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3年目の法則

 藤本です。現在、通信制の高校に勤務しています。毎週日曜日と水曜日と木曜日にスクーリングがあります。日曜日は6時間、水曜日と木曜日は、午後に3時間ずつわけて日曜日と同じ時間割があります。
 私は世界史Aと政治経済を担当していて。それぞれ1年間で6本のレポートがあり、1時間の授業で教科書30㌻分の授業をします。といっても不可能なのですが、それでも今日はギリシアローマからフランク王国のカール大帝の戴冠、さらには東ローマ帝国(東ヨーロッパ)までを一気に授業です。
 HR担任もあって一クラス30人から40人を受け持ちます。SHRもあります。今日の出席者は多いクラスので7人、少ないクラスはゼロでした。18才までの生徒が約半数。残りは18才以上です。高齢者の方もおられます。全体の4割が中学校時代の不登校生徒、中学校卒業後すぐ本校に入学した生徒でいうと6割が不登校の生徒です。
 今年で4年目になりますが、1年目に担任をしたある女性の生徒がいます。中学校時代はほとんど学校に行っていないようです。その生徒は1年目は、SHRにも出ないし、授業にも出ていなかったのですが、ときどき学校の廊下で見かけるのです。どうもおかしいと思って学校内を探すと、グランドのベンチに座ってすごしていました。そんな彼女ですが、3年目から授業にも出だし、今はかなり順調に学校生活を送っています。2年間学校の様子をうかがいながら徐々に学校というものに慣れていったのだと思います。
 このように3年目に学校に来だす生徒は他にも何人かいて、私は密かに「3年目の法則」と呼んでいます。
 卒業記念号の新聞には卒業生が学校生活を振り返った文章を書くのですが、多くの生徒が自分のペースで学校生活を送ることができるところだったと書いてきます。この学校で社会生活のリハビリができたと書く生徒もいます。
 通信制の学校は、こんな学校です。かなり長いスパンで、自分のペースでゆっくりと学び、成長していけるところなのだと思います。(藤本幹人)

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京都へ行きます。

新しい年度が始まり、早2ヶ月が過ぎようとしています。

4月は肌寒く、いつもならゴールデンウイークに桜満開でしたが、

今年は桜を見ずに初夏を迎えようとしています。

教師生活31年目の今年は、進路指導部長という仕事です。

じわじわと忙しさが、重くのしかかってきました。

今年も3年生の数学を担当することになり、夏休みは夏期講習があります。

また、中学生向けの1日体験入学(8月6日)もあり、高生研京都大会は

二泊三日の過密スケジュールで、朝6時の新幹線で京都へ

最終日は午後2時ごろの新幹線で青森到着午後10時の旅程を考えています。

新高生研の旅立ちの時に、たくさんの仲間と出会えることを楽しみにしています。

20代のときに初めて、全国大会に参加して、教師として大切なものを

学んできました。

旅をして、自分のからだを別な空間、別な時間に移動させることで

いろいろなことを学ぶことができる。

さあ、皆さん京都でお会いしましょう。

青森高生研 よしだ まさひろ (*^-^*)

 

 

 

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京都の名刹―私のおすすめ

 高生研京都大会に参加した後は京都観光を楽しんでいってください。京都には寺社仏閣に数々の名刹がありますが、大会会場の同志社高校が位置する左京区に、私がぜひご紹介したい庭を持つ寺があります。

 一つは、大会会場の同志社高校から西へ約2KMのところにある円通寺の枯山水式庭園です。世界遺産の龍安寺石庭は砂利、石、しっくいの壁で構成された枯山水で有名ですが、こちら円通寺の枯山水は、比叡山を借景に苔を主体にして灌木の刈込みと石を配しています。書院の縁側に腰を下ろして静かに庭に目を遣ると、木立を透かして比叡山が聳え立つ、その空間の広がりが観る人の心をとらえ、時の経つのを忘れさせます。

