った時期でした。冬服に切り替わって、わずか1ヶ月で11名もの違反者が出た時点で、生徒たちや先生方(僕も含めて)の中に、「やっぱりだめか..」という雰囲気が漂い始めました。
そんな時、Sを中心に、三年生の元生徒会執行部メンバーから「学年集会」を持ちたいと要望がありました。その中には、生徒総会でガーディガン着用を認めて欲しいと発言した女生徒もいました。
Sは「放送しただけでは効果が薄いかもしれません。最後の最後まで、なんとか三年生に正しく着用するように訴えたいです。学年集会で、直接三年生全員に伝えたいので、学年集会を開きたいのですが?…」
との事でした。三学年担任および全職員に確認し、OKをもらいました。
Sが校内放送で呼び掛けた翌週、朝のSHR時に三年生全員が体育館に集まりました。雨が降っていました。担任の出欠点呼の後、司会や段取りを全て彼らに任せました。最初に、Sがこの学年集会の主旨を説明。その後、元生徒会執行部メンバーが全三年生の前に一列に並んで立ちました。
 Sは、校内放送で延べた事をもう一度丁寧に説得するように三年生へ伝えました。そして発言してくれた女生徒もみんなに訴えました。三年生たちは最初から最後まで静かに聞いていましたが、全体的には何となくあっさりと集会が終わった印象しか僕には残っていません。
 しかし、その学年集会後、1・2年生を含めて違反する者はピタっといなくなりました。三年生全員の目の前で、しかも同級生が説得した効果があったのかな?という感じがします。
新年度発足時(2012年度)、生徒指導部からは「前年度、カーディガンの違反者は合計11名。累計15名は超えなかったので、指導部としては、今年度からは「正しい基準で」着用を認めたいと思います。」と提案があり、承認されました。僕がこの高校に勤務してから初めて経験する、「生徒からの要求で」一つの校則が変わった瞬間でした。
 さて、僕の応援部ブログもこれで終わりです。来月は全国大会です。みなさん、その時に会いましょう。
秋田大学から大量の参加

東京大会受付・千葉高生研より
 秋田大学からたくさんの参加申込があり、秋田からの参加申込数が15人になりました。学生の参加数も13人に増えました。
 7月16日現在の参加申込数は93名になりました。和歌山県から初の参加申込があり、これで23都道府県から参加申込があったことになります。
 夏休みが近くなりましたが、現場教師は忙しいようで、常連さんを含めてまだまだという感じがします。いっそう周りへの働きかけをお願いします。
7月16日現在93名
秋田15
千葉13
東京12
群馬10
静岡6 
神奈川4 熊本4
北海道3 茨城3 京都3 大阪3 青森3
埼玉2 三重2 滋賀2 沖縄2
福島1 山梨1 長野1 愛知1 和歌山1 鳥取1
学生・院生13(上記に含まれています)

 
 

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細腕三学年主任奮闘記⑤

沖縄の照屋です。先日、生徒会主催の陸上競技大会がありました。近隣の陸上競技場を学校で
借り上げてトラック・フィールド競技をやるのですが、当日はあいにくの雨。途中、激しい雨で何度か中断しましたが、なんとか最後の競技まで終了。僕は二年生担任なので、生徒たちの写真を撮るのに忙しく、開会式から昼食時間まではほとんど休みなく動き回っていました。
午後には「全学年HR全員リレー」(一番盛り上がる)があり、その二年生の部で、なんと担任しているクラスのアンカーとして走ることになってしまいました。15年(?)振りくらいで100mを全力疾走。頭の中で進んでいる距離よりも、実際に進んでいる距離の差は10mくらい遅れていた感じです。その時の筋肉痛が、今きています………。
 
