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生徒会に「現実的に夢を見る」ために —吉田真一先生「地域の力で1000人バーベキュー」(第五分科会:生徒会・午後の部)—

船山万里子です。ブログでは初めまして。

中学時代の生徒会執行部経験から、生徒会に何となく胡散臭さを感じてきた私。
高生研に携わるようになってからも、いちばん苦手な分野が「生徒会」でした。
そんな私が酒田孝先生の基調づくりをお手伝いするようになり、「生徒会ってこんなに夢があるんだ!」と思うようになりました。

今年度夏の大会第五分科会でご発表される吉田先生の実践もまた、「夢のある」生徒会のお話です。
でも、「夢」って「理想」であって「非現実的」であって、結局名人芸じゃないの?
酒田基調を聴いてそんなふうに思う方がいらしたら、ぜひ本分科会にいらして、「現実的に夢を見る」方法を一緒に探りませんか?

「現実的に夢を見る」は、私の大学院の師匠である教育学者・佐藤学さんの言葉です。
教育は、ロマンがなければできないけれど、現実には様々な障害や制約があって、ロマンはロマンのまま終わりがち。
じゃあ、どうすれば現実に即しながら夢を見続けられるだろうか?
そんな思いが込められた言葉だと思います。

吉田実践は、地域の方たちと結びついた1000人BBQの実現に向かって、現実の制約の中で、少しずつ着実に、一歩を踏み出されています。
どうやって現実と交渉しているのか? 発想の源は? このあと、生徒会とどうつながろうとしているのか?
そんな問いを投げかけながら、吉田実践を一緒に紐解き、少しでも生徒会実践で「現実的に夢を見る」方法を探ることができれば…。
そんな思いで運営できたらと思います。

「出る杭は打たれる、でも出過ぎた杭は打たれない」「どうやって打って良いか、わからないぐらいの杭になれ」…吉田先生が以前のご同僚に投げかけられたというこの言葉が、とても印象的な実践記録。
第五分科会でお待ちしています☆

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急募! 「社会以外」「小学校」の憲法実践

大阪・サトウです。

当京都大会応援ブログトップページにも掲載いただいている全国大会関連緊急企画「学校で憲法を語るつどい」の準備を担当しています。

「何か声をあげねば」の声とともに、「学校で憲法の話をどのようにしていいのかわからない」とのとまどいも聞こえるいま、さまざまな「学校で憲法を語る」実践を集め、ポスターセッション形態での報告会~憲法の授業まつり~です。

いまのところの予定では、

・憲法96条をもとに教室で模擬国会
・「体罰」と9条を同時に考える
・こけてしまった憲法改正の授業
・憲法を守らねばならないのはだれだ?~教師と授業を行った若手弁護士からの報告

など、全民研大会や歴教協大会でも報告される実践や弁護士さんが教師と一緒に行った授業実践、「失敗」した実践をふり返る報告まで、さまざま。

「知り合いの方(中学校数学教師)が憲法記念日の前の学活で憲法の話をしないといけないときに、何をどう話そうか困っていました。社会科の授業のなかで何をどう教えるかだけではないよということを伝えたいなぁ」(Hさん)

こんな声に応えるべく、「社会科以外の実践」「小学校、中学校での実践」など中心に、探しています。
自薦他薦、心当たりあれば、どうぞお知らせください。

なお、授業報告を受けてのミニシンポも、

朝日新聞・氏岡真弓編集委員(教育担当)による全国の動向を取材してのコメント

や、

教科研・歴教協などで生徒の当事者性~どうすれば生徒たちが「自分のこと」として社会事象をとらえられるか~を研究されている久保田貢さん(愛知県立大))に総括コメントをいただく

など、充実したラインナップです。

日時は京都大会最終日の8月5日(月)。
大会実行委員やグループ員で奮闘されている方々も、大会後のあとかたづけや各種会議を終えて駆けつけていただける17:00にスタートします。
「その日のうちに帰らねばならない」という方が新幹線に飛び乗っていただけるよう、京都駅至近の会場(京都テルサ)を確保しました。

大学での研究者の方や弁護士さんたちから参加申し込みをすでにいくつかいただいており、その方たちには高生研大会のリーフレットをお示しし、「セットでいかが?」と呼びかけています。

高生研大会に行くよ!とおっしゃるあなたには、逆にこのつどいも「セットでいかが?」。

「いま、何かせにゃあ」の声を集めたい――。
「参加するよ」の申し込み、お待ちしています。

★問い合わせ・申し込み先
「学校で憲法を語るつどい」事務局 AND29170@nifty.com

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こんなことやってていいのかな?

