報告者の佐藤さんは、実践の中で怒ったり、笑ったり、泣いたりと忙しい。生 徒たちも同じだ。「今日もノー天気!」という題名の通り、佐藤ク ラスの生徒 たちには、まるで学校を「遊び場」にしているような痛快さがある。学校行事の ジョギングでは「お花摘み」をして叱られたり、授業が うるさくて困ると他の 教師たちから苦情を受ける。担任の佐藤さんにとってはきっと苦しいことのはず なのに、読んでいてなんとなく微笑ましくな るのは何故だろう。
生徒たちは「プロジェクト」を次々に立ち上げて、遠足で「カレーコンテス ト」をやったり、卒業生のために雪像をつくったり、教師に断りもな く教室中 をハロウィンの飾りつけでいっぱいにしたり、やりたい放題。また、教師の発言 に腹が立った生徒たちが授業をボイコットする事件もおき る。
そんな楽しそうな学校でも、よーく実践を読むと、学校自体は日本中のどこに でもあるような「息苦しい」学校とさして変わりはないように見え る。どうし て佐藤さんのクラスの生徒たちは、こうも「ノー天気」で学校生活を楽しめるの か。その秘密を分科会に参加した皆さんといっしょに探 りたい、それがこの分 科会の中心テーマ。
「息苦しい」学校をどうにかして変えたい、生徒と楽しい活動をつくりたい、 そうお考えの方々の参加をお待ちしています。(運営担当・絹村俊 明)
北海道は1学年1クラスの学校がけっこうあります。全校生徒120人の小さな学校は、「さぞかしほのぼのとしている学校だろうな」と思われるかもしれません。でも、本校も全国同様に授業時数確保がぜったいで、行事がけずられHRの時間が服装指導や学力テストになって、HRイベントなんてありえないかんじです。
こんな雰囲気の中で、HR行事を決行するのはけっこう勇気がいります。しかも、HRがうるさく、授業が崩壊しているときなどはとくに。きっと全国のみなさんも同じだと思います。「もしかして、私って浮いてる?」と感じることもあります。
でも、きっと、いや絶対に他の先生は私のことをうらやましいと思っているはずです。本当は「いいなぁ、うちのクラスでもやりたいんだけど、ちょっと面倒だし・・・」と思っているはずです。
だから、いろんな先生を巻き込んでノー天気になんでもやってしまおうという話しです。
「先生、しっかりして」、「わかった、俺たちがやるから、先生は何もしなくていいから」と何度生徒に言われたことでしょう。最初はバレーボールさえまともにできなかった生徒たちが、自分たちで考え企画して、「楽しいことやりたい!」と叫ぶ。
そんな生徒の成長する3年間をふりかえり、みなさんの議論の中から勇気をもらいたいと思います。
(さとう りか)