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「ヲタ芸」をめぐるてんまつ ~昨年の熱い夏から~

 「昨日の日曜日のステージ練習、無断で来なかった人が10人もいました。無断で休むなんて人としてどうなんですか!失礼にもほどがあります!」とキツい口調で訴えたのはNさん。文化祭本番9月6日を数日後に控えた月曜午後のHRだった。
 3年生各クラス、ステージ上での持ち時間は20分と決められている。その範囲内で、なにかしらのパフォーマンスを、全員がステージに立つ場面を少なくとも一つ入れて各クラスが創意工夫する、というのが3年生に課せられたテーマである。他クラスと違って、このクラスはほぼ全員が(指定校や公募制推薦でなく)一般入試での進学希望で、夏休みは受験勉強の一つの山場だ。演劇が課題だった2年生の時は、ミヒャエル・エンデの「モモ」から台本を起こし、役者から大道具・照明・音響にいたるまで全力で取り組んで素晴らしい作品を作り上げた生徒たちだが、「今年はそんなゆとりはありません」という雰囲気が7月当初には漂っていた。
 しかし「受験を理由に文化祭に手を抜くことはしたくない」と宣言したNさんが企画担当に立候補し「音楽とダンスの趣味の合う人同士で小さなダンスグループをいくつか作って、小グループで時間を合わせて練習する。これなら練習に割く時間の負担が少ない。クラス全体では二部合唱をする。合唱の練習は二学期が始まる8月25日以降の午後にする。」という案を出してきた。この案は圧倒的多数で支持された。「小グループのリーダーを先に募ってグループ員を後から募集する方がよくない?」という担任のアドバイスが受け入れられて、いくつかのグループ募集がクラスに掲示された。
 その中に男子(このクラスには13人しかいない)Kくんの「ヲタ芸」も含まれていた。私の反応は「へー、ヲタ芸って何?」という素朴な疑問だったのだが、Nさんたち一部女子の反応は「ヲタ芸?問題外。そんなものをクラスの出しものに入れるんですか?」というもので、Nさんが仕切る企画会議(クラス全員参加)で、「ヲタ芸をクラスの出しものに入れてもいいかどうか、意見をください」と議論の俎上に乗せられてしまったのだ。「ヲタ芸」グループに参加するつもりだと意思表示した男子が8名いたのに加えて、女子を含む圧倒的多数が「入れてもいい」と意思表示したのでこの件は一見落着したが。しかし「なんで僕の案だけが、賛否を問われないといけないんですか!」とKくんは怒っていた。彼の怒りはもっともである。「『ヲタ芸』っていう呼び方がまだ社会的認知を得ていないからかなぁ~~。申し訳なかったよね~~。ライトスティックを持って踊るんだし、グループ名を『ライトスティックダンス』にしたら内容と名前が一致していいのでは?」と私は言った。Kくんのグループ名は「ライトスティックダンス」となった。
 その後各グループの持ち時間の件で「ライトスティックダンス」グループのKくんとNさんたちは再びもめた。全体で20分しか持ち時間がないところに、クラス全体合唱5分、あとの15分を6グループで割るのである。3分を要求したKくんに対してNさんが割り当てたのは2分だった。「2分ではできない」とKくんは粘ったが、「ヲタ芸を3分間も見せられて観客は楽しいですか」とNさんは冷ややかだった。「こういうことはグル―プのリーダーが集まって決めたほうがいいよ。」と私はアドバイスし、進学補習の合間を縫ってリーダー会議が何度も持たれた。結局、グループ毎にだいたいの時間を目安として持ち、通しけいこを始めてから互いに融通して20分におさめる、という方針が確認された。もっともKくんはリーダー会議には来なかったのだが。(Kくんは夏休みに入るやいなや音信不通となった。某人気女子グループのサポートをしているらしかった)
 話は元に戻り、8月後半の午後のHRである。グループ毎のダンスの練習は順調に進み、Kくんグループは8月25日以降の猛練習で完成度を上げつつあった。そのKくんたちが直前の週末のステージ練習に来なかったのである。クラス全体として少しでも良いものを、と焦るNさんの気持ちと、週末の練習は強制ではないだろ、という一部男子たちとに行き違いがあったのだ。そして冒頭のNさんの発言が飛び出したのだった。
 「無断欠席するなんて、人としてなってないと思います」。というNさんの発言に反応してKくんがつぶやいた。「お前のその言い方のほうがなってないやろ」。「え?私に向かって言うてるんですか?」(Nさん)。「そうや。お前の、その、『私の方が正論です』ていう言い方、それ、他の人を見下してるやないか」(Kくん)。「オマエ、自分のすることやってから言えや」(YさんがKくんに向かって)。クラスの雰囲気は大勢がNさんに味方しているかのようだったが・・・・・・・。
 それまで教壇の端に座りこんで聞いていた私は問うた。「みなさんはどう思うんですか?」生徒たちのクラス内での立ち位置が相対的に安定していて何かと無難にことをやり過ごしてきた生徒たちである。積極的に手は挙がらなかった。しかし私は「全員に発言してもらいます」と言って、順に生徒を充てていった。Nさんの気持ちに理解を示しつつも、メンバー員を猛特訓しているKくんの頑張りを評価する女子の発言内容が多く、Kくんを非難する声はごく少数だった。「それぞれが、できる形で力を出すと言うのが今年の方針だし、土曜の練習に来なかったのは悪くない。」という、Nさんに近い女子からの発言もあった。そのことはNさんにとっては意外で大きな衝撃だったようだ。この出来事はNさんに一時的ではあれ大きな孤独感を抱かせることとなり、この日から発表が終わるまでNさんを支えるのが私の仕事となった。(しかし後にNさんは、この事を通して自分を振り返ることができたと言っている)。
 クラスのダンスは各グループが完成度の高いパフォーマンスを見せたが、特にKくんグループのヲタ芸「ライトスティックダンス」が大喝采を受けた。私もその完成度の高さに率直に感動して見ていた。「ヲタ芸があんなすごいものだとは知らなかった。」「Kのグループはキレが全然違いますね!」と職員からも感想を寄せられたほどだった。この後、ヲタ芸は若者文化の一ジャンルとしてクラスの中に公然と位置づいたのだった。
                                      京都(田中)

