前回このブログに書いてから早くも1ヶ月。この1ヶ月で私にとっての学びの場が2回あった。ひとつは6月17日(日)に行われた本校の「学びの共同体」の公開授業研究会。佐藤学さんをはじめ全国から150名近くの参加者をお迎えして今年で4年目。
参加者のみなさんからあたたかく鋭い指摘をたくさんいただいた。私が印象に残ったものをいくつか。まず(全教室を公開した)公開授業の感想では「学び合いは形にとらわれがちだが、何のためにそれをするのかという目当てを明確にもっておかないと効果は半減すると感じた」。「機能するクラスとそうでないクラスがありました。」授業検討会を見られた感想では、「子どもの事実から話し合われている(授業検討会は)良いなあと思いましたが、その解釈は個々の子どもの状態や能力、人間関係等にとどまっているように感じ、そこでの〈学び〉やそれを支える授業のデザインまで突っ込んで話していけると良いように思いました。」どれも本校の現状を的確に見ておられる有り難い指摘だ。
「学びの共同体」でおこなわれる授業研究には、授業や教育に関する専門家コミュニティー(実践共同体)を学校内に構築するという目的がある。私自身は学校をそういう専門家コミュニティーにしようという思いで教師集団の先頭を走ったり、最後尾を走ったりしてきたが、どうしても隊列が渋滞してしまう。学校の小規模化にともなう多忙化の問題(人は減っても仕事は減らない)、マニュアルや指示待ち人間、あるいは規則を待望する人の増加、ビジョンや戦略をもって仕事をするということへの不慣れ、リーダーシップをとりきれない管理職、人事異動による教員の入れ替わり ・・・ 。高校という現場には授業研究の前進を妨げる要素はいくらでもある。いや、それどころか高校教員は一般的に授業研究とは無縁で、授業
究とは何かを知らなかった人が多いのではないか。
もうひとつの学びは6月23、24日に福井大学の教職大学院の主催する「福井ラウンドテーブル」という研究会。同僚と2人で出張した。ラウンドテーブルは300人ほどの参加者が6人グループに分かれて、ひとつの報告を80分かけて報告・討論するというかたち。私は、いまの本校の授業研究が抱える課題を報告してアドバイスをいただこうと思っていたのたが、逆に「どうしてこういう授業改革ができたのか?」という質問攻めに遭い目的は果たせなかった。「日本一の教育県」の戦略は教職大学院で学んだ現職教師をミドルリーダーとして養成し授業改革による学校改革をすすめようというものらしい。滋賀も隣県に学んでほしいと、私はあらゆるところで「学びの共同体」による授業改革・学校改革を訴えている。よい方策があれ
ばご一報を。(夏原常明)