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「それでもここで生きていかなければいけないと思っています。」

 

青森の木村です。

いよいよ1ヶ月後に迫った名古屋大会。今回、東北からは青森・酒田孝先生、秋田・北川智彦先生、そして岩手・中順子先生の3名がレポーターとして参加します。いずれも大変素晴らしい実践報告ですので、どうぞご期待下さい。

また、2日目夜の交流会では大阪のみなさんが企画提案して下さる「大震災:東北の仲間に聞く」が開催されます。私たち東北の仲間も多数参加しますので、是非おいで下さい。

そして、実はこの交流会が実現するきっかけとなったのは、5月に開催地名古屋で行われた全国委員会でした。名古屋大会や基調、新組織体制の検討など、重要な案件が検討審議されました。そしてその中でも、忘れられない場面がありました。

初日夜、ようやく会議が終わって恒例の懇親交流会が行われました。いつもは乾杯と同時に楽しく各県報告などが行われるのですが、今回だけは違いました。

それは、他の会議を終えて駆け付けて下さった福島の齋藤毅先生から、福島の原発被災状況や学校、生徒の状況などについてのお話が始まったからでした。大変深刻な状況が齋藤先生の穏やかで淡々とした口調で語られ始めるやいなや、会場は水を打ったような静けさに包まれたのでした。学校が避難所になったこと、校庭の水たまりからは依然放射能の高い数値が検出されていることをはじめ、全県的な被災の現状と問題点についてお話し頂きました。齋藤先生ご自身も3月の異動発表で転勤が決まったものの、福島県では1学期はそのまま「前任校」での勤務となっています。

「それでもここで生きていかなければいけないと思っています。」という齋藤先生の言葉は、大変重く胸に迫ってくるものでした。

 そして同じく全国委員会で、次の全国会員通信の編集内容について担当の礒山先生から提案があった際に、北川先生と私からのお願いとして、「東北大震災特集」を設けて頂くこととなりました。

 二人で分担して原稿のお願いをしたところ、次の方々からご報告を頂きました。近日中にお手元に届くと思いますので、どうぞ各県の被災状況を感じ取って下さい。齋藤先生には「交流会」と「機関誌190号(秋号)」でじっくりとご報告頂きたいと思っています。

・ (青森)田村 儀則「津波が校門近くまで迫ってきた」(八戸水産高校)

・ (岩手)五日市正光「東北大震災:岩手県高校関係の被災状況」

・ (岩手)千葉 幸浩「私立高校生たちの震災ボランティア」

                          (一関修紅高校)

・ (宮城)勝又 信嗣「あの日あの時」

・ (宮城)小畑  茂「東北大震災:あの日とその後」

・ (大阪)佐藤  功「大阪高生研ブログにおける“大震災”」

                          (緑風冠高校)

 田村先生の報告は紙数の関係でかなり短縮させてもらいました。また千葉先生の原稿も、オリジナルな報告には岩手県内の私学9校の詳細な調査に基づいた具体的な被災状況の一覧や写真、新聞記事などが多数含まれているのですが、これも涙を呑んで割愛させて頂きました。(千葉レポートは岩手民教研「北流」に収録されています。)

 最後に、五日市先生の報告の終わりの言葉をご紹介します。

 「被災一般をひとくくりにした論評ではない、被災者一人ひとりが生きてきたかけがえのない人生に、それぞれ寄り添った具体的な取り組みこそが、求められている…」と。

 「全国会員通信」、「交流会」そして「機関誌秋号」をご期待下さい。

 

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