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交流会のお知らせ「多様なセクシャリティについて学ぼう」

交流会のお知らせ
「多様なセクシュアリティについて学ぼう 

-渡辺大輔さんを囲んで-」

日時 ; 8月10日(金)19:00~21:00(18:30~お茶会開催)
場所 ; 東洋大学1号館 4 階

自分の周りに性同一障害や同性愛者などセクシュアルマイノリティがいると考えたことがありますか?性自認と体の性は同じで異性愛が当たり前と思っていませんか?無意識に生徒へ異性愛を強要したり、「ホモネタ」を笑う生徒をそのままにしていませんか?生徒の中には、男女別の制服や男女別に行う体育の授業に違和感を持っている子がいるかもしれません。
セクシュアルマイノリティと教育の専門家である渡辺さんを囲んで、「性」のしばりから自由になる第1歩を体験しましょう。もちろんジェンダーの問題もおおいに絡んでくる交流会になるはずです。
18:30くらいから、全国津々浦々から届いた美味しいお菓子をいただきながら食後のデザートを楽しみましょう。

(前田浪江)

渡辺大輔さんのプロフィール
千葉大学・埼玉大学・都留文科大学・東京都立大学・首都大学東京
法政大学・千葉市青葉看護専門学校 非常勤講師  博士(教育学)
専門:セクシュアルマイノリティ/セクシュアルマイノリティと教育

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学校の「国際化」

 火曜日の夜、公民館の一室に、日本語を学ぶ外国籍の母親と一緒に、幼稚園から高校までの子ども達が公民館にやってきます。日本語を学ぶのは、当初は、中国帰国家族でしたが、今は、中国やフィリピンなどからのお嫁さんがほとんどです。お母さんの都合で、言葉も知らず友達もいない日本に突然来た連れ子の戸惑いは気の毒なほどです。その上、学校になじめずいじめもあります。もちろん、日本で生まれた子ども達もいます。日本語教室では、日常生活にも関わって支援してきました。その結果、子供たちは元気に学校へ通っています。
 問題は学校の勉強です。日常会話はすぐできますが、「学習言語」となると大変です。学校の先生は、子ども達がおしゃべり上手だから勉強にもついてこられる、と誤解をしてしまいます。「先生は、勉強に関係ないことをしゃべって、何言ってるか分からない。」と言う子がいました。先生の言う冗談が理解できないのです。
 そして、高校入試があります。20年ほど前は、定時制しか行けなかったのですが、今は、一般入試で合格するようになりました。工業高校や商業高校、普通高校、ついには進学校にまで入るようになりました。東京外大に入り、「日中の架け橋になる」と頑張っている子もいます。その子たちは、小学校から日本語教室に通っていました。小学校の頃、日本語を上手に話すから学ばせる必要がない、と言われて来なくなった子も、高校に入ってからどうも勉強が分からない、というので話してみると、小学校3~4年生の頃の言葉が抜けていると言います。今、大学進学を目指して、また通ってきています。改めて言葉の基礎の大切さを知りました。
 実際、どの子の親が外国人なのか、分かりません。見るからに「外国人」という子は少なく、アジア系の親の場合、顔や名前で判断できない場合が多いです。特に、お母さんが外国人の場合は、子供と密接に関わりながら言葉を伝えられない、という点で子供は難しい状況に置かれます。日本人にとって当たり前な言葉が伝えられていません。母親はチラシが読めず、風習が分からないので子供に無関心な親のように見えます。ある小学校では、それまで日本語指導を必要とする子供はいない、としていたそうですが、詳しく再調査したら十数人いたそうです。ちょっと変わった子、勉強の出来ない子、親が無関心な子、という風に理解されていたそうです。現在は補助員が付き、勉強の世話だけではなく、学校の通知の説明なども親にしています。
 では、高校ではどうでしょうか。今はあまり家庭に関わらない時代で、そのことにより、多くのことが見えなくなってはいないでしょうか。昔は、夏休み中までにクラス全員の家庭訪問をすることが当然とされていました。時代の変化と言えばそれまでですが、担任が生徒の家庭に関心を持たなくなったことは正しいのでしょうか。学校でみせる生徒の姿で判断していないでしょうか。教師と保護者が仲良く出来ればよいのですが、教師側が拒んでいるような気がします。先の小学校のように、「変わった生徒」の本当の姿を知らなかった、ということはないでしょうか。
 以上は、外国人が少ない秋田の話です。愛知、神奈川、東京、静岡、大阪はそうした児童生徒の多いベスト5です。そこではまた違った問題がありますが、日本国中、いない地域はありません。身近な「国際化」への対応が、どこの学校・教師にも求められているのです。しかも、英語では対応できません。      とらぬ狸@秋田

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最後の高生研な日々(その2)

 消閑亭です。
 1ヶ月はあっという間です。この間の「高生研な日々」を報告します。
 5月26日に、予定通り「メキシコ料理の会」を行ないました。午前10時にわが家に集まって、『高校生活指導』青木書店刊最終号の校正をやり、午後から、メキシコ料理をつくるという催しです。
 だいたいの方は我が家が初めてではないので、自力でたどり着けるのですが、MSさんは、忘れてしまったとかでとんでもない方に行ってしまいました。そんなこともありましたが、10時半頃には私を含めて9人が揃いました。
 ttさんとmkさんと私は厨房で料理係です。ほかの6人は校正です。KTさんは編集長にして本号の実務担当なので、もう読みません。したがって実働部隊は5人ですが、そこはプロのkyさんがいるので、順調に進みました。
 校正が終わったのは1時前。その頃には近くの学校で部活指導を終えたKTさんも現れ総勢10名に。しかし、文化祭指導が待っているというUOさんは残念ながら早退。出来上がったばかりの料理をかき込んで学校に向かいました。
 料理をつくるのはけっこう大変でした。10人分の料理というのは相当な量ですし、厨房が広い訳ではないので、手間取るのです。でもうまくできました。
 1時から5時ごろまでわいわいやりながら、楽しい会となりました。ただ残念なのは酒飲みのFSさんが腰痛になり、クルマで来たことです。1ケース2ダース用意した銀河高原ビールも余ってしまい、お土産に持っていってもらいました。
 6月10日は日曜日なので、8日金曜日に『高校生活指導』が印刷所から届きました。いつもならその日のうちに発送してしまうのですが、いろいろとやることがあったので、発送は日曜日になってしまいました。でもこれで定期発行です。自前で発行するようになってから、1回も遅れたということがありません。すごいでしょう。
 ちなみに定期購読者には前日の土曜日に発送しています。桶川高校からUOさんらが発送業務を行いました。
 『高校生活指導』の最終号を無事発行し終えたあとは、『全国通信』の最終号と、『東京大会研究紀要』の制作です。
 現在、『全国通信』は、ほぼつくり終えており、あと3本の原稿を待っている状況です。
 また、『東京大会研究紀要』は、つくり始めたところです。まだ入っていない原稿が一般分科会1つと、問題別分科会4つ、それに全体会のコメントが2つです。至急お願いします。
 今週の土曜日は、千葉高生研の例会があります。たぶん、これが最後の例会になると思います。10月には解散パーティをやる予定です。

