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「魂の脱植民地化とは何か」著者、深尾葉子(大阪大学)さんとの交流会のご案内(その2)

 埼玉の内田です。
 交流会「魂の脱植民地化とは何か」のご案内、第2弾です。
 前回、「魂に蓋をする」という、深尾さんが安冨歩さんらとの研究から見いだされしたことが、今の教育現場で子どもたちが抱える困難と関わり、また、学校そものが「魂の蓋」を強固にしている可能性を述べました。もう一つこの交流会を持ちたいと思った理由を説明します。
 それは、「魂の脱植民地化」という概念が、コミュニケーションの原理と深く関わっており、それが私たちが追求してきた生活指導実践と様々な場面で関わっていると感じたからなのです。高生研ではここ10年くらいの間に、対話の重要性を意識してきました。また、これまで議論されてきた、「他者性」、「存在論的接近」、「子ども(生徒)たちから学ぶこと」といった言葉ともつながってきます。「魂の脱植民地化」研究のベースに、安冨歩さんと本條晴一郎さんが書かれた「ハラスメントは連鎖する」(光文社新書)があります。ここに書かれているコミュニケーションの原理と、私たちが追求してきた教育実践とに、いろいろな点でつながりを感じるのです。この「ハラスメントは連鎖する」に書かれている、人格が魂と魂の外界とをつなぐインターフェースからなるという理論および、インターフェースがハラスメントによりゆがめられ呪縛を引き起こすことなどから、「魂に蓋」という言葉も生み出されています。
 さらに、深尾さんは自分が持つゼミで、学生が内面化し呪縛されていたものと格闘・離脱してゆく過程を議論し、さらに論文化してもらう中で、いろいろな発見をされています。学生が書いたものとご自身のことが「魂の脱植民地化とは何か」に書かれています。そこに書かれいることは、これまで様々な実践の中で出会ってきた、困難を抱えもがき、成長して行く生徒達と通じています。
 深尾さんは東洋史(中国)の専門家で大阪大学経済学部大学院の准教授です。教育学とは全く縁遠い分野の方です。しかし、私たちが追求してきた生活指導実践と繋がるものを「魂の脱植民地化」研究の中から見いだしておられます。深尾さんとの交流は、私たちにとって刺激的なものになると確信していますので、皆様ぜひご参加下さい。
 交流会の会場が確定しました。地下鉄烏丸線北大路駅に直結している北文化会館の会議室です。京都の瀧内さんのご尽力で会場を取っていただけました。

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