もう一つのおすすめは、同志社高校から東へ約1.5KMのところにある蓮華寺の庭です。こちらは池泉式庭園で、庭園の奥から湧きだす水をたたえた池に石を配しています。池泉式庭園の中では規模の小さい方ですが、池も石もすべて意味を持ち、池に向かって開いた書院からじっくり眺めると、そこに一つの世界が表現されているのがわかります。静かな時間の中でじっくりと説明を聴かせていただくのもよいものです。

                                  (京都 田中)

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山下清と「学力」

先日、近所にある郷土博物館で行われていた、放浪の画家・山下清展に行ってき
ました。
彼の晩年の作・「東海道五十三次」には私の住む藤枝市も描かれていてとても身
近に感じました。
ただ、私は、どちらかというと絵より、その隣に掲示してある絵にまつわる彼の
「コメント」のほうに引きつけられました。
 ご承知のように山下清は、知的障がいを持っていました。しかし、彼のあらわ
すたどたどしいコメントは絵と遜色ないくらい実に生き生きとしていま す。恩
師につれられヨーロッパ旅行をした折、ゴッホの墓をスケッチしたときのコメン
ト。「せんせいに、ゴッホのおはかをかけといわれたけど、ぼく はとなりのお
はかのほうがずっとよかったんだな。ほんとうはそっちをかきかたった」。たし
か兵隊かなんかを描いた絵のコメント。「えらいひととい うのはいばっている
ひとなんだな。くろうするのはいちばんしたのへいたいさんなんだな。」
 山下清が戦時中、放浪の旅に出たのは一重に徴兵から逃れるためであったとい
います。そしてそのことをこれっぽちも後ろめたく思っていなかったそ うで
す。「殺されるのも殺すのもこわいこと」。そういうごく自然なおもいからとっ
た行動であったと。「お国のために命を捧げることが尊いこと」で あり、それ
を拒否すると人として否定されるような時代にあってです。
 山下清の人間として生きる「学力」は、放浪するなかで、美しい自然を楽しみ
ながら、さまざまな人と出会い、心をかよわせあうことによってさらに 育まれ
ていったのかもしれません。(絹村俊明)

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大会リーフレットが完成しました

みなさま

この度、京都大会のリーフレットが完成しました。

高生研の新たな出発を切る大会として、カラーで制作したものです。

ここ

↑をクリック

 

大会テーマ「生徒をつなぎ 生徒とつながる ~18歳を市民に~」

 

会場となる同志社中学校・高等学校は、建築されて間がないぴかぴかの校舎が建ち並んでいます。
 
初日、全体会の会場となる グレイス・チャペルはステンドグラスの窓から光が入る明るい講堂です。ここで開会行事として行われる「京炎 そでふれ!」の演舞。映えること請け合いです。
また、同じ会場で基調発題が「学校に<話し合い>の文化を」というテーマで提起・討論されます。
提起するのは酒田さんと中さん。本人が実践を進める中で紡ぎ出してきたものが提起されます。議論の時間もたっぷり用意され、今までにない基調の議論になるでしょう。
 
そして、メインの一般分科会は2日目。全日2本、半日4本の計6本のレポートが協議されます。
 
最終日3日目は問題別分科会として6本。気になるタイトルの分科会が並んでいます。
 
この他、交流会、全生研とのコラボなど、たっぷり学習できる3日間になっています。
 
今年の夏も暑くなりそうです。
どうせ暑くなるのなら、京都で過ごす夏<高生研全国大会>で熱くなりましょう。

 

広報担当 安藤

 

 

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「細腕二年担任奮闘記④」

 沖縄の照屋です。先日、梅雨入りしました。三日ほど前、仕事が終わって夜7時頃に帰宅しようとしたら、バケツをひっくりかえしたような雨が降り始めました。おまけに勤務地はわりと高台なので、雷もゴゴォーッと30秒に一度くらいの割合で、夜空を一瞬真っ白にしながらすごい音を立て、近くに何度も落ちていました。「ひょっとして、自分の車に落ちるんじゃないか?」と心配しながらノロノロと運転して、何とか無事にアパートに着きました。この原稿を書いている今(夜11時過ぎ)も、外は豪雨です。