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一般分科会 1.「核を意識した学級」(松本源太郎)を紹介します

 数日前に稲葉 淳さんも紹介していましたが、分科会の運営担当として紹介します。
 私は、松本さんの実践報告を聞くために、3月に行われた群馬の春ゼミに参加しました。大会のリーフレットにも書いてあるように、松本さんは、大西忠治氏の『核のいる学級』を意識して(まねて)集団主義的教育に取り組んだ、そうです。それは、私にとって新鮮な驚きだったからです。『核のいる学級』という本があることは知っていましたが、私自身それを読んだことはありませんでした。また、人を通してではなく、本を通して高生研に参加してくるという参加の仕方も、新鮮な驚きでした。
 リーフレットにあるように、松本さんは、この実践を通して、教師の「教育技術的な側面」に焦点をあて、「生徒集団がもつ教育力」をどうすれば導けるのか、その方法を探っています。課題もたくさんあると思いますが、それ以上にその実践スタイルから、技術や方法についてたくさん学べる実践報告だと思います。
 実は私も『核のいる学級』を読み、班長立候補制の班編制をやってみました。松本さんの実践に学びながら、私も少しずつ実践しているところです。
 ぜひ、この分科会にご参加いただき、いっしょに学びましょう。
 多くの方のご参加をお待ちいたしております。
(茨城のイソヤマ)

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東京大会 交流会の追加 「ネパールの若者や教育現場の状況について」

ネパール料理を食べながらネパールについて学ぼう  東京高生研:地井衣
  「ネパールの若者や教育現場の状況について」
会場は駒込駅近くにある「一粒のたね」
ネパールは、紛争からの復興途上にあるインドと中国に挟まれた内陸国です。南アジアで最も所得水準の低い後発開発途上国(LDC)であり、国際的な支援を必要としています。101の民族、92の言語(2009年改定)を持つ多民族国家ネパール。舞踊も楽器もリズムも衣装もアクセサリーに至るまで、実に様々な形態があります。「一粒のたね」は日本でただ一人のネパール舞踊家岡本マルラ有子さんがつくられた”体と心をとおした人と人との交流・癒しの拠点スペース”です。ネパール舞踊に惹かれて以来、二十数年間にもわたって、ネパールの文化支援活動をやってこられた岡本さんが、お話ししてくださいます。
お食事はもちろんネパールコース。
食事代は 2500円+飲み物代 です。
地井

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大交流会

大交流会
8月11日(土)、東洋大学の学生食堂「スエヒロ」で、大会に参加した人たちがつくる大交流会があります。参加費は3000円(学生2000円)です。
オープニングは、これまでの高生研活動を振り返るスライドです。
つぎに前日の交流会でお世話になった日本でただ一人のネパール舞踊家岡本マルラ有子さんの踊りです。岡本さんは、南アジアで最も所得水準の低い国際的な支援を必要としているネパールに対して、二十数年間、ネパールの文化支援活動をしてきた方です。
若者たちのダンスに続いて、高校教師でダンサーであった佐藤誠紀さんの指導で、全員がラジオ体操ダンスで交流を深めます。
そして、新高生研のスタートを祝う各グループの紹介と出し物、各地の高生研サークルの紹介と出し物などが予定されています。各3分です。ご用意ください。
参加者一人一人が作る大交流会です。「やっぱり、高生研に来ると元気がでるね」と実感できる会としていきましょう。各地の銘酒と銘菓、持ち込み可です。

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揉め事も終わり?

