滋賀の藤本です。
「合言葉は『ぐるり』、そして『パッチギ』~『学び』の意味を問い直す~」中順子(岩手)さんの分科会紹介です。
中さんのクラスは3年生の文化祭の飲食模擬店でフェアトレードを取り上げた。2年間、中さんのクラスの公的リーダーだったSさんは「2、3年で私の世界は広がった。フェアトレードを通して私の内(自分のこととか,友人関係とか,部活とか)から一歩踏み出したところ(“外”ではない気がする)を考えるようになった。」と語った。
もう一人のリーダー、フェアトレードを提案したN子は、フェアトレードを広く伝える職業に就くことを決心し、そのために大学に進学する。
2人は共著で生徒会誌に「フェアトレードを知ろう」「平和という一つの思いは多くの人の輪を必要としているのだと感じます。」「人を思いやる気持ちや理解がなければ、フェアトレードは本当に世界を良くする取り組みにはなりません。」と書いている。
しかし、この2人は決して最初から仲がよかったわけではない。互いにいらつかせる存在であったようだ。同じ部活内での人間関係のトラブルも多発した。
それが、互いになくてはならない存在となり、それぞれが自分たちの可能性に挑戦し、クラスのリーダーに育っていった。そしてともにフェアトレードの世界へと巻き込まれていったのである。
なぜこのような実践が可能となったのか、中さんのどういう指導がそれを可能としたのかを考えたい。
藤本さんと運営を担当する京都の岸田です。
いわゆる特進コースで、行事に活発に取り組ませながら、受験勉強と学校の授業とHR…正直、すごいなと思いました。
中さんの分科会は青森で参加したことがあります。
パッチギっている担任を見ていると、自分もパッチギってトライしてみたくなり、ぐるり=自分のことだけでなく周りのこと、に関心を持つようになる、これって主体的な市民が育ったということになるのでは?
私は、2人の特別な生徒と高い手腕の担任のレポートとして終わってしまわず(高生研だからそんな心配は無用かもしれませんが)、分科会参加の皆さんと作り上げるような一日を期待しています。8月7日、お会いしましょう。