今年の全国大会には、静岡高生研から2名のレポーターが登場します! 一人は一般分科会1の大木さん、もう一人が一般分科会3の中村さんです。
中村さんが静岡高生研の例会に来るようになったのは、まだ数年前のことです。大木さんのように、高生研に長く関わってきた方ではありません。産休・育休などを経て、子育てが落ち着いてから、改めて生活指導やHRづくりについて学びたいと例会に来てくれたのでした。今の勤務校でも図書課長と兼任で、自ら希望してHR担任をされています。
中村さんがレポートを書いて、例会で発表するようになったのは3年前くらいだと思います。参加者が鋭く突っ込んだり、聞き込んだりすると、「ああそうだったのか」と深くうなずく中村さんの姿をよく見ました。「この時生徒はなんて言っていましたか」という例会での質問に答えられない時などは、その後学校で生徒にその時のことを振り返って聞きただしていました。
また、年度途中からでも生徒にSHRの司会・連絡をさせるようになったり、班長によるドラフト制での班替えを実施したりします。こういった、どん欲な「学びたい」という姿勢に、私たちも学ばされます。
中村さんは静岡県中部で、平和運動をする市民団体の主要メンバーとしてここ10年活躍されてもいます。静かな方ですが、芯は熱い方です。
ぜひ、この分科会に来てください。一見ごく普通に見えるHR実践ですが、参加者が豊かに学び合えることは間違いありません。
月: 2016年6月
関東・夏のゼミナール 兼全国大会実行委員会 ご案内
全国大会応援ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
大会実行委員長、埼玉の内田です。
皆さま全国大会への参加申し込みはお済みでしょうか。
そろそろ夏休みの日程も決まり始めている頃と思いますが、是非全国大会に参加できるよう調整をお願いしたいと思います。現在、22名の方から申し込みをいただき、実行委員会で確保したホテルは、6日に17名、7日に13名の申し込みがあり、残り6日が13名、7日が17名分となっています。ホテルビラ町田への宿泊を希望される方は、お早めに申し込みをお願いいたします。
大会実行委員会では、埼玉高生研と共催で下記の通り、7月2日(土)に「関東・夏のゼミナール」を開催いたします。さいたま市が会場となりますが、高崎線・京浜東北線のさいたま新都心駅近くの会場です。今回は、全生研の坂田和子さんに講演をお願いしました。坂田和子さんは、高校生活指導195号に、困難を抱えたイブキを排除しない学級をつくる実践を報告して下さった方です。小学校の実践家ですが、HRづくりに関わるいろいろなヒントを頂けると思います。
関東圏の方、是非ご参加下さい。
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今回は長年、全生研常任委員で活躍され、子どもをつなぎ学級をつくりかえる実践で有名な坂田先生をお招きました。今の子どもたちをめぐる指導の課題を共に学び合いたいと思います。どうぞお誘い合わせのうえご参加下さい。なお実行委員会にも気楽にご参加下さい。
2016年 7月 2日(土) 13:00~17:00
県男女共同参画推進センター With You さいたま
(さいたま市中央区新都心2-2 TEL 048-601-3111 )
(高崎線・宇都宮線・京浜東北線、さいたま新都心駅(出口1)徒歩5分、埼京線、北与野駅(南口)徒歩7分)
参加費500円 (学生無料)
講演 13:10~15:50
「『いろんな人がいる』が当たり前の教室に」
坂田和子 (神奈川県小学校教諭)
プロフィール 全国で多数の講演。子どもの声を聞き取り、子どもが互いに関わり合う機会やしかけをたくさんつくり、子どもの生活と学びを拓いていく指導に定評があります。実践的で深い話が聞けます。『生活指導』(高文研)、『高校生活指導』等に多数執筆。
全国大会実行委員会 16:00~17:00
誰もが小さなことから大会の運営に関わることができます。運営に参加するのは、意外と楽しいものです。それは、分科会や交流会など、充実した学びと意義ある楽しい交流がある高生研大会だからだと思います。是非あなたも実行委員に加わっていただけませんか。
第2回例会を開いて
2カ月に一回くらいのペースで例会を開こうということで、6月25日、第2回愛知岐阜合同例会を行いました。参加者の平均年齢は、久田を除くと、何と28才。私が高生研に顔を出し始めた頃を思い出してしまいました。
テーマは特に決めておらず、参加者がレポートを持ち寄ったり、口頭で報告したりするのですが、今回はなぜか「不登校」に話題が集中しました。(前回は「特別支援教育」)。話題が集中するということは、同じようなことが各学校で起きていて、何とかしたいと皆さん考えているということでしょう。そのような問題が例会を通して浮かび上がってくるところに、例会の意義があるんですね。今更ながら、思いました。