 大阪のKです。不慣れな女子バレーボール部顧問も2年目。前回の投稿の続きを記します。
2012年5月23日(水)体育館での練習後、職員室にいる私に男子バレーボール部のN先生がこう話しかけてきました。「K先生、女バレまた揉めたんですか?体育館前でA子が大泣きしてましたけど…」-私が体育館前に駆けつけた時には部員の姿はなく、もう更衣を始めていました。A子を訪ねて部室に行きましたが彼女はいませんでした。部室にいたCさんと私との会話-私「今日、何かあったの?」-C「いや、別に…」-私「A子、最近またしんどくなってるんじゃない?」-C「それはあると思う。Dも脚を故障したし。頼れる人がおらんくなったから。」-DはA子と同級生であり、A子の暴走を止められる唯一のメンバーだったが練習中に脚を痛めて手術をし、ギプス生活となっていました。D子は引退試合にも出られない。C子から聞き取りをした後、私は、この日の付き添いだった先生のもとへ。毎日の練習前と練習後は付き添い教員の所へ部活開始と終了の報告をすることになっています。終了報告の時、A子が目に涙をいっぱい貯めてやって来たので、それをご覧になった付き添いの先生が訳を聞こうとしたところ、大泣きし始めたそうです。A子「私たち3年生のやりたいように後輩も気を遣ってくれているのに、自分は上手くチームをまとめられていない。3年生と1、2年生とのプレイに対する考え方の違いもあって辛い。」これまで私の知るA子とは違う一面を聞いたような気がしました。すぐにN先生へ報告。N先生は私に”これから”のヒントをくださいました。「A子達3年生は、おそらく引退試合になる次の公式戦をどんな試合にしたいと思っているんでしょうか。3年生の厳しいやり方に耐え忍んできた2年生にも、4月から入部してきた1年生にも、3年生の引退=やったぁ~!って思われるのは、3年生にしてみたら可哀想ですよね。あの子達も無茶苦茶なやり方してきたけど、バレーボール生活で出来たこと・やり残したこといっぱいあると思う。次の試合をどう締めくくりたいと思ってるんでしょうか。」-この日の帰り道、N先生の言葉を思い出しながら歩いて、反省しました。私も、3年生の現役終了のカウントダウンをしていたなぁ。あと少しであの子達の代も終わる…そう思ってしまっていたことを深く反省しました。
 翌日、女バレの主顧問の先生に相談し、練習後3年生だけ残してミーティングをすることになりました。そのミーティングでA子・Bさん・Cさんの思いを聞いて、主顧問の先生も私も泣いてしまいました。「勝ちたい」という思いから空回りしていた3年生の手当をせずに、辞めていった部員に寄り添ってクラブ活動を見守ってきた顧問だったことを悔やみました。そのことに関して3年生は顧問を責めませんでした。辞めていった部員たち同様3年生も辛かったんだと思います。「とにかく1勝したい。」彼女達の思いでした。
 2012年6月3日(日)引退試合は1勝できました。Dさんも松葉杖で会場に駆けつけ、退職された元顧問の先生もお見えになり、顧問団4人のうち3名が付き添い、選手たちのご家族も見えました。素晴らしい環境の中で1勝できたことは、後輩から先輩への最高のプレゼントになったと思います。2012年6月4日(月)新チームが発足しました。
50人突破! 
東京大会の受付・千葉高生研より 
 東京大会参加申込者数が50名の大台を突破し、53名となりました。(6月17日現在)
 東京大会の参加目標は200名ですので、これでもやっと4分の1です。都道府県別の申込者数は下記の通りです。この4倍くらいお願いします。
群馬8
秋田6 千葉6
東京4 熊本4
大阪3
北海道2 青森2 埼玉2 静岡2 三重2 滋賀2 京都2 沖縄2
福島1 茨城1 山梨1 長野1 愛知1 鳥取1

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細腕三学年主任奮闘記⑤

沖縄の照屋です。先日、生徒会主催の陸上競技大会がありました。近隣の陸上競技場を学校で
借り上げてトラック・フィールド競技をやるのですが、当日はあいにくの雨。途中、激しい雨で何度か中断しましたが、なんとか最後の競技まで終了。僕は二年生担任なので、生徒たちの写真を撮るのに忙しく、開会式から昼食時間まではほとんど休みなく動き回っていました。
午後には「全学年HR全員リレー」(一番盛り上がる)があり、その二年生の部で、なんと担任しているクラスのアンカーとして走ることになってしまいました。15年(?)振りくらいで100mを全力疾走。頭の中で進んでいる距離よりも、実際に進んでいる距離の差は10mくらい遅れていた感じです。その時の筋肉痛が、今きています………。
 
 さて、「カーディガン着用許可」について前回からの続きです。せっかくカーディガン着用が認められたのに、よりによって三年生の違反者が増える中で「何かいい手はないものか?….」と思っていた時(去年12月頃)のことです。元生徒会長S(三年生)が、「朝のSHR時に、校内放送で『カーディガン着用違反者が増えている事に関して』注意喚起を呼び掛けたい」と生徒会担当の先生に申し入れがあったとの事。さすがにこのまま何も手を打たなければ、違反者が累計15名を突破してしまうと思ったのでしょう。(※累計15名を突破すると、その時点からどんなに寒くても「着用禁止」に戻ってしまう)生徒会が職員に了解を取り、申し入れ通り校内放送をやることになりました。
 翌日。Sは「①自分たちで希望してカーディガン着用を認めてもらったのに、それを自分たち自身で破るなんて本当にそれでいいのか ②もしこれで再度着用禁止になったら、今後何かを学校に認めてもらう事がかなり難しくなる ③先生方に注意される前に、お互い同士で注意しあっていこう」という点を中心に全生徒に呼びかけました。教師からではなく、元生徒会長Sからの呼びかけ。
 僕らの言葉よりも生徒たちに届いているに違いない。今後は違反者がいなくなるだろうと思っていました。しかし、その校内放送をした同じ週に、またまたカーディガン着用で違反者が二人出てしまいました!しかも二人とも三年生……これで違反累計11名。もはやこれまでか?…(次回に続く)

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「この生活指導書がおもしろい」

群馬高生研 稲葉淳です。東京大会の申し込みをしました。
高校生活指導193号読みました。「特集2 この生活指導書がおもしろい」とっても興味深く読みました。その3つ目の『核のいる学級』大西忠治著(64から67ページ)を書いたのが、今回の全国大会の二日目(8月11日)一日通しの一般分科会「ホームルーム」を報告する松本源太郎である。
彼と初めて会ったのは、一年前の名古屋の大同大学で行われた、第49回全国大会である。群馬県から参加したメンバーで集まっての意見交換や、全国大会に参加しての感想を聞いて、鋭い指摘に驚かされた。その後、仲間からの誘いもあって毎月行っている事務局会議に参加してもらっている。
3月に行った、群馬春ゼミに彼の実践報告を聞き、参加者にいろいろな興味ある2年間のHR実践であった。3時間の報告であったため、深くまでの追及ができなかった。全国大会でもう一度彼の報告を聞き、そこに参加した全国の仲間と新しい発見があることを期待している。
                             群馬高生研 稲葉 淳