 

 さて、去年の担任としての実践報告の続き。9月下旬に行われる予定の文化祭で、「絶対に劇をしたい(させたい)!」と思ったのが6月。それ以降、LHRはもちろん、授業でも「劇がいいんじゃない?」という事を生徒たちにアピールし続けてきました。一学期中には何をやるのか決まらず、7月半ば(夏休み直前)のLHRで、各班(6班)から出た意見は以下の通りでした。

 

(体育館舞台でやるなら)→ ○ 劇 ○ ダンス ○ タイタニック 

ハイスクールミュージカル ○ エイサー ○ プロポーズ大作戦 

ももたろう/ちびくろサンボ ○リバーダンス

HR教室で展示をやるなら)→ ○ おばけやしき ○ 心理カウンセラー ○ 執事カフェ

 ダンス+メイド喫茶+おばけやしき→くっつけてもいいかなと思う!!

    

 「劇をやって欲しい」という思いはありましたが、こんなに多様な意見があるとは予想外でした。

 結局、何をやるか決まらないまま夏休みに入りました(本番は9月下旬!)。夏期講習をこなす中、「どーする?何やる?」と呼びかけ、最終的には自分たちで決めてもらおうと思いました。7月最後の週。まだ決まっていない中、2週間ほど出張があり、学校を留守にする事になりました。生徒たちは夏期講習で出校しますが、僕はいません。

 そこでクラスのリーダーたち(文化祭実行委員+HR役員)に手紙を出すことにしました。

 「①文化祭で何をやるのか、少なくとも8月上旬中に決めておかないと、夏休み中に準備が出来ない事」「②決まったとしても、一人一人の具体的な動き・役割・スケジュール等を、ある程度話し合わないと、動けない事」「③そのために、あなたたちリーダーが中心になってみんなをまとめて欲しい事」みたいな事を書いて合計六人に郵送しました。8月6日に出校日があります。どんなに遅くとも、それまでにはおおまかな内容や役割、そして夏休み中の具体的な動きが決まってないと、本番に

 間に合いません。祈るような気持ちで六人分の封筒を投函しました。

 8月6日、出校日。2年7組ほとんどの生徒が元気な様子で9時に正門前に集合しました。

 「あつし先生、劇をやります。“トイストーリー”やります。」リーダーの一人が伝えてくれました。

 僕は(嬉しかったけど表情には出さず)「そっかあ。劇やるんだな。そいじゃあ、シナリオ作成・役者・衣装(一番大変だ!)・照明・音響とか、色んな係を決めないといけないな」と答えました。

 二時間ほど校内の清掃をした後(夏休み中の各クラスの出校日は、清掃後にLHRを行う)、冷房が使えるLL教室で話し合いを持ちました。基本的に、全てを生徒たちに任せました。

 一時間ほどで、驚くほどスムーズに、ほぼ全ての配役が決まりました。

 僕も配役があって、「ポテトヘッド」をやって欲しいとのことでした。劇を上演するのが決まったので、僕自身も何か関わりたいと考えていました。なので「ポテトヘッド」役も喜んで引き受けました。ただ、この時、僕も含めて、生徒たちも、ある「大切な事」に気づいてませんでした….(本番が終わってからようやく気づいた事が!)  to be continued……..