詳細は省きますが、話し合ったことをまとめると、およそ次の通りです。
・ 生徒に対して、時間をかける。
・ 本人が思っていることを聞く。
・ 背景に目をむける。
・ 生徒の変化をフィードバックすることで生徒本人が気づく。
・ 不登校の問題について、生徒がクラスの現状を考えて、生徒たちができることを考える。
・ この場で出された問題に対して、対策がなかなか思いつかない。具体的な対応の仕方を学んでいきたい。
皆さんの地域でも例会をやりましょう。
第3回愛知岐阜合同例会は8月20日(土)1時半~、名古屋市南生涯学習センター(JR笠寺から徒歩7分。ガイシホールのすぐ北)で行います。時間がとれるようでしたら来て下さい。
いくつものハプニングを乗り越えて
沖縄高生研の照屋です。沖縄は梅雨が明けて、連日最高気温が32~33℃という暑さが続いています。うちの学校では(2・3学年6クラス、1学年5クラス)、学校全体を冷やすために、2つの大きな冷房機があります。でも、そのうちの1台が調子悪くて、僕がいる英語科LL教室はその「調子悪い」冷房機の管轄なので、冷房がONになっても(朝7:35~)恐らく気温は30℃前後で、生暖かいです。窓を開けた方が涼しいほどです。生徒たちはLL教室で授業を受ける時は「暑い~!」の連呼です。特に体育の後は、制服で汗だくになり、うちわ片手で授業を受けています。
今年の夏も、なんとか乗り切れるかな?
さて、6月19(日)・20(月)、文化際が開催されました。前回のブログでも伝えたように、うちのクラスではオリジナル脚本で劇をやりました。当初は「学校全体を使っての『宝探し』」をやる予定でしたが、最終的には体育館舞台での劇をやる事に決定しました。本番まではあまり時間がなかったんですが、うちの学校では「文化際準備期間」というのがあります。通常の日程では60分の6校時授業ですが(6校時終了が16:35)、6月8日(水)からはそれを50分授業にして7校時が「文化際準備」に割り当てられます。脚本は出来上がっていたようですが、この7校時の時間帯に出来る準備は役者の立ち稽古と大(小)道具作成がほとんどです。衣装はまだ素材が揃ってなくて、照明や音響は体育館でのリハーサルでしか練習が出来ない状態でした。クラス内の役割ですが、台本作成・演出・舞台監督を一人の子(K)が担当していました。過重な役割分担だったと思いますが、クラスの子たちは「Kがそう言うなら、そうしよう」という雰囲気でした。衣装・大道具・音響・照明….各部署で、リーダーが自然に決まっていたようでした。僕が出来る事は、「校外への買い出し」と「練習・作成」風景の写真を撮って、それを学級通信に載せることぐらいでした。土日も役者の練習や大道具作成で学校に来ていた子たちもいました。もちろん僕も学校へ来てサポートしました。が……やはりトラブルはつきものです。それらも含めて、本番はどうだったのか?
詳しくは次回のブログで報告します。
大阪と熊本の高校生たちが、熊本応援企画を計画中
大阪・サトウです。
本校の生徒たちが熊本に行き、K高校の生徒さんたちと交流会をした2週間後、大地震が起きました。
阿蘇大橋、草千里、熊本城……案内していただいた場所場所が、目を覆うばかりの姿に。
「熊本応援のために何かしたい」
本校生たちが地元の市民協働課や商店街に呼びかけ、大阪で「熊本応援映画&トークの夕べ(仮称)」企画を行えないかという計画が浮上。今度は大阪にK高校生徒会を招くべく準備をしています。高校生の熱意に応え、全編熊本ロケの映画「うつくしいひと」の上演が決定、高校生たちはさらなるサプライズ企画をもくろんでいます。
上映予定は8月5日(金)に決定しましたが、さてさてどうなることやら。サトウはこの上映会を見届け、翌日の高生研東京大会へと向かいます。
前泊ツアー、よろしかったらご一緒しましょう。(佐藤功・大阪)
71年目の慰霊の日〜沖縄から未来への連帯を
本日6月23日は、沖縄戦において組織的戦闘が終わった日です。沖縄県内では慰霊の日として公休日とされ、糸満の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が開かれます。我が国の首相が、この式で昨年度とその前年度にほぼ同じ挨拶文を読み上げたことは記憶に新しいかもしれません。所詮、沖縄への気持ちがその程度の彼が、今年どんな挨拶をするかは対して期待もできないし、もはや(私的には)どうでもいいことです。しかし、日本国の首相として、沖縄の現状を改善する手立ては考えてほしいものです。
最近では全国ニュースで報道されることが無くなりましたが、元海兵隊員の軍属が起こした強姦殺人事件については、沖縄県内では現在でもいちばんの関心事項です。19日には奥武山公園で追悼集会が開かれ、高生研大会にも参加している名桜大学の玉城愛さん、小波津義嵩さん、眞鍋紫苑さんが登壇し、それぞれに思いの伝わるスピーチを聞かせてくれました。