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京都例会の経験から

東京大会終了時点で500人の会員をめざそう!(引き落とし会員の現状は338人)
新高生研仮事務局長の藤本です。
この5月の全国委員会の場では、今夏の東京大会終了までに会員を500名にしようと目標をたてました。(厳密な決定ではありませんが。)
現在、銀行引き落としの会員は現在338人です。新高生研の会費納入方法は、銀行引き落としのみとなります。現金会員が95名いますが、銀行引き落としの手続きをしてもらうことはなかなか容易なことではありません。また今後4年間で退職する会員は150名です。そのような現実の中での目標500名です。
もちろんなによりも現金会員の人に引き落とし会員になってもらうことが大切ですが、今後のことを考えると新しい若い人に会員になってもらうことも大切です。
京都例会では7人が会員の申し込み
4月末に竹内常一さんを迎えて行われた京都例会では、なんと7人の方が会員の申し込みをしていただきました。
例会では、このようにしました。会員になってくれる人には申込用紙を書いてもらいます。申込用紙を書いた人には、当時の最新号であった192号を贈呈します。さらに私が持っていた機関誌のバックナンバーもプレゼント。銀行引き落としの手続き用紙と京都高生研が用意した返信用封筒を申し込んだ人に渡します。後日、その手続き用紙に銀行の通帳の印鑑を押してもらって返送してもらうというやりかたです。
現在、4人の方の手続き用紙が返送されているとのことです。
申し込みと承諾で契約は成り立つ

実は、私は2月頃、全生研のリニューアルした機関誌の定期購読を申し込んだのですが、申し込みのメールを事務局に送ると、購読を申し込んだその機関誌と銀行引き落とし手続きの用紙が同時に送られてきたのです。機関誌が来たからには引き落としの手続きをせざるを得ない。というか、申し込みをして、相手(全生研事務局)が承諾したのですから、そこで契約はすでに成立しているのです。だから機関誌が送ってくるのは当然のことで押し売りでも何でもありません。しかも手続きがもたついたのですが、そうすると事務局から丁寧な催促のメールが来ました。これも当然と言えば当然。この経験を京都の例会のときに少しアレンジして使ってもらったのです。
お金はあとから、まず申込書を書いてもらう。(無理強いはダメですよ。)それで契約は成立です。
京都高生研の丁寧な取り組みがあったからこそです

もちろん例会自体にたくさんの参加者があったのですが、そのための入念な準備を京都高生研がされていたことも会員が増えた大きな要因だと思います。また例会当日の京都高生研事務局の柔らかい運営の仕方も大きいでしょう。そのあたりの取り組みは京都高生研からの報告にゆずります。
まだ新高生研の機関誌はできあがっていませんから、現時点の会員申込者に新機関誌を送ることはできません。東京大会までの会員申込者には今の最新号の193号を贈呈します。このことは全国委員会でも了承済みです。京都方式をやってみようというみなさんは、info@kouseiken.jpまでご連絡ください。
事務局だけの力では会員拡大は難しい。皆さんの力が必要です。

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最近考えたこと

 小学校では、近隣の産業や史跡を調べてまとめる授業がよく行われるが、中学、高校となるとそういう機会が極端に少なくなる。従って学校に毎日通っているがその学校のある地域のことについては意外と知らないという生徒も多い。先日3年生の課題研究の一環でアンケートが実施された。テーマは「菊池のイベント」である。年間を通して菊池市で行われる祭りや催し11項目について、私が担任するクラス(34名)の生徒のうちすべて知っていると回答した生徒は0であった。もちろん菊池市出身の生徒も3割程はいるのだが、それでも知っている項目は多くて4つというところだ。この結果から察するに、菊池の産業や歴史をよく知っている生徒はさほど多くないことが予想される。
 菊池は熊本県北東部に位置し、北東部は阿蘇外輪山系を有する中山間地、南西部は菊池川、白川流域に広がる台地・平野部からなっています。農業は菊池・七城の水田地帯で評判の米を産出し、水田を利用した水田ゴボウも有名、また旭志・泗水では県内有数の畜産地帯を形成しています。台地・平野部の大津・菊陽ではニンジン・カンショの産地となっています。
 これはJAのホームページに書かれた菊池の紹介文である。比較的近い所の出身である私も知らないことがある。この菊池にある100年以上の歴史を誇る菊池高校にこの春赴任し、入学式の翌日に行われた「1000人バーベキュー」に驚いた。1000人とは、全校生徒と職員、そして参加してくださる保護者を含めた数である。使った食材はお茶も含めてすべて菊池産。肉を焼くトングは学校林の竹を加工したものであった。実は、上記のアンケートを行っている生徒の指導者もこの1000人バーベキューの仕掛け人も同じ本校の教員である。また、この先生は昨年度赴任したばかりにもかかわらず、1年生の総合的な学習の時間で「菊池の歴史探訪」という企画を打ち出し、学年全員で学校周辺を散策して学習していたというバイタリティーあふれる人物である。
これらのことから、地域に根ざした生きた学習をすることが、地域に(そこに住む・通う自分に)誇りを持てる生徒を育てることにつながるのではないか・・・と最近考えている。 この先生には、7月の熊本高生研例会で報告をしてもらう予定である。いずれ「すこぶる」にも掲載されると思う(編集長の説得次第)のでお楽しみに。

