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「なんか、ごめんなさい」

 22→11→18→21→7→11…これは、夏休みに入ってから、9月の文化祭準備のための登校日に来た生徒数の推移です。クラス人数は40名です。
 登校日は、1学期最終日にリーダーが連絡しました。リーダーは、遠足<5月に湖畔でBBQ>で、クラス全員に行き渡るよう冷製デザート<砕いたオレオ生地の上に抹茶ムース>を手作りしてきたラガーマンで、6月に立候補してリーダーになりました。登校日は、彼が夏休み中の各部活の予定を調べたあげた上で案を立てました。
 私の勤務校では、高3は劇が定番です。とはいえ、その準備のために7月だけで6回も集まっているクラスは他にはありません。たいていは7~8月で3~4回です。なのに、うちのクラスは明日も集まります。挑戦するのはミュージカル。これは、「どうしてもイヤという人以外は、できるだけたくさんのひとにステージに上がってもらえるように」と学年<高3です>を意識したリーダーが、自分の思いをクラスメートに伝え、候補を絞った結果です。
 第1回の登校日で役決め、第3回で劇中歌を英語と日本語のどちらで歌うかで揉め、翌日の第4回で英語派が急遽特訓して実際に英語で歌ってみせて、日本語派の了解を得た…しかし、そのあとの集まりがなかなか。例年を知っている教員の私にとっては「こんなもんやろう」でも、リーダーと集まった生徒にとっては高3は初めてなので、7名に落ち込んだ日は、何も活動が始まらず、「どうやったら集まるか」についての作戦会議となりました。
 「ポイントカード、つくろーや」「ラジオ体操みたいに、全出席でアイスもらえるっていうのは?」「SNS<LINEを使ってます>で、めっちゃ集まってめっちゃ進んでるよ~っていう雰囲気を流す」など、来ているメンバーはいろいろ言いました。でも、リーダーは「来ないヤツがアカン…」と元気ないまま、帰りました。
 ところが、そのあと残った女子2人が買い出しリストをサクサク作り、その足で百均に行き、リーダーに「材料は調達したよ~」と電話。同じ日、議長がリーダーを誘って、ファミレスで4時間、食べる、しゃべる<たわいもないおしゃべりだったそうですが>。そして、リーダーと辛苦を共にしているラガーマンの生徒が、「夜分にすいません! みんなクラブとか用事とかで忙しいと思います。けど〇〇<リーダーの名前>も頑張ってるし、高校ラストやし。全員で頑張らないと最後に後悔すると思うんです。やし、ちょっとでもいいんで登校日、顔出して欲しいんです! なんかごめんなさい」とSNSで訴えました。
 そして、昨日は第6回。部活の二部練の日でもあったのに、教室に一番乗りしたリーダーが「◇◇<SNSに投稿した生徒>のLINE、めっちゃうれしかったわ~」と。集まりは11名にしか回復しなかった昨日でしたが、リーダーの元気はちょっと回復していました。
 「来ないヤツがアカン」「来い!」では自由意志の集まりの人数は増えないと私も思います。かといって、「めっちゃ盛り上がってる雰囲気が(SNSに)流れたら、かえって行きづらくなる」と漏らした生徒もいました。その生徒に、対面では、「オマエ、邪魔くさいなー」と苦笑いで返した生徒<◇◇くんです>が流したメッセージの最後が「なんか、ごめんなさい」です。
 距離感や気遣いって、大切ですね。。
 360名、これが、本日7月31日現在の会員数<銀行引き落とし手続済の方のみ>です。「新しい主体による再組織」「組織の大改編」とネーミングは複数あるようですが、私たちも、学び、語り、聞きあい、関係を広げていきたいです。
          京都 岸田 康子

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