 さて、「カーディガン着用許可」について前回からの続きです。せっかくカーディガン着用が認められたのに、よりによって三年生の違反者が増える中で「何かいい手はないものか?….」と思っていた時(去年12月頃)のことです。元生徒会長S(三年生)が、「朝のSHR時に、校内放送で『カーディガン着用違反者が増えている事に関して』注意喚起を呼び掛けたい」と生徒会担当の先生に申し入れがあったとの事。さすがにこのまま何も手を打たなければ、違反者が累計15名を突破してしまうと思ったのでしょう。(※累計15名を突破すると、その時点からどんなに寒くても「着用禁止」に戻ってしまう)生徒会が職員に了解を取り、申し入れ通り校内放送をやることになりました。
 翌日。Sは「①自分たちで希望してカーディガン着用を認めてもらったのに、それを自分たち自身で破るなんて本当にそれでいいのか ②もしこれで再度着用禁止になったら、今後何かを学校に認めてもらう事がかなり難しくなる ③先生方に注意される前に、お互い同士で注意しあっていこう」という点を中心に全生徒に呼びかけました。教師からではなく、元生徒会長Sからの呼びかけ。
 僕らの言葉よりも生徒たちに届いているに違いない。今後は違反者がいなくなるだろうと思っていました。しかし、その校内放送をした同じ週に、またまたカーディガン着用で違反者が二人出てしまいました!しかも二人とも三年生……これで違反累計11名。もはやこれまでか?…(次回に続く)

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細腕三学年主任奮闘記④

 沖縄の照屋です。先週までは梅雨時期とは思えない快晴の日が続いてましたが、今週に入って再び雨が降りしきっています。沖縄では公共交通機関がバスとモノレール(→那覇市内のみ)だけなので、雨が降るとすぐに渋滞が起きます。車で同じ距離を行くのにも、晴天時と雨天時では到着時間がかなり変わります。翌日に大切な用がある時には、前日に天気予報をチェックした方がいいですよ。

  さて、「カーディガン着用許可」について前回からの続きです。昨年5月の生徒総会での職員への訴え・職員会議での話し合いを経て、その冬から「冬のお試し期間」を設けてカーディガン着用が認められました。ただ、着用が完全に許可されたわけではなく「冬のお試し期間」中(11月以降)に累計15人を越える違反者(男子:学ランを着用しないでカーディガンだけを着ていると違反/男女共通:黒・紺系統以外の色のカーディガンを着用していると違反)が出た場合、どんなに寒くても、その日を境に再びカーディガン着用を一切禁止するという条件付きでした。
 
11月中旬、衣替えが行われました。1週目、2週目は順調でしたが、3週目からポツポツと違反者が出てきました。会議室前の黒板に、生徒指導部の先生が「カーディガン違反者数」を書いていくのですが、12月初旬には違反者が累計5人。しかも全員が三年生(!)でした。三年担任団はもちろん、僕も三年生の授業「せっかく認めてもらったのに、ここでまた禁止になってしまったら、どうなると思う?生徒総会で生徒会のユウコ(仮名)が勇気を出して発言してくれたことが無駄になるし、先生方も「やっぱり出来ないじゃないか」って思ってしまうよ。お互いで注意し合って、何とか今後の違反者はゼロにしよう!」と呼びかけました。
 

 しかし、違反者が一人、また一人と一週間に1~2人のペースで増えていきました。12月中旬には、9名。しかも、1人を除いて違反者は全員三年生でした。職員の中には、「三年生はどうせ3月に卒業で学校には残らないんだから、違反して取り上げられても何とも思ってないんじゃないの? 学校に残る1・2年生の気持ちは全然考えてないよね。」と言う人もいました。それを聞いて悔しかったけれど、その通りだと思いました。もし、このまま違反者が15人を越えてしまったら、下級生と三年生の間に深い溝が生まれるばかりか、今後何かを学校側に要求する時に「自分たちで要求したカーディガン着用のルールが守れなかったではないか」という事で要求がはねつけられる事になってしまいます。カーディガン着用要求時よりも、もっと厳しい状況になってしまう可能性がありました。

 

          三年生世話係として、その事態だけは絶対に避けたいと思いました。

 

「何かいい手はないものか?….」 と悩んでいたある日………(次回に続く)