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「教材教具展」は実践交流と情報発信の場です

青森高生研  木村 一男

開花から満開までの所要日数9日。1947年の観測開始以来の最長日数。弘前公園の桜は5月7日にようやく満開宣言となりました。そしてその桜も散り終わった今日この頃、津軽にはりんごの花だよりが聞こえてきます。

さて今日は、「青森の教材教具展」をご紹介します。青森高生研では、かなり以前より年2回(8月、2月)の1泊研究集会において、この教材教具展にかなり意識的に取り組んできました。1996年の初めての青森での全国大会(三沢古牧温泉)、2008年の2回目の青森全国大会でも、現地提案企画としてこの教材教具展に取り組みました。

HR・授業・学校行事・分掌などの教材や教具、通信、出版物、資料などを自由に持ち寄ってもらい、会場の一隅に展示することで実践の紹介と交流を図るというものです。

最近は県の学習会や全国大会、東北ブロックゼミなどの紹介にも力を入れ、全体として高生研の活動についての情報発信ができるよう心がけています。それは、特に初参加者や若い参加者の皆さんに高生研をよく知ってもらいたいという思いがあるからです。

優れた実践報告から学ぶと同時に、この教材教具展からは様々な実践上のねらいや創意工夫、そして各種研究集会の様子を感じ取ってもらいたいと思っているのです。

写真は今年2月、新代表の森俊二先生を講演講師としておいでいただいた第90回青森高生研研究集会の教材教具展の様子です。まずは森先生の紹介コーナーは学校の所在地地図、学校のHPからの資料、教育課程表の掲示。昨年夏の東京大会の紹介は①写真(模造紙に貼ってコメント入り)、②大会速報、③大会レポートや議案書など各種資料の展示、④会員登録の呼びかけコーナーなど。県やブロック集会の紹介も同様です。そのほかにも、機関誌・全国会員通信・他県の会員通信(大阪、熊本など)のバックナンバーや各県サークルの研究紀要・実践記録集なども。もちろん参加者持参の教材や教具が並びます。

教材教具展コーナーの前にはおやつコーナーも設けているので、参加者の皆さんは休憩時間にはおやつをつまみながら展示に見入っています。

会員登録コーナーの効果があったか、2月の集会では新たに私学の青年教師が全国会員になってくれました。東京大会で岸田先生からいただいてきた勧誘パンフと「優待券」、大変役に立ちました。実はかつて私が教職を勧めた教え子です。全日制・定時制掛け持ちでの時間講師やアルバイト、臨時講師などの苦労を経て、私学に採用となった青年です。今度は一緒に全国大会に参加するのが願いです。

夏の京都大会は青森の酒田孝先生が岩手の中純子先生とともに基調発題を担当。青森からも酒田・中応援ツアーを編成しなければと思っています。

新事務局、グループスタッフ、そして京都大会現地スタッフ皆さん、頑張ってください!!

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「魂の脱植民地化とは何か」著者、深尾葉子(大阪大学)さんとの交流会のご案内(その1)

