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大会日程から考えたこと

久田晴生(愛知)

 全国大会まで、あと1週間を切りましたね。関東各都県の皆さん、ご苦労様です。思
えば、私も昨年の今頃は大会準備に追われていました。さてその開催日ですが、大学を
使う関係で随分遅くなっています。というのは、今多くの大学で、授業を15週行い、テ
ストは第16,7週に実施するという運営がなされるようになったからです。(授業時間確
保!のために)
 うち(昨年会場の大同大学)ではそれが今年度から導入されました。では、去年の日
程はどうだったかと言うと、8月5日(金)が第16週でテスト最終日、6日(土)~8日(
月)全国大会、その後、私は、9日(火)に3年生対象の教育実習指導(1単位の教職必
修科目)を、10日(水)に4年生対象の教育実習報告会(教育実習指導の一環として行っ
ている)を行いました。
 ところが今年度から16,7週がテスト(最終日は10日(金))となり、13日(月)~20日(
月)夏季休業日、さらに、20日から中学免許希望者対象の「介護等体験実習」が始まる
、という強行日程です。そのため、17週のテストのない時間帯を見計らって、実習指導
等を9,10日に入れざるを得なくなりました。そんなことで、今年の大会は、すみませ
んが、初日の全体会と交流会は欠席します。もし、名古屋での大会を今年やることにな
っていたとしたら、うちでは会場が抑えられなかったかもしれません。そう考えると「
2011年」は、「この年しかない」という奇跡の年でした。
 さて、ここからが本題。先日、新高生研のメーリングリストに「全県1学区になって
から、進路実績をあげるという流れが強まり、文化祭と体育祭をくっつけて一学期にや
ってしまい、二学期は勉強に集中させるという流れが進学校以外でもできつつあります
。」という一文がありました。私が教員になった1979年当時、京都では、文化祭は9月
第3週以後に実施されるのが一般的でした。私が初めて全国大会のレポーターをした時
の実践は、そういった時間的ゆとりが背景にありました(9月に入ってから大きな失敗
をして、それを克服できる時間があった)。それが一気に変わったのが1987年です。高
校生の就職試験の解禁が、それまでの10月1日から9月16日に早まったことで、文化祭を
それ以前に終わらせるようになったのです。さらにその後、大学、短大の推薦入試の拡
大などで、日程がどんどん前倒しになり、今世紀に入って週5日制が導入されたことに
伴い、授業時間確保のため、8月下旬から授業開始。文化祭及びその準備は「暑さ」と
の戦いになっていきました。実際、体育祭を7月に前倒ししたある高校で、熱中症で生
徒がバタバタ倒れるという事件が起きました。
「授業時間確保」「進路実績」等そのものは歓迎すべきものでしょう。しかし、日本
(関東以西と言った方がよいが)の気候や生徒・学生の実情からすれば、無理な日程調
整をしていると言わざるを得ません。果たしてこのような日程で、文化祭等の特別活動
が、高校生が他者と関係を切り結んだり、主体的・自主的に行動するちからを培うもの
になりえるのでしょうか。私には、オフィシャルの時間がコミューナルな時間を侵略し
ているように思えてなりません。「正論」が幅をきかす世の中はしんどい。まあ、それ
でも、様々な場面で、事実を見据えながら実践していくしたたかさが、高生研の良いと
ころでもありますが…。

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問題別分科会1「若者の就職支援を考える 「ジョブカフェぐんま」でのカウンセリングに関わって」

 今年の2月に私のクラスだったAさん(23歳)から連絡があり、現在の仕事のことと転職のことで相談したいと言うので、学校に来るように話した。
 Aさんは専門学校を出てトリマーの仕事をしていた。しかし、労働条件が過酷なことに不満があり、家計を助けるためにもう少し安定した仕事を求めていた。話を聞いてからすぐにジョブカフェ群馬の高崎サテライトに電話をさせて面接のアポイントを取らせた。
 その後しばらくして知り合いの高崎サテライトの相談員から、Aさんは何回かの相談を経て、現在ある会社で働いているとの連絡があった。
 「若者への就労支援を考える」の報告者である瀧口典子さんは、このサテライトで相談員をしている。瀧口さんはかつて沼田女子高校定時制と玉村高校で社会科の教師であった。退職後も地域でさまざまな活動を行い、大学でも非常勤講師として教職をめざす学生の指導もしているが、いちばん力を入れているのがジョブカフェでの相談だそうだ。
 この分科会では瀧口さんたち相談員がやっている若者と仕事をつなぎ方について、瀧口さんに報告してもらい議論する。
 高校を卒業して正規雇用労働者になった者たちが、諸事情からすぐに退職してしまって、不安定雇用の就労に入っていくのを私たちは目の当たりにしている。「会社に謝罪にいかなくては」「後輩の採用に影響がある」のような教師の発言を耳にする。彼らがなぜ辞めたのか、辞めざるを得なかったのか
が話題になることはほとんどない。
 この分科会は私たち現場教師がやっている進路指導やキャリア教育なるものの課題を浮かび上がらせるものになるだろう。同時に若者たちが希望を紡ぐ物語をかいま見せてくれるだろう。
                 分科会での報告を瀧口さんに勧めた船橋聖一