来夏引っ越しする。プライベートではなくて勤務校のキャンパス移転である。工事は順調、教育改革に関するカリキュラム整備や引っ越し手続きなども進んでいる。新キャンパスに移転すれば、これまで教室条件などの理由から制約を受けていた教育活動が可能になる。しかし、新キャンパスへの期待と現キャンパスへの思い入れは私の場合別のようだ。現キャンパスを26年間使用してきたが、私自身の教員生活は24年。年数的には生徒や卒業生以上に思い入れがあるといっていいかもしれない。
今年度から日常的に卒業生にTAとして来てもらい、まざまな協力を得て教育活動を活性化している。その卒業生たちにとっても「母校」と聞いてイメージするのは現キャンパスだろう。今週末「来ないとできない「さよなら」とまた会う日まで」という卒業生企画が行なわれる。卒業後20年の幹事学年を中心に、十代から90代近い卒業生も参加されるのではないだろうか? 教職員も総出でこのホームカミングデーを迎える。
懐かし授業体験、HRをもう一度体験、記念写真、学食であの頃のメニューを食べよう……などなどさまざまな趣向を凝らした企画が準備されている。私も「懐かし授業」を担当させていただく。その準備で、先日来卒業アルバムや生徒の作品、クラスTシャツなどをみかえしている。1年間だったり6年間だったり(中高一貫校なので)、関わりの長さは様々でも、こんなに多くの若者と接点をもってきたのか…と自分の仕事への責任感を新たにした。教職そのものの引退までカウントダウンに入った今、生徒にとってよりよいと思える教育を教職員集団でどんどん実践してみたいと、ちょっと欲張りになってきた。私が教員になって最初に出会った生徒は今36歳、直近の卒業生は18歳。私の懐かし授業では「アンダー30 VS オーバー30」で「本校に制服を導入すべきか」のディベートをする。ちょうど今年度の授業担当クラスでも実践したばかりで、先週の生徒総会でも議論になった。さあ、卒業生たちとはどんな授業になるだろう? 夏の高生研大会では本校の栗木久さんが授業実践を一日分科会で報告される。そこにも教職志望の卒業生が集う予定だ。この夏、いろいろな再会が楽しみである。 京都大会申し込みがまだの方は今すぐ、Kyoto_kouseiken@yahoo.co.jp へ 岸田 康子