愛さんの「第二の加害者は、安倍晋三さん、あなたです」ということばを、我が国の首相はどう受け取るのでしょうか。
日米地位協定の改定には時間が掛かるから、運用規定変更でいくと、恥ずかしげもなく口にする彼は、戦後71年間、沖縄復帰後44年間、自分の政党が何もしてこなかったへの反省は微塵もなく、そしてさらにまだ沖縄を「利用」し続けようとしています。追悼集会で私達は、「怒りは限界を超えた」というプラカードを掲げました。それは多くの県民の偽らざる思いです。そして、翁長知事の叫んだ「グスーヨー(みなさん)、負ケテナイビランドー(負けてはいけません)。ワッターウチナーンチュヌ(私たちの沖縄人の)クワウマガ(子や孫を)マムティイチャビラ(守っていきましょう)。チバラナヤーサイ(頑張っていきましょう)。」ということばを、抱きしめて、未来の沖縄を築いていこうと誓ったのです。
私の書いている基調では、このような今の沖縄の空気が伝えられれば、と思っています。様々な葛藤を抱きながら、未来のために立ち上がり、人々が声を上げていく姿。それを目指して生徒たちと取組んできたさまざまなこと。それをかたることで、その先にあるものを、この夏皆さんと一緒に見つけられるといいなと思っています。
現実感をもって英文法を学ぶ
比較表現を学んでいる最中の復習小テスト。私が英作文問題を日本語で読み上げて、生徒たちがそれを英語に直して書くのですが、「利根川は日本で一番長い川です。」と問題を読み上げた時に、Hくんが「えっ?」と声をあげました。
私「違った?私、間違えた?!」
Hくん「利根川は二番目。一番長いのは信濃川。」
私「あーそうなの?信濃川!みなさん、英文を直して~!The ToneではなくてThe Shinanoを主語にしてください。」
Hくん「利根川は流域面積が一位。」
私「Hくん、さすがやな~。」(Hくんは釣りの名人)
ゴシゴシという消しゴムの音と共に、「長いのは信濃川なんや~。」「知ってた?」等々のつぶやきが聞こえてきます。
英作文の教材を創る際に大切にしているのは、例文として使う英文や練習として生徒に創ってもらう英文が本当に現実を語るものになっている、といういうことです。
”I”の扱い方にも気を遣っています。問題集には無数の”I”を主語にした英文が載っていますが、実態のない”I”ではなくて、現実のここにいる”I”を主語にして、その”I”の事実を英語にしてこそ、言葉が学習者に獲得されていくのだろうと、私たちは考えているのです。この方針は、比較級を使う練習の場合ですと隣同士で背比べをして、”I am taller than ~ .” あるいは “I am shorter than ~.” という表現をする、仮定法の練習ですと「もしもこの学校の校長だったら、私は~する」という表現をそれぞれが工夫して創って発表し合う、という風に生かされています。授業の中で新たに学んでいく教科内容の文脈に自分が乗っていると感じた時に、生徒たちは予想外の集中力と思考力を発揮してくれるということを、日々実感しています。
(京都 田中容子)
基調発題について その2
今晩は。
大会実行委員長の埼玉の内田です。
基調発題の魅力について、その2です。
基調発題というと、小難しくてわからないと言う印象を持たれる方もいると思いますが、伊藤さんの基調発題は、自分の実践と沖縄が抱える問題から生まれているので、わかりやすいものになっています。
伊藤さんの基調の魅力は、人が公共的な場で通用することばを獲得して行く過程が、構造的に見えるよう整理された提起となっているところにあると、私は見ています。
①教師の権力性を停止させ、そばにいる大人として生徒の前に現れることで生み出されることば。②行事の中でつくり出される生徒たちの新たな関係性の意味とそこから生まれてくる生徒のことば。③国語の授業(『こころ』の授業実践、憲法を読む実践)で生徒のことばを引き出し、鍛えてゆく過程。④担任として服装規定改定要求に生徒と取り組んだときに、生徒達が学校の支配的文脈を相対化し、自分たちに必要な公共性をつくり出していったこと。以上の4点が発題の柱になっています。
さらにこの4点に共通する特徴として、⑤ことばを獲得して行く生徒達と伊藤さんとの間に相互作用があります。相互作用、すなわち互いに理解を深め相互に学ぶ、まっとうなコミュニケーションが成立しているということです。
まあ、こんなふうに書くと、やっぱり小難しい、と言われてしまいそうですが、ここで基調の文章を公開するわけには行きませんので、こんなまとめで勘弁して下さい。
提起されている内容の構造がはっきりしているので、議論も組み立てやすく、参加しやすいのではないでしょうか。大会当日の全体会で、①~⑤の論点にいろいろな視点から意見が出され、議論が進むことを期待したいと思います。
東と西のはざま
とざい、とーざーい!
