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3年目の法則

 藤本です。現在、通信制の高校に勤務しています。毎週日曜日と水曜日と木曜日にスクーリングがあります。日曜日は6時間、水曜日と木曜日は、午後に3時間ずつわけて日曜日と同じ時間割があります。
 私は世界史Aと政治経済を担当していて。それぞれ1年間で6本のレポートがあり、1時間の授業で教科書30㌻分の授業をします。といっても不可能なのですが、それでも今日はギリシアローマからフランク王国のカール大帝の戴冠、さらには東ローマ帝国(東ヨーロッパ)までを一気に授業です。
 HR担任もあって一クラス30人から40人を受け持ちます。SHRもあります。今日の出席者は多いクラスので7人、少ないクラスはゼロでした。18才までの生徒が約半数。残りは18才以上です。高齢者の方もおられます。全体の4割が中学校時代の不登校生徒、中学校卒業後すぐ本校に入学した生徒でいうと6割が不登校の生徒です。
 今年で4年目になりますが、1年目に担任をしたある女性の生徒がいます。中学校時代はほとんど学校に行っていないようです。その生徒は1年目は、SHRにも出ないし、授業にも出ていなかったのですが、ときどき学校の廊下で見かけるのです。どうもおかしいと思って学校内を探すと、グランドのベンチに座ってすごしていました。そんな彼女ですが、3年目から授業にも出だし、今はかなり順調に学校生活を送っています。2年間学校の様子をうかがいながら徐々に学校というものに慣れていったのだと思います。
 このように3年目に学校に来だす生徒は他にも何人かいて、私は密かに「3年目の法則」と呼んでいます。
 卒業記念号の新聞には卒業生が学校生活を振り返った文章を書くのですが、多くの生徒が自分のペースで学校生活を送ることができるところだったと書いてきます。この学校で社会生活のリハビリができたと書く生徒もいます。
 通信制の学校は、こんな学校です。かなり長いスパンで、自分のペースでゆっくりと学び、成長していけるところなのだと思います。(藤本幹人)

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