長野:小澤彰一

(紀要担当)

 今日7月4日はアメリカ合衆国の独立記念日、だが、私の生活にはあまり関係がない。3月1日はビキニデーだといって核廃絶を願って焼津へ行くが、朝鮮半島の人々が日本からの独立を訴えた記念すべき「三一独立運動」だと日本の歴史に言及する人はあまりいない。ある人にとっては重要な意味を持つ事柄も、別の人にとってはなんの意義も認識されないことがある。今日は参議院選挙の公示の日である。21日には投開票が行われる。公務員といえどじっとしているわけにはいかない。

 昨日は芝居を観てきた。俳優座の「樫の木坂の四姉妹」、松本市民劇場の会員になっているからである。しかも今月は運営のお当番サークルになっている。そのための会議に行くと、会員を増やせと目標をいわされ、目標達成のためにどんな努力をしたかを毎回報告させられ点検される。市民劇場運営委員にとっては会員を増やすことが至上命題なのだ。いつしか自分も成果主義に陥っている。

 勤務校では教務の仕事をしている。さまざまな部署の調整役なのだが、学校統合して構成員のアイデンティティーが揺らいでいる。進学実績をあげたいのか、クラブ活動で名をあげたいのか、各学科の実績をあげたいのか、よくわからない。自分の関心事に熱心な分だけ他の事柄に無関心になっていくのである。一つの組織(共同体)としてまとめていくには相当の努力が必要である。方法はいくつもある。だが、どれも手が出ない。

 私は、九月の公演に向けてひとり芝居に取り組んでいる。三つの団体が4、50分の短い作品を制作し、発表するという企画である。演劇というのは総合芸術だからこり出すとあれもこれもとやりたくなる。人もまた勝手なことを言いたがる。そうなると稽古の直後などはすべてをかなぐり捨てて芝居に専念したいという衝動に駆られる。

 高生研の全国大会の紀要の編集が捗っていない。編集は直線的に進む仕事ではない。いくつもの壁を乗り越えなければならないのである。仕事の片手間でやっていると、余計にいらだちを感じてしまう。締め切りだけは刻々と迫ってくる。これもすべてキャンセルしてこの作業に没頭したい、と強く思う。一日か二日は徹夜も覚悟している。

 

 「スローターハウス5」という映画の主人公になったような気分だ。どの場面でも、「こんなことやっていていいのかな」という不安を感じる。いったいどの場面の自分が本物なのかと思えてくる。

 ご心配なく、まだ私の精神は正常の範囲にあります。愚痴をいってストレスを発散しました! これから、雨の中平和行進です。

 8日には「紀要」のアウトラインができあがる予定です。一週間で最終チェックして15日16日には印刷、丁合の予定です。        京都で「紀要」をお楽しみに!

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マレーシアの村にて

 研修旅行の引率に行ってきました。私たちの旅行は、観光旅行ではなくて生徒一人一人が研究テーマを持ってするフィールドワークなのですが、その途上で生徒たちはいろんな人と出会い、新しい体験をします。わたしたち教員にとっても、生徒たちと同様に異文化的非日常との出会いがあります。今回は旅行三日目に訪れたマレーシアのある村での経験を紹介したいと思います。
 マレーシアの主要な輸出品にパーム油が挙げられますが、私たちが訪れた村は、パーム油を採取するための椰子の木が整然と植わっている風景が延々と続く地域に位置していました。椰子の木には幾つもの種類があって、ココナツヤシなどそのまま食用にするものもあり、木の高さはまちまちです。油を取る椰子の木は、最盛期には10メートル以上の高さになります。椰子の木は幹の頭頂部に放射状に葉っぱがでていて、油を採る実は葉っぱの軸が出ているあたりにできます。その高いところにできている実を、先端にカマをつけた長い長い棒を使って収穫するのです。実は数百個が塊になっていて、ひとつの塊は20kgにもなり、それらの実を絞って油をとるのだそうです。村の人たちがその作業をするのかと思いましたが、そうではないそうです。マレーシアの人はそんな作業はしない、椰子の実を採ったり油を絞ったりする現業は外国からの出稼ぎ労働者がしているとのことでした。プランテーションの中に、出稼ぎ労働者用宿舎があるとのことでした。マレーシア人は椰子のプランテーションのデスクワークや輸送トラックの運転手などの仕事IMG_0086に就くそうです。
 そのヤシ林地域の中のとある小さな集落が第三セクターのような形で地元旅行会社と協定してホームステイ受け入れ事業をしているのでした。生徒たちは昼前に村に到着して集会所で歓迎を受け、ヤシの実採取とゴム採取の実演を見た後で各家庭に迎え入れられて次の日の朝まで過ごします。昼に出される食事はマレーシアのお正月料理と決まっていて、床に広げた布の上に並べられた料理の周囲に座って、習慣通りに右手だけをつかって手で食べます。私たち引率教員も本部として設定された家で老夫婦から昼食を出していただきました。家の主人は食べずにお客に給仕をしたり、大皿から各自の皿に取り分けたりして、とても親切にすすめて下さり、最後はフィンガーボウルを持ってまわって右手の指をすすがせて下さいました。
 生徒たちは午後いっぱいテラスでゲームをしたり、庭でバドミントンをしたり、散歩をしたり、家庭ごとに楽しんでいました。私たち教員もゆっくりお茶を飲み、こちらは片言のマレー語、あちらは片言の英語、あとは身ぶり手ぶりで説明を受けて、チョンカと呼ばれるゲームをして遊びました。熱帯ですがヤシ林や熱帯雨林に囲まれているので風が涼しくてエアコンもありません。どの家の庭にもマンごスティンやバナナ、ドリアン、ココナツヤシなどの食べられる果物の木がたくさん植えてあって―それらはほとんど山から来るサルに持っていかれるそうですが―開け放した家のテラスで、まったりとした午後をゲームをして過ごすという、とても贅沢な非日常IMG_0091(1)経験をしました。