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学ぶ意欲が伝わった大学生たちの授業検討会

 私の勤務校では「学びの共同体」による授業改革・学校改革をおこなって4年目になります。数年前、大阪の全国大会でその状況報告をしました。学びから疎外されてきた生徒たちが学ぶことへの意欲をもつようになってきた実感はあります。今日は「学びの共同体」のもうひとつの側面、教師の「同僚性の構築」に関して近況を報告します。
 「学びの共同体」には「ひとり残らず教師の成長を保障する」という理念があります。その理念を実現するしくみとして本校では教員を6つのグループに分けて、どのグループも学期に1回は授業検討会を実施しています。他のグループの検討会にも出入りできるので、やる気があればたくさんの検討会に参加できます。6月はこの検討会5回と全校あげての公開授業研究会(注)があります。
 授業検討会は教師の指導の巧拙を云々するのではなく、生徒の「学びの事実」に焦点を当てた対話的な場を追究して実施しています。4年目に入って教師の世界も「学びの共同体」になったと言いたいところですが、人事異動による入れ替わりや同僚への必要以上の配慮もあり、断言はできません。でも、フツーの高校にはないOJTであることには間違いありません。
 そんななか6月6日(水)の午後、県立大学の学生22名が大学の教員3名といっしょに本校の授業を観察して、その後、授業検討会をおこないました。3月に福井大学教職大学院の研究会に参加して知り合った県立大学の准教授との間でトントンと進んだ企画です。
1年生の現代文の授業を観察した後に、学生たちと90分の授業検討会を実施しました。グループ討論で出された意見や疑問に授業者である本校の教員Sさんが一つひとつ丁寧に応答しました。世話役として検討会に参加していた私はやりとりを聴いてあらためて新鮮な気分で学ぶことができました。
 学生の授業観察の細やかさに感心するとともに、彼らの「学ぼう」「教えてもらおう」という意欲の高さに驚きました。「グループになったときに、先生の指示と違うことをしていた子がいた」「グループ内でできた子のものを写しているだけの子がいた。プリントを提出させないのか?」「おとなしい生徒への働きかけはできていたのか?」など意見や質問がどんどん出てきました。また、「グループ学習をする前に、個人で考える時間が必要ではないか?」という核心に触れるような疑問も出されました。以下、学生の発言で私が感心させられたことを箇条書きします。
・(授業の冒頭に示された)「メニュー」(授業の流れ)は新鮮だった。
・大学での経験で6人のグループではお客さんになる人もいるが、4人のグループだと対角線で話し合うため、しっかりと話し合える。
・文法のようにあらかじめ決まった世界の内容にもグループ学習は有効か?
・グループの意見を全体で共有するときに机を「コの字型」に戻されたのはどういう意味か?
・4人グループは笑顔で話している。一斉授業は身体がこわばっている。
・先生と生徒のやりとりが和気藹々としていた。「学びの共同体」は信頼関係がないとできないと思う。
・4人グループにしたときに机がズレている生徒は「問題」を抱えている生徒のようだ。
 後に学生たちが書いたレポートが送られてくるというので楽しみです。参加された教授から教職課程の授業でもぜひこの企画をやってみたいという話もありました。このような意見が飛び交う研究会が当たり前になるような開かれた学校になることを願っています。
(注)6月17日(日) 公開授業、研究授業、佐藤学さんの講演「高校における『学びの共同体』の創造」、授業検討会 詳細は本校のHP
                                          滋賀 夏原常明

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今こそ地方が奮い立つとき!!

 みなさんこんにちは。熊本からの応援ブログです。
 九州からの話題を紹介することで、第50回大会東京大会応援のエールとしたいと思います。
まず、この秋(10月20日~21日の土日)は九ブロ学習会を鹿児島市内で行います。復活大会から数えて8回目、熊本からの「押しかけ学習会」としては宮崎、福岡に次いで3回目の開催となります。この「押しかけ~」とは、九州各県が輪番で担当して主催するのがベストであるけれども、各県が主催する条件が整うまでの当分の間は、今現在活動ができている熊本が毎月の例会の一つとして県外に飛び出し、学習会を行う形態です。
 現地に一人でも(全国・熊本県)会員がいるというような手掛かりがあれば、そこでやる意味はあります。企画、運営、会場確保、宿泊、交通はすべて熊本でやり、現地にお願いするのは会場の紹介や参加の呼びかけ、夜の交流会の場所選定ぐらいです。そのことで、現地の方々同士が顔を合わせることができ、また九州各県からの参加者と交流ができれば良しと考えています。今ここで、「九州に血流を通しておく」ことが当面の目標です。今大会では、過去鹿児島高生研に関わってこられ、今現在は高校再編問題に取組んでおられる中島栄一さん(著作:高文研「私は学びたい。だからーいま青春」他にも数冊)の講演、熊本高生研出身で現在鹿屋工業高勤務の田邊憲史郎さんの実践報告がメインとなります。もちろん夜の天文館を中心にさつま焼酎巡行もあります。
 全線開通した新幹線でスピードアップした鹿児島までの距離感を是非体感してください。
 さて二つ目は、東京大会から僅か一週間後の8月の18日(土)、宮崎の「山下道也さんを訪ねる旅」を計画しています。熊本での高生研の発祥の地は矢部高校(水道橋である通潤橋で有名)であると言われていますが、そこに灯を点したのが山下さんです。彼は今、私的通信である「こんとん座」通信の発刊、「スローライフinみやざき」という地域交流会の運営、それと哲学サークル「水よう会」の主宰と84歳の御高齢でありながら、八面六臂の活躍をされている(元全国高生研常任委員で、「集団づくりのなかで1」「同じく2」(鉱脈社)の著作者)。この「こんとん座」通信第54号に、次のような記述があったのです。
 「わたし的に(若者表現を真似て)言えば、40年前から高生研の中で実践し考えてきた「集団つくり」のいちばん中心にあった(そのことも当時わたしはよくわからなかった)「核づくり」の意味が、ほんと今頃になってようやく見えてきた~」
 これをみて、「えっ!あの山下さんにして…」という驚きです。僕らの科白ならともかく。そして「核づくりが話題になって、水よう会は息を吹き返した」とあります。これはもう、行くきゃない。直接会って、今まで彼が捉えていた認識とどこの部分がどう違うのかを確認したい、そして水よう会のメンバーとまた会いたいという思いが同勤する藤川、正清(座席も隣)に高じ、先の「訪ねる旅」として具体化したのです。
 「授業中の活動で言うとまったく活動ができない最下位の者が、じつは集団に対してもっとも大きな影響力を秘めている」「この原則からみるとどうなるか。いちばんおくれている宮崎県は、日本に対してもっとも大きな潜在的影響力をもっている、ということにならないか。」と山下さんの著作「集団づくりのなかで2」のあとがきにあります。即していうと、九州が元気になることが、全国高生研の底上げになるのだといういうことです。えっ!なぜ最下位の者が大きな影響力を秘めているかって?それを詳しく聞きたければ、一緒に宮崎に行きましょう!!

