青森から、今年の全国大会に谷崎さんが実践報告します。
小学校時代は優等生、中学校時代も1年時は部活動で頑張っていた生徒でしたが、問題行動を重ね、中学校の担任から罰として丸坊主を言い渡されたことをきっかけに不登校、ほとんど中学校では学ぶことなく遊んでいたひとりの生徒。彼は中学校の卒業式にも参加させてもらえませんでした。
私立高校には合格できるだろうと受験したが、不合格。最後に辿りついたのは定時制高校。そこで出会ったふたりの教師。ひとりは谷崎さん。そして、もう一人は、昨年の8月に30代の若さで病気のため亡くなった八甲田山のトトロこと一戸 直道さん。
一戸さんの国語の特別授業で東日本大震災のボランティアとして参加した労働組合員の話を聞いて谷崎さんと一緒に岩手県へ。
生徒会活動を通して彼が学んだことは何か。中学時代にはまったく勉強しなかった彼が、生活体験発表に書いた原稿用紙は10枚以上。数学や物理を勉強したいと言いだしたのはなぜか。
定時制高校の中にもくさったみかんを排除しようとする教師が残念ながらいる中、彼の成長を温かく、時には厳しく見守る指導は、今、私たちが原点に立ち返って考えていかなければならないことではないだろうか。
ひとりひとりの生徒の言葉を大切にすること、
これがひとりひとりを大切にすることの第一歩である。(一戸 直道)
青森高生研 吉田