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細腕三学年主任奮闘記③

(前回の続き・生徒総会にて)
このままフロアの生徒からカーディガン着用について学校側に何も反論がないのか?と思った時、
なんと司会席に座っていた生徒会執行部の女の子が「ちょっと意見いいですか?」と手を挙げました。僕は少し驚きました。その子は普段とても物静かで、人前で、しかも全校生徒・職員の前で意見を
言うようなタイプではなかったからです(僕が勝手にそう思っていただけかもしれませんが)。
その子はしっかりとした口調で、
① セーラー服がどれだけ寒いのか、女性教職員は分かっているはずであるという事
② 「学校を休まないように」と先生方は言うが、寒さを防ぐ事も学校を休まないようにする
  自己管理の一環であるという事
③ カーディガン着用禁止になった理由の一つに、「指定外の色のカーディガンを着ている生徒
  がいた」というものがあったが、少なくとも自分たちが入学してきた頃、三年生の先輩方に
  赤や緑、ピンクのカーディガンを着ていたのを見たが、先生方がそれを注意・指導している
場面は無かったという事
④ 入学の際にもらった生徒心得には、「高校生としてふさわしいカーディガンかジャージの
いずれかは着用してよい」と書かれていて、このような曖昧な表現では私たち生徒が間違った
着方をしていても(生徒同士が)お互いに注意しあう事が出来ない事

 という事を中心に、理路整然と意見を述べました。体育館中がシーンとなって聞いてきました。
さらに、こうも述べました(以下は全文を記載します)。
 これを言い訳にするわけではありませんが、そもそも、校則自体が当時の私たちにはあまり
浸透していませんでした。
 カーディガンが禁止になった原因は、確かに校則を守らなかった私たちにあります。
しかし、違反していることを知っていて見逃したりする先生方もいらっしゃいましたし、
このような指導不足も原因の一つだと思っています。
 当時よりはっきりと色の指定や着かたについて指導していただけたなら、今の私たちなら守る
ことが出来ます。
 私たち生徒と先生方がお互いに良いと思えるような、カーディガンについての校則を新たに作り
直していただけないでしょうか。どうか宜しくお願いいたします。

見事でした。彼女が言い終わってしばらくすると、ごく自然に全校生徒から拍手が起きました。
この高校に赴任してから、生徒総会で見る初めての光景でした。僕も思わず拍手しました。
この意見を受けて、生徒指導部長が再び登場し、「意見は分かりました。カーディガン着用については生徒指導部だけではなく、職員全員で決めるものなので、今すぐに返事は出来ません。
意見を引き取って職員で話し合い、その後どうするか決定してみなさんに連絡します」と告げました。
 その後、職員会議で話し合い、「女子は指定ジャージの下から・男子は学ランの下から・色は
紺や黒系統のみ」という条件つきで、それに反する場合は『預かり指導』になる、と決まりました
なおかつ「お試し期間」を設けて、その期間中に「累計15人以上」の違反者がでたらカーディガン着用は認めないということも決まりました。
 生徒が要求を出し、それを教職員が受け止めて、校則を変えるきっかけになった場面でした。
 ただ、この話には後日談があります。(またまた次回に続く………………)
 
                           沖縄高生研 照屋

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細腕三学年主任奮闘記②

(前回の続き・生徒総会にて)
生徒会からの一通りの説明が終わった後、「何か異議や質問はありますか?」という司会からの
問いかけがありましたが、誰からも何もありませんでした。あちこちでおしゃべりも聞こえ、
例年通りの「自分たちには全然関係がない集まり」というような雰囲気でした。
さて、ここで少し説明しておきます。うちの学校は、校則で「カーディガン着用禁止」となっています。どんなに寒くても、制服以外で羽織っていいのは学校指定のジャージだけです。もし着用がバレると生徒指導部預かりとなり、学期末にしか返してもらえません。
「男子が学ラン代わりにカーディガンを着たり、女子はミニスカートを隠すために着ているので好ましくない」という理由で、二年前に一斉に着用禁止になりました。その当時の職員会議で、禁止をする事への反対意見で「真冬にジャージだけでは寒いのではないか」「ジャージは運動用であって防寒着ではない」というのもありましたが、「学校全体を良い方向に持っていくには、まずは身なり指導を徹底しよう」という意見が大半で、結局は着用禁止になりました。この規則が発表されたとき、
少なからず不満を持っている生徒たちもいましたが取りあえず「禁止令」は一年続きました。
そして今年度。発足の職員会議で、「カーディガン一切禁止はやはり厳しい。どんなに寒くても、
ジャージだけでは体調を崩してしまう。」という意見が数名の女性職員から挙げられました。
それを踏まえて、「それでは、生徒総会でも生徒たちの意見を聞いてみてから今度の冬は着用を認めるかどうか判断しましょう」という生徒指導部からの提案がありました。