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学ぶ意欲が伝わった大学生たちの授業検討会

 私の勤務校では「学びの共同体」による授業改革・学校改革をおこなって4年目になります。数年前、大阪の全国大会でその状況報告をしました。学びから疎外されてきた生徒たちが学ぶことへの意欲をもつようになってきた実感はあります。今日は「学びの共同体」のもうひとつの側面、教師の「同僚性の構築」に関して近況を報告します。
 「学びの共同体」には「ひとり残らず教師の成長を保障する」という理念があります。その理念を実現するしくみとして本校では教員を6つのグループに分けて、どのグループも学期に1回は授業検討会を実施しています。他のグループの検討会にも出入りできるので、やる気があればたくさんの検討会に参加できます。6月はこの検討会5回と全校あげての公開授業研究会(注)があります。
 授業検討会は教師の指導の巧拙を云々するのではなく、生徒の「学びの事実」に焦点を当てた対話的な場を追究して実施しています。4年目に入って教師の世界も「学びの共同体」になったと言いたいところですが、人事異動による入れ替わりや同僚への必要以上の配慮もあり、断言はできません。でも、フツーの高校にはないOJTであることには間違いありません。
 そんななか6月6日(水)の午後、県立大学の学生22名が大学の教員3名といっしょに本校の授業を観察して、その後、授業検討会をおこないました。3月に福井大学教職大学院の研究会に参加して知り合った県立大学の准教授との間でトントンと進んだ企画です。
1年生の現代文の授業を観察した後に、学生たちと90分の授業検討会を実施しました。グループ討論で出された意見や疑問に授業者である本校の教員Sさんが一つひとつ丁寧に応答しました。世話役として検討会に参加していた私はやりとりを聴いてあらためて新鮮な気分で学ぶことができました。
 学生の授業観察の細やかさに感心するとともに、彼らの「学ぼう」「教えてもらおう」という意欲の高さに驚きました。「グループになったときに、先生の指示と違うことをしていた子がいた」「グループ内でできた子のものを写しているだけの子がいた。プリントを提出させないのか?」「おとなしい生徒への働きかけはできていたのか?」など意見や質問がどんどん出てきました。また、「グループ学習をする前に、個人で考える時間が必要ではないか?」という核心に触れるような疑問も出されました。以下、学生の発言で私が感心させられたことを箇条書きします。
・(授業の冒頭に示された)「メニュー」(授業の流れ)は新鮮だった。
・大学での経験で6人のグループではお客さんになる人もいるが、4人のグループだと対角線で話し合うため、しっかりと話し合える。
・文法のようにあらかじめ決まった世界の内容にもグループ学習は有効か?
・グループの意見を全体で共有するときに机を「コの字型」に戻されたのはどういう意味か?
・4人グループは笑顔で話している。一斉授業は身体がこわばっている。
・先生と生徒のやりとりが和気藹々としていた。「学びの共同体」は信頼関係がないとできないと思う。
・4人グループにしたときに机がズレている生徒は「問題」を抱えている生徒のようだ。
 後に学生たちが書いたレポートが送られてくるというので楽しみです。参加された教授から教職課程の授業でもぜひこの企画をやってみたいという話もありました。このような意見が飛び交う研究会が当たり前になるような開かれた学校になることを願っています。
(注)6月17日(日) 公開授業、研究授業、佐藤学さんの講演「高校における『学びの共同体』の創造」、授業検討会 詳細は本校のHP
 滋賀 夏原常明

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遂に7月例会の詳細がベールをぬぐ・・・

大阪・サトウです。
大阪高生研で「S藤」と書けば、「シュトウ」さんなのか「サトウ」なのかわからないけど、もう1人、大阪には「サイトウ」さん(20代・女性)もいるんです。
大阪高生研7月例会は、その、サイトウさんが担当してます。
<以下>
きのうの6月例会(「ぴらいち例会」)に続き、7月例会は7月31日(火)に行います。
1月例会に講演をしていただいた、埼玉県立浦和商業高校の平野先生が、定時制太鼓部から派生した太鼓集団「響」と、再度大阪へ来てくださいます!
日時:7月31日(火)12:30~16:30(予定)
場所:大阪市鶴見区民センター小ホール(地下鉄鶴見緑地線 横堤駅すぐ)
内容: *「響」による太鼓教室
    *「響」太鼓講演
    *「響」と参加者のお話会
「生徒が主人公」の学校で行われた実践を、生徒の目線から語られる言葉でききませんか。
***
先日、「響」の代表者が大阪へいらっしゃって、ホールの下見と打ち合わせを行いました。
私自身、例会の企画は初めてなので、メールのやりとりだけでどれだけ伝わっているか不安でしたが、今回直接お会いして話ができたので、7月へ向けて大きく前進できた実感を得ました。内容は先方におまかせ、の部分も、できるだけ具体的に話をきいておきたかったし、こちらの要望で譲れない部分は何かをはっきりさせることができたので、いい機会でした。
高生研の例会として、開催のねらいと、「響」の皆さんの公演への思いを両方参加者に伝えられるよう、がんばります。7月例会、ご期待下さい!!
                       (斉藤)
東京大会受付・千葉高生研より

 東京大会の申込者数が44人になりました。常任委員や全国委員などでまだ参加申込みをしていない人がたくさんいます。多忙なこととは思いますが、至急お申込下さい。

群馬7
千葉5 
熊本4
秋田3 東京3 大阪3
北海道2 埼玉2 三重2 滋賀2 沖縄2
青森1 福島1 茨城1 山梨1 長野1 静岡1 愛知1 京都1 鳥取1

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授業中に笑うと・・

学校が強権的、圧力的になっているのが顕著になっています。
先日、同僚の若い先生が生徒を授業中にダジャレを言って笑わせようとしたら、笑わないので、聞くと「授業中に笑うと、授業態度が悪いと評価されるので、笑わない」と何人かの生徒に言われたそうです。
笑えない話です(笑)。
先の組合の定期大会で、学校協議会で有名な学校から職員会議で議論がなくなり、管理職に反対の意見を言うと翌年転勤させられるという、耳を疑う発言も出ました。
埼玉東部でもそうですが、職員会議の提出議案はすべて企画委員会に事前に提出し、審査され、職員会議は採決がないどころか、実質説明と質問のみという学校も少なくないでしょう。
生徒会の文化祭の原案を審議するHR委員会(中央委員会)でも、ほおっておくと、もう決められたこととして生徒はとらえ、修正したり、反対意見を出すことはありません。
民主主義は反対意見、対立意見があるときこそ参加者するメンバーの意見が届き、活性化するものです。
東京大会の全体講演は「今、市民像・民主主義像を問い直す~多層的な熟議民主主義とシティズンシップ~」です。
「熟議民主主義」では現代を再帰的近代としてとらえます。再帰性とは価値や判断が問い直され吟味されることです。
再帰的近代では個人に判断や行動がゆだねられるため、社会は個人化し私的な意見が蔓延します。
その結果、再帰的近代にあっては「政治」が衰退するととらえます。
私たちは民主主義はともすれば、多数決や代表制のイメージが強いのではないかと思います。
熟議民主主義は個人の見解の変容を重視します。他者との対話を通して自己をとらえ直すイメージです。
そして熟議民主主義で個人は「市民」になるとい言います。
対話と「政治」をつなげたイメージが「熟議民主主義」ではないかと思います。
田村さんは新進気鋭の若手の政治学者です。
「熟議民主主義」と高生研の実践・理論をどうつなげるか、指定討論者も2名発言します。
皆さん、是非同僚・仲間を誘って、大会に参加しましょう。
埼玉 森 俊二

