高生研京都大会に参加した後は京都観光を楽しんでいってください。京都には寺社仏閣に数々の名刹がありますが、大会会場の同志社高校が位置する左京区に、私がぜひご紹介したい庭を持つ寺があります。
一つは、大会会場の同志社高校から西へ約2KMのところにある円通寺の枯山水式庭園です。世界遺産の龍安寺石庭は砂利、石、しっくいの壁で構成された枯山水で有名ですが、こちら円通寺の枯山水は、比叡山を借景に苔を主体にして灌木の刈込みと石を配しています。書院の縁側に腰を下ろして静かに庭に目を遣ると、木立を透かして比叡山が聳え立つ、その空間の広がりが観る人の心をとらえ、時の経つのを忘れさせます。
もう一つのおすすめは、同志社高校から東へ約1.5KMのところにある蓮華寺の庭です。こちらは池泉式庭園で、庭園の奥から湧きだす水をたたえた池に石を配しています。池泉式庭園の中では規模の小さい方ですが、池も石もすべて意味を持ち、池に向かって開いた書院からじっくり眺めると、そこに一つの世界が表現されているのがわかります。静かな時間の中でじっくりと説明を聴かせていただくのもよいものです。
(京都 田中)