5月31日(日)13:20開会。阪大中之島センター。日本近代史の成田龍一さん(日本女子大学)を迎えての第8回授業工房(戦後70周年記念第2回)『大正から昭和戦前までの憲政史』~“帝国のデモクラシ―”の意義と限界~は,21名のご参加で盛会のうちに終了しました。めちゃめちゃ勉強になりました。
遠路東京からお運びいただいた成田先生、また、ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。自分のこれまでの教えが知識注入スタイルのステレオタイプだったなあと改めて反省しています。
(中略)
会の最後に、成田さんは次のようにまとめられました。焦点は「デモクラシーと戦争」だったのですが、戦争のイメージが固定化していないか、戦闘の開始と戦争は違う。戦争の中身も一枚岩ではない、そのイメージ、問題点を輻輳的に考えることが大切であること。戦争を多様な形で考えていくことが必要であること。歴史の授業とは何かにかかわるが、我々は後の歴史を知った目で過去を意味づけするけれども、当時の人は、行先はわからない中でいろんな選択肢の中でこれを選んだ。それが結果的にデモクラシーから戦争に至った。選択肢として現れたことが結果として意味をもった。つまり、同時代の人の目でみることと同時に今から見ればこういえるという2つの作業が必要で、結果を生徒に教えるのではなく、生徒の内在的な理解を促しながら、結果として当時の「善意」で選んだことがひどい問題を引き起こしたということを考えることが必要なのではないか。そのうえで、最終的にはあなた方の意見が結果として歴史をつくっているんだということが要になってくる。どういう選択肢があったのか、またこれからあるのか、それが自分たちに跳ね返ってくる。18歳選挙権が実現した時に、どんな道を選ぶのか、道をえらぶのは君たちなんだというメッセージが大切なのだ。
成田さんには新幹線の時間まで懇親会もご一緒いただき、ここでも、矢継ぎ早のいろんな質問に丁寧にお答えいただきました。改めて成田先生、参加者のみなさん。ありがとうございました。(首藤)