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ヘルプ~心がつなぐストーリー~

遅ればせながら、本年度アカデミー賞作品賞ノミネート
主演&助演女優賞Wの3ノミネートの
『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』を観てきました。
1960年代といえば、私の中ではしっかり「現代」です。
アメリカで黒人差別が残っていたという「歴史的事実」があったことは
知識としては知っていても、
どうも体感として、感じられないというのが正直なところでした。
でも、「黒人と同じトイレを使うと衛生上良くない」というような
なんの根拠もない主張が、立派なものとして認められ、
法とされるなどという不条理なことが
普通にまかり通っていたというエピソードに
なんともやりきれない胸苦しさを感じました。
しかし、大切なのは、そんな信じられない状況から
現代の(完全とはいえないまでも)状態まで改善できたのは
この映画に出てくるような、
一人ひとりの勇気ある訴えが実を結んだからでしょう。
この映画の公式ウェブサイトのプロダクションノートには
テイラー監督の感動的な言葉が綴られています。
http://disney-studio.jp/movies/help/productionnote01.jsp
小さな主張が、世界を変える力をもつようにするために必要なことが
垣間見えるような作品です。
夏の大会のシンポジウムでの私の話の中で、
この作品のエッセンスが活かせるといいなと思っています。

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大会テーマに関連して、「熟議」についてちょっと考える

 最近、外で飲むとき一人酒が多くなった。群れて話しながら酒を飲むことに疲れたからなのだが、一人で飲んでいると多くの人たちと触れる機会が増えて刺激的でもある。そればかりでなく、多様な価値観を浴びることによって、日常の澱のようなストレスが解消されていくのである。
 先月、こんなことがあった。
 文化祭2ヶ月前、各係が生徒総会を前に議案づくりをする会議があって、私は会場係を割り振られその係会に出席した。係長の原案は、「例年どおり教壇を運ぶので、重いから怪我をしないように。」といった内容が素っ気なく2行記述されているだけ。各HRから集められた係の生徒からは質問も意見も出ず、私も発言などしたくはなかったのだが、教師の役目だろうと、「ダンスコンテストの企画にもとづいてステージは設計されているのか。昨年問題になった安全性はどう検討されているのか。」と穏やかに発言した。係長はいかにも面倒くさそうに、「そんなことは実行委員会に聞いてくれ。去年のとおりにやるだけだ。」と言い放つではないか。係長の関心は、連絡のために係員のメールアドレスを集めることにあった。少々むっとした私は、「執行部が会員にお説教するような内容が総会の議案になるのか。600人の議論に耐える原案の体を成していない!」と声を荒げた。係長の近くにいた同じ3年生がウルセエナアとつぶやくのが聞こえた。
 その晩よく眠れなかった私は、翌日、生徒会顧問に係長会ではどんな議論をしているのかと尋ねた。時間がないから係長会は開いていないという。議案づくりはどうしているのかときいて、前日の様子を話すと、「まだ子どもだから、そんな次元の高いことを要求するのは無理だ。」と顧問はいった。
 居酒屋のカウンター越しに事の顛末を店の主人に愚痴ると、「俺なら胸ぐらつかんで殴ってるな。」と笑いながらいった。生徒もオヤジも似たようなものだと内心思いながら、このストレスは排泄された。
 東京大会のテーマと講演にかかわって、名古屋大の田中哲樹氏の『熟議の理由―民主主義の政治理論』(勁草書房)を読み始めた。わからないところは読み飛ばしているが、考え方は興味深い。上條さんに紹介されて読んだ『思想としての共和国』と対比してみると、民主主義への認識が少し深まるような期待がある。
 だが、我が身も含めて現代人の日常生活に熟考の場面がどれほどあるか。ICTの発達は思考の瞬発力は鍛えたが、熟考する力は衰退させたのではないか。声高に詭弁を弄する政治家に多くの若者の支持が集まる。これは決して大阪だけの現象ではない。いいのかこんなに「未熟」になって!と、先日のストレスがぶり返してきた。ここしばらくは熟議について考えることになりそうだ。
                                (長野・小澤)

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部活教師の悩み

大会担当なのに大会以外のことを書きます。
毎年この時期は授業をカットして保護者面談を実施しています。そして、担任以外の先生は、企業や中学校への挨拶回りと、この期間を有効(?)に活用します。
しかし、部活教師の私としては大きな悩みを同時に抱えます。この時期というのは、高校総体の予選(県大会)が実施される時期でもあるからです。授業は半日なので、練習時間は確保できるのですが顧問(私)は出られません。かつては、自分のクラスだけ面談の時期をずらしていたこともあったのですが、転勤したばかりの学校ではそれもちょっと・・・。
そんな訳で、3年生最後の練習をほとんど直接見ること無しに試合に臨むことになります。まあ、見たからと言って結果が大きく変わるかというと、必ずしもそうではないのでしょうが、それでも選手(特に3年生)には気の毒な気がします。そして、彼らは「最後の練習に先生は来てくれなかった・・・」という印象を持って散って行くわけです。
もちろん、最後の印象でそれまでが全てご破算になってしまうような関わり方はしていないつもりですが、やはり最後はもうちょっと濃い感じで終わりたいですよね・・・  
                                        片桐哲郎