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若い世代に引き継ぎたいもの

長野県 小澤彰一

 今日五日、先ほど私の勤務校の入学式が終わった。
 学校最大の行事は、文化祭だと言う人もあるかもしれないが、入学式と卒業式といって大きな異論はないだろう。学校に籍が生じ、課程の修了が認められて新しいステップに進む節目になる行事だ。だから、子ども・保護者、そして教師にとってもないがしろにはできない。これらが、入試、新年度準備の業務と合わせて、一ヶ月の間に集中するのである。しかも、この間は学校関係者が一様に忙しいのではない。富と同じように仕事も偏在するのである。
 学校の裏方、舞台芸術で言えばスタッフ、私はこの「教務」という仕事に関わる事になって四年目になる。退職間際で、他にやりたいことがあると拒否するもままならず、この学校では通算7年目となる。
 教員に成り立ての頃は、生徒会活動や授業づくりに燃え、「教務」などという仕事は「教育」の周辺業務くらいに考えていた。だが、年齢や経験を重ねるうちに、生徒の実務能力を鍛えることもだが、教師の実務に対する思想性の重要さも実感するようになった。だからこんな仕事、自分から希望することは絶対に無いにしても与えられれば、学校づくりにかなり近いポジションとして最大限に利用してしまおうという下心は持っている。
 教師の実務を支える思想性とは何か。抽象的なたとえだが、幾本か絡まった紐の先端がどこにつながっているかを見極める判断力のようなものだろうと思う。教師が官僚主義に陥らないためには、高い思想性を持ち続け、常に自問し続けなければならないだろう。年寄りにはかなりしんどい仕事だ。
 あと一年、自分の考える実務を支える思想性を実務に即して文字にしてみようと考え始めている。

 生意気だった若い頃の自分を支えてくれたのは高生研、そうした生意気な自分を変えてくれたのも高生研、老いて次世代に引き継ぐ使命感を持たせてくれているのも高生研。
 次世代の生年教師たちに、この夏の新生高生研の全国大会京都に是非参加して欲しい!老教師の切なる願いである。
 もうしばらくすると、竹内常一先生のように「祈る」ことを覚えるかもしれない。
                

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