東京のKです。2年前、私は退職し、再雇用(東京では非常勤教員といい、月の勤務が16日)になり、新しい学校へ異動しました。異動の回数は、現役時代から数えて5回目、定時制高校を異動しています。その経験から、私の異動の時の心構えを書きたいと思います。
1、生徒達は、私を教師と認めていません。人生の先輩とも思ってもいないのです。むしろ自分たちの方が、この学校では先輩と思っているのです。
2、ゆえに、最初から教師顔で生徒達に接しないことにしています。
3、人間的な関係をできるだけ早く作ることを心がけています。それが自分の精神的な安定につながっています。
以上を心がけて、新しい学校に勤めることにしています。最初の生徒たちとの関係には気を遣います。教職員との関係はあまり気を遣わないですむのが助かっています。
生徒達との関わりを持つには、授業が勝負・クラブ活動でも人間的な関係を
教師だから授業が勝負なのは当たり前ですが、新しい学校では特に重要になると思います。ここで信頼を勝ち取らないとまともな関係を作ってもらえないのです。
私は工業科の教師なので、座学(教室での授業)を2単位持つことになっていました。
どのような授業をしたかの一例を上げてみます。
私:「ここにアルミと鉄の丸棒があります。どちらが堅いかどうやって調べますか?」
生徒A:「たたいてみる。」
生徒B:「落としてみる」
などいろいろな意見がでてきます。最初の授業で私は、生徒達に「教室は間違える場所だ」「生徒が間違えなければ教師はいらない」と、間違えることは恥ずかしいという気持ちを打ち消すように伝えているので、わりと授業での発言はするようになっていました。
ここで、物理の仮説実験授業のまねをして、堅さを調べるため、プラスチックの筒(水槽用空気排出管)とパチンコ玉を用意し、それぞれの金属の上にプラスチックの筒を立て、パチンコ玉を同じ高さから落とし、その高さの予想をさせました。やはり、教室での実験と予想は生徒たちには新鮮であって、興味をもったようです。
そのあと、生徒達から「前回のような授業をしてくれ」と要望されることもあります。教科の教える内容の関係で、いつもこういう授業ができるわけではないですが、生徒達が理解しやすい授業を目指しています。その中で生徒達との信頼関係を作るようにしています。