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壮観!2万羽のツバメが集結

 久田晴生

 今大会の初日夜、交流会で「ツバメの集団ねぐらを観る」を行います。
 ツバメは春、日本に渡ってきて、人家の軒先などで巣を作り子育てすることは皆さん
ご存じですね。では、子育てが終わったツバメ(親子)はその後どう行動するかご存じ
ですか。実は、一時的に特定の場所に集まり、そこで1カ月ほど過ごして体力をつけた
者から順に、三々五々南へ渡っていくのです。その集結地をねぐらと言って(「巣」は
ヒナを育てるためだけ)、全国各地にそういう場所があることが知られています。その
中でも最大級のものが宇治川河川敷のヨシ原にあるのです。
 ここには、7月~8月の終わりにかけて、京都盆地で育ったおよそ2万羽のツバメが
集結します。ツバメたちはヨシの茎の中程にとまって夜を過ごします。(地面から襲う
ヘビ、上空から狙うハヤブサから身を守るため、茎の中程で寝る)早朝ここを飛び立ち
餌探しに出かけます。ちょうど宇治川の南には巨椋干拓田(注)が広がり絶好の餌場とな
っています。そして夕方、再び、このヨシ原に戻ってきます。その数2万、空はツバメ
で埋め尽くされます。まるでウンカの大群が来たかのようです。堤防に立っていると、
そのすぐそばを多数のツバメが横切っていきます。ヨシ原のすぐ上を猛スピードで飛び
交います。そして日没直後、一斉にヨシ原に飛び込んでいきます。それはまるで滝のよ
うです。
 では何故かれらはこんな習性を持つのか。それは天敵ハヤブサに襲われないためと言
われています。私は毎年(名古屋に引っ越してからも)観察をしていますが、実際にハヤ
ブサがツバメを追いかけるシーンを観たこともあります。ちなみに、宇治市の東にある
喜撰山(かの喜撰法師ゆかりの地)でハヤブサが営巣していることが確認されています

 ツバメは18時頃から集まり始め、日没10分後にねぐらに飛び込みます。8月3日の京都
の日没は18時58分ですので、19時10分がクライマックス、20分終演です。そのあと、わ
ずかな光の中、コウモリがジタバタ(『うる星やつら』のてんちゃん風)と飛ぶ影だけ
が残ります。
 生活指導とは関係ないですが、京都の自然(歴史も少々)に触れてみようということ
で、今回企画しました。
 行き方は地下鉄烏丸線(竹田で乗り換え、または直結。約30分)で、近鉄向島下車、
徒歩15分です。久田が案内します。ご希望の方は、全体会終了後、受付前に集まって下
さい。双眼鏡も何台か用意します。帰りは京都駅前あたりで食べていこうかなと思って
います。

 注)巨椋干拓田は宇治川の南側にあり、山科川、鴨川、桂川との合流部にできた巨椋
池という大きな遊水池を、1933~41年に食糧増産を目的に干拓したものです。私が最初
に赴任したのはこの干拓田の南端にある西宇治(現、城南菱創)高校です。私が中学の
頃、「日本史地図」を見て京都の南に大きな湖があることを不思議に思っていました。
その長年の謎が西宇治高校赴任で解けた、さらには、干拓田の中の農道を放課後毎日の
ようにランニングしていたという、思い出の地なのです。