埼玉の内田理です。
大会の交流会を一つつくります。そのご案内です。
「魂の脱植民地化とは何か」(青灯社)という本をご存知でしょうか。この本の著者である深尾葉子さんをお呼びして、お話をいただき交流する会をつくります。「魂の脱植民地化とは何か」の中に、「魂に蓋をする」という言葉が出てきます。この言葉が意味することと、私たちが日々の仕事の中で出会う様々な困難とがつながっていると思われるので、この交流会をつくることにしました。
親との関係から困難を抱え込んでいる子ども、摂食障害や自傷行為などの病理的な状態にある子、イジメなどハラスメント的な関係など、これらは子どもたちがその生育過程で「魂に蓋を」させられてきた結果なのではないかと思われるのです。
それだけではなく、「ゼロトレランス」や体罰、計画遂行型成果主義など、教育現場に蔓延しはじめている病理的な状態も絡む可能性があり、また、学校教育が「魂に蓋をする」ことを強化しているのではないかとも思えるのです。
「魂に蓋」をしてしまった極端な例が、2008年6月に秋葉原で連続無差別殺傷事件を起こした加藤智大でしょう。母親から虐待とも思える極端なしつけをされ続け、魂に蓋をして母親の期待する子どもを演じて育っています。こういった極端な例だけではなく、親や学校から教え込まれた価値観により、魂に蓋をして、それに合わせた自分を演じるような生き方をしている人は多いのではないでしょうか。
先日行われた全国フォーラムの参加者の一人に「魂に蓋」の話をしていたら、その方は自身の経験から、進学校の生徒達は自分たちに期待される将来像の圧力が強いためか、本当に自分がやりたいことを容易には語らないといっていました。かなり対話を重ねて、はじめて聞き出せるというのです。今の学校がつくりだしている支配的な文脈が、「魂に蓋をする」ことを強固にしていると思われます。(京都大会全体会で発題される酒田基調は、その支配的文脈を相対化することを含んだ提起になります)
深尾さんは、安富歩さん(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/interview/16.html)らとの共同研究から「魂の植民地化」「脱魂の植民地化」という概念を見いだしていますが、その中で生まれた「魂に蓋」という概念は、安冨歩さんが本條晴一郎さんと書かれた「ハラスメントは連鎖する~『しつけ』『教育』という呪縛~」(光文社新書)にある、魂-インターフェイス理論やコミュニケーション論と絡んでいます。
これらの著作を読み進むうちに、深尾さんや安冨さんがいわれていることが、私たち高生研が研究してきたことに直接絡むと感じ、京都に近い大阪に住んでおられる深尾さんに交流会をお願いしました。深尾さんは教育と全く異なる分野の研究者ですが、だからこそ、今までの高生研で話されてきたこととはまったく別の視点からお話をいただけるもとと期待しています。
多くの方がこの交流会に参加して下さるよう、ご案内いたします。

深尾葉子さんプロフィールhttp://www2.econ.osaka-u.ac.jp/~fukao/default.htm

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「カンボジアに行ってきました」

 みんなさんこんにちは。秋田大学教育文化学部3年の遠藤大輝です。昨年の東京大会ではお世話になりました。今年の京都大会にも参加したいと思いますのでよろしくお願いします。
今まで高生研では、東日本大震災に関連しての故郷との関わりについて何回か活動報告をしてきましたが、今回は少し違ったテーマでお話しようと思います。
 少し前の話になりますが、今年の三月にインターンとしてカンボジアへ行ってきました。活動内容は主に子どもたちへの生活支援でした。そこでの体験を簡単にお話します。
 発展途上国であるカンボジアでは、日本と比べて生活水準がとても低く、小さな子どもたちでも当たり前のように働いています。日本では考えられないようなことがカンボジアでは当たり前のこと。というのも珍しくはありません。活動はアンコールワットで有名なシェムリアップを拠点とし、シェムリアップ郊外の小学校や孤児院を訪問してきました。カンボジアの小学校は午前午後の二部制で、勉強以外のどちらかは働きに出かけます。もちろん教育のシステムは日本と全く違い、これでいいのか?と、疑問に思う部分が多々ありました。そんなカンボジアの学校風景を見ていると日本の教育がどれだけ発展しているか実感しました。カンボジアは今、観光大国としての発展を目指しているそうで、ツアーガイドなどの観光サービスに従事できるよう、日本語を勉強している若者がたくさんいました。小学校では日本語を教えたり、一緒に子ども達と遊んだり、その他勉強道具の寄付などを行ってきました。とても元気な子どもたちにたくさんのパワーをもらってきました(笑)

