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生活習慣病は生活習慣を変えることから~糖尿病対策はダイエットにも有効~その2

2,生活習慣を変えることから始めた
 病院から帰って、近くの書店で「ためしてガッテン 脱糖尿病の『超』常識」という雑誌を買ってきた。食事に関しては、カロリーではなく食事の順番を変える必要があるという指示があった。毎食、野菜を欠かさず食べ、その後に肉や魚を食べ、また野菜を食べる。そして、おかずを全て食べ終わった後で、ご飯を食べる。ご飯は沢山食べずに、お茶碗なら半膳にくらいにする。「炭水化物ダイエット」という言葉があるが、栄養指導の担当者からも炭水化物を減らすことが糖尿病にもダイエットにも効果的であると言われた。
 また、食事はゆっくり食べて、食事時間を長くすることが大切だ。別の雑誌「ためしてガッテン 科学の秘策で食べて、やせる」では、一口食べるごとに箸を置いてから、また一口食べることがよいという話が載っていた。さすがにこれは一度やってみたものの、継続することはできなかった。
 カスミなどのスーパーに行くと、きんぴらゴボウ・おから・ひじきの煮物・ほうれん草のごま和え・カボチャの煮物などの総菜類のおかずを売っている。それを、いくつか買ってきて少しづつ分けて食べるようにすると、野菜ものを毎食欠かさずに食べることができる。また、この機会にぬか漬けの樽をジョイフルホンダの食品売り場で買ってきて、野菜のぬか漬を自分で作るようにした。ぬか漬けは1日でおいしい漬け物が出来て、毎食欠かさず食べるようになった。最近では、コンビニでも一人分用のサラダ野菜や総菜ものが売っていて、野菜を食べることは簡単にできるようになっている。
 野菜に関しては、血糖値を下げるために「タマネギ」と「大豆」が最適の食材であることを新しく買った雑誌「いいこといっぱい 玉ねぎレシピ」「スローダイエット 楽々レシピ」「オレンジページ 野菜がたっぷり食べられる」等で読んだ。
 タマネギはタマネギを刻んで鰹節をふりかけて、醤油をかける。非常に簡単にできる野菜のおかずになる。タマネギと鶏肉の酢煮というのも簡単にできる。大豆は一晩水につけたものを、蒸かす。蒸かした大豆は栗のような味があって食べると非常に美味である。大豆を蒸かすときに、ゴボウやレンコンを一緒に蒸かして、それにオリーブ油とこしょうと塩をかけて混ぜると非常に美味な野菜のおかずになる。雑誌に限らず、ネットなどではこうした野菜のレシピが満載で、野菜をおいしく食べる情報は多様に流通している。
 昼食は以前は抜くこともあったが、店屋物を注文して食べるようにした。昼食を抜くと結果的に夕食を沢山食べることになってしまっていた。しかし、ご飯ものはやめて、麺ものは少なめにしてもらった。豆腐と椎茸のスープとシュウマイという組み合わせが栄養的にも非常に優れていて、よく頼んでいる。外食の場合、味付けが濃かったり、ご飯の量が多めになってしまう傾向があるので、昼食をどうするかはなかなか難しい問題である。
 また、食事の内容や量、食べる順番の他に気をつけたのは、酒を飲まないことである。宴会などでも「医者からドクターストップがかかってしまったんですよ。」と言うと誰も酒を飲むことを強制しない。ノンアルコール飲料も多様で、味も非常に工夫されている。教員になった30年数年前の「俺の酒が飲めないのか。」「俺は日頃のおまえの仕事ぶりが許せない。」「酒を飲まなければ、人間は本音で語れない。」というような言葉、怒号が飛び交った酒の席は、現在大きく変化している。
 また、糖尿病患者が自分が糖尿病であることを隠すようになると糖尿病は悪化する。糖尿病を改善するためには、患者自らが糖尿病であることを公言する必要があるというような話を聞いていたので、積極的に「糖尿病なんですよ。」と言うようにしている。実際の所、糖尿病は初期段階では自覚症状がない。この自覚症状がないことについて、Y先生も「血糖値が上がると気分が悪くなったりすればいいんですが、そうならないから悪くなっていることが自覚できないんです。」と言っていた。そして、自覚症状があるのは、かなり重傷化した時である。つまり、生活習慣病患者は初期段階で糖尿病であることを公にして、周りの人の協力を求めながら自らの生活習慣を改善する必要がある。
 飲酒に関しては、私にとっては酒の量が多くなること以上に、酒を飲むことで食事の量が多くなることが一番の問題であった。私の周りでも何も食べずに酒だけを飲み続ける人もいるが、私は飲み続け、食べ続けの状態を継続させていた。私はまんじゅうを食べながら日本酒を飲み続けることができる特異体質で、飲んだ後でラーメンを食べて、ビールを飲むような生活が最高の幸せだった。つまり、私にとって酒をやめることは食事の量を減らすことであった。
 万歩計を使って散歩をしていたこともあったが、最近は万歩計をなくして、目標を決めての散歩をしていなかった。病院から帰って早速万歩計を購入して、早朝に犬の散歩も始めた。1日1万キロを目標に、毎朝5時過ぎに起きて歩くようにした。朝、7000歩以上を歩くと学校での生活で1万歩を超える。
 そして、生活を改善するために食事の記録をきちんとつけることにした。体重だけは5年以上記録をしている。エクセルで表をつくり、食事の内容と万歩計の数字、体重を記録(別表)した。記録をすることで、変化を毎日確認することになり、生活習慣改善のモチベーションが高まった。
10月31日に95キロあった体重は、1ヶ月後の11月23日には91.3キロになり、3ヶ月後には86.2キロになった。約10キロの減量が実現した。そして、血糖値は169から101になり、HbA1Cは8.8から6.1になった。11月28日の栄養指導では、正確な記録と数値の減少に栄養指導の担当者が驚いていた。Y先生が言っていた「食事の記録」は1日分の記録で、1か月間の正確な記録ではなかったようだ。1月23日の第2回目の栄養指導では、「これ以上の指導は必要ないですね。」と担当者が宣言した。
岡野 一男
<続きは明日>

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