先日の全国フォーラム、飯田橋ユースホステルの会議場、毎年恒例の全国大会応援ブログ記事執筆の依頼表が回ってきた。今年は8月6日から全国大会なので、ブログは5日まで。迷わず毎月5日の記事執筆を引き受ける。6月、7月、8月の3回まわってくる予定だ。わたしが東京大会を経験するのも、今年でもう4度目。応援ブログが始まったのは2005年の東京芝大会からと記憶しているが、そうすると今年でひと回り12年になる。
さて、いつものように引き受けてはみたが、いつものように大して応援するわけでもなく、つまらないことしか書けない。今年も、お題が「東と西のはざま」。我々の年代だったら冷戦だとかトインビーだとかが思い浮かぶが、ただ単に“東京”のブログを“西村”が書くということでお題にしただけ。でも、この“東と西”というのは、あらためて考えてみるとなかなかおもしろい。対語である“南北”はかなり胡散臭い。なぜなら、南北は究極の北と南、すなわち、北極点と南極点が存在するからである。しかし、東と西には究極の東や究極の西がない。日本の最東端はあっても世界の一番東はない。常に自分中心というところがいい。また、北と南では気温が違う。北半球では、北は寒く南は温かい。ゆえに、いらない価値観がついてしまう場合もある。その点、東西では気温が違わないので、たいした価値観の違いもない。しいて言えば、太陽は東から昇って西に沈む。だから、東は勢いがあり、西は落ち着いている!? まあ、こんな調子だ。
さて、話は変わるが、昨年全国大会が開催された“東”大阪市はわたしが小さいときに暮らした街でもある。近鉄奈良線の永和駅前に東大阪市民会館があった。1967年から48年間、東大阪市民の文化・芸術活動の拠点として存在していたが、老朽化に伴い新会館建設が決まり、昨年6月に閉館した。近鉄奈良線は通勤経路で、いつもは市民会館とは反対側に立っていて気付かなかったのだが、先日、休日に電車に乗って気付いた。その市民会館が、いままさに取り壊されているのだ。小学校6年のときに大ホールでの音楽会に出場し、生きているうちで一番緊張したことが、昨日のように思い出される。いまは、大事な人を失ったかのような気持ちでいる。
基調発題について その1
今晩は。
大会実行委員長の埼玉の内田です。
全国高生研の理論研究グループに所属し、基調発題の制作過程の議論に関わりましたので、基調発題の魅力について書きたいと思います。
今年の発題は「封じ込められたことばを解き放つ~小さな私が大きな世界と語るために~」で、沖縄の伊藤香織さんが発題者です。伊藤さんは、これまで「高校生活指導」にいくつも優れた実践を報告してきました。今回の基調発題は、その実践の積み重ねと沖縄が抱え込まされている問題の中から生まれてたものです。
「ことばを解き放つ」と言えば、昨年安保法制に関わる様々な動きの中で、SEALDsの活動が注目を集め、彼らのことばが大きな力ともなったことともつながります。彼らのスピーチは、「私は」という一人称単数で語られています。「われわれは」ではないところに特徴がありました。先日「わたしたちの自由について」というSEALDsの記録映画を見てきましたが、彼らが意識してそのようなスピーチをつくっていることや、人に伝わることばを意識していることが改めてわかりました。
伊藤さんの基調発題でも、SEALDsの橋本紅子さんのスピーチを引用し、「『私、今日ここに来る前に、夏に着る水着を買ってきて、マツエク(まつげエクステ)いつつけようかなーとか悩んでました。なんか、そんな、水着とかマツエクいつ付けるかとかで悩んでる人間が、政治について口を開くことはスタンダードであるべきだと思うし、スタンダードにしたいから、スタンダードになるまで繰り返し声を上げ続けなくてはいけないんだと思ってここに立っています。』という締めの部分を、私は今、生徒とともに目指す目標にしている。政治は、『意識の高い』『クソ真面目な』『特別な』人間だけが語るものではなく、・・・・・」と、基調のまとめ部分で述べています。
人に伝わる自分の主張をもったことばは、どのようにしてつくり得るのでしょうか。多様な人の多様な意見が出会い、相互に理解が進み、議論されてはじめて何がこの社会にとって必要なのか、何が正しいのか見えてくる、それが民主主義ってものだと思うのです。しかし、わたしたち教師は、生徒達にそのためのことばを獲得させることができているのでしょうか。
伊藤さんの基調発題は、そのことばの獲得について提起をしてくれます。
皆さん、ぜひ大会の全体会での議論に参加し、この問題をともに議論し深めましょう。