生徒総会の様子に戻ります。「各クラス・生徒からの要望」の時間になりました。中央委員会から
出た要望を生徒会執行部が選び、生徒総会で取り上げたものは「カーディガンの着用を認めて欲しい」
というものでした。まず生徒指導主任が、カーディガン着用が禁止になった経歴(上記で述べた理由)を説明。この場面では、さすがに生徒たちはみんなシーンとして聞いていました。
説明が終わった後、今度は生徒からの「反論タイム」。ここで誰も何も言わないと、「今年度も従来通り着用禁止」なってしまいます。誰も、何も言いません……..
 考えてみれば、全校生徒・職員がいる場面で生徒指導部長に対して反論するというのは、相当な勇気がいると思います。このまま何も発言がないまま終わってしまうかと思われました。
すると、何と!(次回に続く………………)

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細腕三学年主任奮闘記①

 こんにちは。沖縄高生研の照屋です。 一昨日から昨日にかけて、(2月14~15日)、沖縄は25℃まで気温が上がりました。ポカポカを通り過ぎて、少し汗ばむくらいの陽気でした。かと思うと、
今日(2月16日)から北風が吹いて寒さが戻ってきてます。この気温差で、生徒たちや先生方も体調を崩しがちです。 さて、東京大会に向けての応援ということですが、しばらくは勤務校での僕自身の事について書いていきます。
 うちの学校は、いわゆる進学校ではなく、かといって底辺校というわけでもありません。
地域の受け皿的な学校で、第一志望校を落ちて「二次募集」で入学してくる生徒が全体の3割くらいいます。「本当はここに来るはずじゃなかった」という気持ちの子が少なからずいます。もちろん気持ちを切り替えて学校生活を創り上げていく子たちもいます。
 現任校で、僕は勤務四年目です。最初の年は生徒指導部の遅刻係。二年目と三年目は二学年主任でした。今年、持ち上がりで三学年主任になりました。沖縄では一般的に、進学校を除いては担任団・学年団の持ち上がりはありません。担任と学年主任は毎年替わるケースがほとんどです。担任には新任の先生と臨時採用の先生は、ほとんどの場合は担任を任されます。
 今年の三年生を最後まで面倒見たいということで三学年主任になりました。二年生の頃から全体的な様子をみてます。学年の目標でもありますが、「自分たちで考え、企画し行動する」事が出来るように、「多少ぎこちなくても、失敗してもいいからやってみる」という事を意識させるようにしてます。
 この子たちが二年生の時は遠足・学校行事(体育祭)・インターンシップ・修学旅行・学期末の学年全体レク(男子はソフトボール/女子はバレー)などを経験する中で、少しずつ「自主的・主体的に動く」という事が身についてきたかな?という感じでした。
 さて、三年生になって。例年うちの学校では5月中旬に生徒総会が行われますが、僕が現任校で
見てきた限りでは、生徒会からの「前年度生徒会予算の決算・今年度予算(案)・審議事項・その他報告」という流れです。各クラスから出た要望(自動販売機を設置して欲しい・昼食時に校外外出を許可して欲しいなど)についても審議しますが、担当の先生方(事務長や生徒指導)からの「~という理由でその要望に応える事は難しい」という説明で終わります。その説明に対しても、生徒たちからの突っ込んだ反論や異論等はなく、「形式的に生徒総会をこなしている」という感じでした。
 でも、今年の生徒総会は違っていました……..
            (次回に続く…………….)