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基調発題について その1

 今晩は。
 大会実行委員長の埼玉の内田です。
 全国高生研の理論研究グループに所属し、基調発題の制作過程の議論に関わりましたので、基調発題の魅力について書きたいと思います。
 今年の発題は「封じ込められたことばを解き放つ~小さな私が大きな世界と語るために~」で、沖縄の伊藤香織さんが発題者です。伊藤さんは、これまで「高校生活指導」にいくつも優れた実践を報告してきました。今回の基調発題は、その実践の積み重ねと沖縄が抱え込まされている問題の中から生まれてたものです。
 「ことばを解き放つ」と言えば、昨年安保法制に関わる様々な動きの中で、SEALDsの活動が注目を集め、彼らのことばが大きな力ともなったことともつながります。彼らのスピーチは、「私は」という一人称単数で語られています。「われわれは」ではないところに特徴がありました。先日「わたしたちの自由について」というSEALDsの記録映画を見てきましたが、彼らが意識してそのようなスピーチをつくっていることや、人に伝わることばを意識していることが改めてわかりました。
 伊藤さんの基調発題でも、SEALDsの橋本紅子さんのスピーチを引用し、「『私、今日ここに来る前に、夏に着る水着を買ってきて、マツエク(まつげエクステ)いつつけようかなーとか悩んでました。なんか、そんな、水着とかマツエクいつ付けるかとかで悩んでる人間が、政治について口を開くことはスタンダードであるべきだと思うし、スタンダードにしたいから、スタンダードになるまで繰り返し声を上げ続けなくてはいけないんだと思ってここに立っています。』という締めの部分を、私は今、生徒とともに目指す目標にしている。政治は、『意識の高い』『クソ真面目な』『特別な』人間だけが語るものではなく、・・・・・」と、基調のまとめ部分で述べています。
 人に伝わる自分の主張をもったことばは、どのようにしてつくり得るのでしょうか。多様な人の多様な意見が出会い、相互に理解が進み、議論されてはじめて何がこの社会にとって必要なのか、何が正しいのか見えてくる、それが民主主義ってものだと思うのです。しかし、わたしたち教師は、生徒達にそのためのことばを獲得させることができているのでしょうか。
 伊藤さんの基調発題は、そのことばの獲得について提起をしてくれます。
 皆さん、ぜひ大会の全体会での議論に参加し、この問題をともに議論し深めましょう。

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