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A子さんの「やる気スイッチ」

 京都では、3学期制をとっている府立高校は先週末に1学期終業式を迎えましたが、進学補習や基礎補充が延々と続いています。猛暑の中で少々バテ気味の私ですが、少人数で行う基礎補充の時間には、そこにいる生徒たちについての新しい発見が毎日あって、そのことでまた元気になれたりもします。
 私が担当している基礎補充は「ライティング」です。普段の授業で教えていない生徒たちが数名来ていて、その中にA子さんがいます。教材は本校英語科オリジナルワークシートで、英語の語順を学び直す内容です。A子さんは、初日の最初は「こんなもん、わからん。」と言って投げやりな態度を取ったのですが、英語の文を創るルールが身につくようにと工夫して作問されたワークシートを私がつきっきりで説明するうちに、するすると英文を創れるようになりました。次々と質問しながらワークシートを進んでいく姿からは、一つのルールを他に応用する力も持っていることが見て取れました。A子「あってる?」私「あってるよ」A子「すごい!」というやりとりの中から、「できるようになる」ということが本当に子どもを励ますのだと、つくづく感じられたのでした。
 今日の後半は「昨日の日記を50ワード以上の英語で書く」という課題をしました。生徒が書きたい内容を英語で書くのですが、わからない語彙はこちらが黒板に書きます―「起きましたgot up」「~時にat~」等の語彙です。A子さんは、「食べた、は?」「ごはん、は?」「スパゲッティは?」「バイトに行った、は?」「たのしかった、ってどうやって言う?」等々、矢継ぎ早に質問してくれたので、それらの意味を成す英語の単文を紹介することができて、他の生徒もそれに触発されて自分のことを英語で書いていきました。
 定期テストではテスト用紙にほとんど何も書いていなかったA子さんですが、場面が違えば全く違う姿を見せるのだと、私が学びました。     (京都 たなかようこ)

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