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 一方、カンボジアでは家庭での収入が少なく、子どもを養えないという理由でたくさんの子どもたちが孤児院に入ります。日本人が訪れると、子どもたちは大歓迎!拍手が湧き起ります。家族と共に暮らすことのできない子どもたちはどのような心境なのでしょうか。現地で生活をしているといろいろな思いがこみ上げてきました。来ている洋服はボロボロに破れ、紐の通っていない靴を履き、とりあえず雨風はしのげるだろうかというような建物で生活していました。きっと多くの日本人はそれを可哀想、貧しいなどと思うでしょう。もちろん僕もそう思いました。しかし、子どもたちの目はすごく輝いている。子どもたちは大人になったらお金をたくさん稼いで家族と暮らしたいと話していました。僕たちが思う貧しさなどに子どもたちは負けまいと奮闘しているようにも思えました。子どもたちは自分の生活のために何をすべきなのか、子どもたちながらに一生懸命考えて生きています。日本ではどうでしょうか。豊かさで溢れている故に、そのようなことを考える必要もないし、考えなくても何とかなってしまう。先進国ではありますが、一度発展してからさらに発展はしていないんだろうなと考えさせられました。

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 カンボジアではいろいろなことを自分の肌で感じ考えてきました。カンボジアでの体験は、この記事ではほんの少ししかお話できていません。まだまだたくさんのことがあります!!!機会があればまたお話したいです。
 カンボジアでの体験を振り返ってみると、子どもたちと関わることすべてが教育なのではないかなと感じています。大学1年生の時に高生研と出会い、気づけば3年生。これからもさらに頑張っていきたいと思います!

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定時制高校からこんにちは 

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青森のかたぎりです。4月から夜間定時制の高校1年の学級担任になりました。

転勤はなかったのですが、家庭の事情で汽車通勤となったため、
定時で終わっても、自宅に着くのが23時すぎ・・・。

9年ぶりの1学年担任です。
無理して身体を壊さないように楽しくやっていきたいと思います。

4月24日、総合学習の時間に「高校生活での目標」を書いてもらいました。
紹介します。

● 高校生活での目標はアルバイトと学校の両立。休みの日はちゃんと休んでアルバイトする時間も考えながらアルバイトをして、学校を休むことがないようにしていきたい。

● 中学の時、人前に出ることができなくて学校を休んでいた。高校ではもっと積極的になって、勉強も行事も全力で取り組もうと思う。苦手なもの全て克服できるようにしたい。

● 早寝早起きなど家での生活態度を改善していく。また、行動で信用される人間になれるよう、授業に積極的に参加するなど日々努力をして自分の将来のために頑張っていく。

● 今までの私は、人見知りで人前に出るのが苦手で、嫌なことからすぐに逃げていた。高校生からは勉強もバイトも、嫌なことから逃げずに頑張っていきたい。

● 僕が高校生活でかんばりたいことは、一つ目は毎日学校へ来ること。二つ目はアルバイト。三つ目は自分で道を決めること。四つ目は勉強。最後は努力です。

● まずは、人の役に立つことをすることです。色々な人に喜んでもらうために・・・。そして自ら積極的に行動したり、授業の時でも手を上げられるようにがんばりたい。

● 高校は時間を守る事は当たり前なので、次の教科の時間に遅れないようにし、当たり前のことを当たり前にやっていきたい。勉学にはげんでいきたいというのが基本的な目標。

● 高校に入ってテニスをがんばろうと思いました。クラスの副会長として会長を支えていきたい。色々なことにも挑戦したい。(ぼくたちの)高校をバカにする人はゆるしません。

● 僕は高校に入れたからバイト、部活、ボランティアなど様々な事にチャレンジできないかと検討中で、卒業するまでには高校の力になれる存在になりたい。

● 高校生活の目標は、しっかりしていて頼られる人になりたい。そのためには、ふだんの生活態度や信頼関係などを増やしていきたい。次に、友達とさらに仲良くしたい。

今日は連休明けの5月7日、
17時30分からの「朝」のSHRにクラスの生徒全員がそろっているのか、
どきどきです。

 
(青森高生研 かたぎり たく)

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大阪高生研 春からいろいろにぎやかに 5/26編

●3人のお子さんを持つおかあさんのブログから。

保護者から大阪の先生たちへ。

大阪の多く保護者は、橋下さんの教育改革に期待しています。
でも、期待とは裏腹に、その中味をじっくり見ていくと、
私たち保護者の願いとは、かなりズレがあることに気づきます。
しかし、よほどじっくり見ないと、そのことに気づけません。

先生たちは、きっと、教育基本条例の問題点や、現場の変化をよくわかっている。
だから、気づかない保護者を「バカじゃないか」と思っているのではないですか?
先生たちが、橋下さんたちの施策に反対する運動をするとき、
「その教育改革は間違っている」ということが前提になりすぎてて、
保護者の思いを置きざりにしていませんか?

保護者は、わが子を待ち受けている社会の現状が、非常に厳しいものだとわかっている。

だから、わが子だけでも何とか助かってほしい、
生き残り競争に勝ち残ってほしい、と思っています。
その切実さに寄りそってほしい。
勝つか負けるかだけでなく、わが子とまわりの子の利益はつながっているということ。

 

(以下略。「軒づけ日記 http://yurihinana.blog.fc2.com/blog-entry-279.html」を参照ください。 許可得てご紹介)

大阪・サトウです。

この文章を書かれた「ゆりひなな」さん(ペンネーム)も参加される大阪高生研応援企画

「大阪 “教育条例” 制定から1年 大阪の教育どうなるん !? 立ち止まってじっくり検証してみよう集会」(←長い!)

が5月26日(日)に開催されます。
(大阪の教育の明日を考える会主催)

定員50名。
「そのうち30名はまずクチコミで集めようよ」と広げた結果、大阪大、大阪市大、大阪教育大、帝塚山学院大、武庫川女子大、和歌山大、近畿大、追手門学院大……関西各大学の研究者の方々から申し込みずらりいただきありがたい限り。

シンポジストも先の大阪市教育委員長(教育学者)ほかの方々が条例制定時・後の「攻防」などを語ってくれるんだけど、何よりも多彩な参加者たちが語ることばが楽しみです。

他にも高生研、全生研関係者や保護者の方々、マスコミ関係者も今のところ6名。隣県を受けて教師になった若い先生やちょっと前まで高校生で実際に「授業アンケートに答えた」という大学生たちも来てくれて「ぶっちゃけどうだった?」を語ってくれます。

「最近の大阪の教育動向に嫌気がさして教師をやめた」という方や「君が代不起立」でたたかっておられる方もエントリーされていて、グループ討論の中でがんがん語っていただきますが、企画のスタンスとしては、 冷静に、条例1年で「よくなったこと」「悪くなったこと」の両面を検証し、今後をさぐりたい。

上記、3人のお子さんを持つおかあさんのご期待にも応えられるものになれば、と思います。

現在、申し込みは40名を突破しました。
いよいよ各所ブログやMLほかでも宣伝をはじめますが、本気で定員増も検討中です。

 

高生研関係で参加いただく方には、下記「第2部」の「班長」をお願いするかもしれません。
10班(もしくはそれ以上)、必要。
「突然のムチャぶり」に、可能なら笑顔でこたえていただければたいへんうれしい。

趣旨ご理解いただける方どなたでも参加可です。

「よし、行ったろかぁ」は、サトウほか大阪高生研メンバーもしくは大阪の教育の明日を考える会事務局 jimukyoku@kyoikunoashita.sakura.ne.jp まで、お早めのメールをお願いします。

<以下>

大阪 “教育条例” 制定から1年 大阪の教育どうなるん !?
立ち止まってじっくり検証してみよう集会

日時:2013年5月26日(日)午後2時~6時(たっぷり4時間)
場所:大阪大学中之島センター 7階 セミナー室
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53 TEL 06-6444-2100
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php

14:00 開会

現場ミニ報告
小野田さん(大阪大・教員養成の観点から) ほか教員、高校生、ほか

第1部 シンポ「条例制定 そのプロセスとその後を振り返る」
シンポジスト(予定)
・矢野裕俊さん(前大阪市教育委員長・条例制定のプロセスの検証(意図や攻防))
・藤田城光さん(前大阪府立高等学校PTA協議会会長・府立高校の将来像)
・大前ちなみさん(発言する保護者ネットワーク・学校選択制)

コーディネーター 滝沢潤さん(大阪市立大)

3:30 質疑応答

4:00 第二部
グループ討論 「大阪の教育のいま、そしてこれから」

・自己紹介
・自分の問題意識を全員に述べてもらう。
・必修テーマ 二つ
授業評価のあり方・・・本当に実のある評価のあり方とは?
学校選択制・学区撤廃・・・・本当に行きたい学校とは
・その他、各班ごとに問題関心に合わせて、自由テーマ

※評価基準
いい先生が「当たる」のか? いい先生が育つのか?
子どもにとって最善の学校とは何だろう?

※検証~教員にとっての意味だけではなく、生徒の学校参加としての側面から考える。

5:30  各班からの報告と全体討論

6:00 閉会(懇親会あり)

・チラシ http://kyoikunoashita.sakura.ne.jp/20130526_chirashi.pdf

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高等教育の漸進的無償化

久田晴生(愛知)

 皆さんはきっと、国際人権規約の「中等教育・高等教育の漸進的無償化」条項というのを聞いたことがあると思います。高校や大学の学費をだんだん無償に近づけていくという条項です。日本政府は長い間、この条項を留保(組合運動なんかでもしばしば「日本とマダガスカルだけ」と引き合いに出されていたやつです)していたのですが、昨年9月、この留保の撤回を国連に通告し、国連はこれを受理しました。高校では既に公立の無償化は実現されていますが、大学でも無償に近づけていく方向に、日本政府もいよいよ踏み出したわけです。
 なんでこんなことをいきなり言うのかというと、昨年秋から私は、東海地区の私立大学助成運動推進協議会というところで議長をやることになり、この問題に対して(今までも関心はあったのですが)力を入れていかなければ、と思っているからです。ではそのことが高生研とどんな関係があるかというと、大学進学率に直結すると考えているからです。
 現在日本では4年生大学への進学率が、同年代の人口比で51%に達しています。これは一見高いように感じると思いますが、実は諸外国では70%を越えているところがざらで、途上国でも急速に進学率を上げているのが実情です。国づくりに教育は欠かせないと考えているのです。この冬、田中真紀子前文科大臣が3つの大学新設を認めないということで一時物議を醸しましたが、彼女の考えはその点、時代遅れとも言えます。事実、下村現文科大臣は、70%を目安にすると公言しています。
 しかし国庫助成が貧困なため、学費が高く、奨学金を借りようにも有利子制(外国ではこれは「奨学金」とは呼ばず「教育ローン」と呼ぶ)で卒業後の返済に多くの人が不安を抱えています。高等教育無償化の方向に踏み出さない限り、70%という目標はおろか、現学生にとっても卒業後の家計破綻が増大する(ひいては税収減にもつながり社会の不安定要素になる)ことが懸念されます。
 では、何らかの経済的保障もされ、進学率も上昇したとします。その場合、大学入試が易化し、高校教育にゆとりが生まれるでしょうか。おそらくそうはならないと思います。今の中学教育を見れば明らかです。高校がほぼ全入であるがゆえに高校の階層化が進み、さらに進学できなかった数%の子たちのその後の進路は困難を極めます。同じようなことが高校でも起こってくるのではないか。たとえば、求人の条件がほとんど「大卒」になり、無理して大学へ行かそうとするとか。そして、「国が援助しているんだから、それに見合った人材を育成せよ」という圧力(既に大学では非常に強い)が一層強まるでしょう。教育基本法に書かれた「人格の完成」という教育の目的なんて、もう吹っ飛んでしまっています。
高校の授業料無償化にしても、高等教育の漸進的無償化にしても、一昨年国会で揉めた子ども手当にしても、その根底には、子どもは社会で育てるという理念があるはずです。その理念を忘れないことが、これからの教育実践に問われてくるように思います。