鳥取高生研 池上聡一
大会リーフレットで紹介されている問題別分科会のテーマをみて私自身が感じたこと、それは、戦後、「集団主義」や「集団づくり」にこだわりつつ展開されてきた生活指導運動が、様々な団体と連携しつつ見直され、発展していく可能性です。
例えば「3.ケアが必要な子どもがいる学級・HRづくり ~生きるために学びの課題を立ち上げる~」においては、以下のような分科会紹介がなされています。
今や、「ケアが必要な子ども・高校生がいない」学級・HRなど、ありえないでしょう。
彼/彼女らの幼少期からの複雑な発達課題を読み解き、排除や我慢ではなく共に生きられる学級・HRを立ち上げていくには? 小学校教師:坂田和子の実践「『いろんな人がいる』が当たり前の教室に」と高校教師井沼淳一郎の実践「なぜ自殺者が3 万人を超えるのだろう」をもとに考えていきます。
井沼実践が、学校外の個人や団体との具体的連携を視野に展開されていることは周知のことと思いますが、小学校教諭の坂田和子氏の実践はおそらく特別支援教育(支援教育)とも連なる問題意識があると思われます。
特別支援教育において、クラスづくりなど集団づくりの観点が大切であることは、複数の専門家の指摘するところです〔例えば『「自尊心」を大切にした高機能自閉症の理解と支援』有斐閣選書〕。同書には、1、色々な仲間を理解し共存していく姿勢をすべての子どもたちに育てていくためにも、2、高機能自閉症児・不登校傾向の児童を含む「支援を要する子どもたち」の自尊心を高め、成長を促していくためにも「クラスづくり」、「集団づくり」が大切だ、という趣旨のことが述べられています。
また、論文「リーダーシップ類型に配慮したコンサルテーション」〔LD研究 第18巻 第1号〕においても、クラスという集団に対して教職員が適切なリーダーシップを発揮することで、お互いを理解しあい支えあう関係が育っていくことが確認されています。
学校現場では、ともすれば、特別支援教育を「個別支援」としてのみ理解する傾向や、「特別支援教育担当者」に任せる空気も生まれがちなのですが、それを克服していくためにも、クラスづくりや集団づくりが必要であることは「全生研」はもちろん「全障研」(全国障害者問題研究会)とも共有していけるでしょう。
他団体との連携をより深めていく必要性と可能性、生活指導運動が、様々な団体と連携しつつ見直され、発展していく可能性をみきわめていく、という意味でも「問題別分科会」を含む東京大会、注目しています。
142人、26都道府県、学生30人
東京大会受付・千葉高生研より
いよいよ大会が近づいてきました。8月4日現在の参加申込者数は142人です。新たに岩手からも申込みがあり、東北地方は全県からの申し込みとなりました。また全国では26都道府県となりました。学生の参加申込はさらに増加し、30人となりました。
当日参加がどのくらいに達するか、それで成否は決まると思います。
8月4日現在142名
東京25
秋田19
千葉13
群馬12 大阪12
静岡8
神奈川7
京都6
青森5
熊本4 沖縄4
北海道3 茨城3 埼玉3
宮城2 山梨2 長野2 三重2 滋賀2 和歌山2
岩手1人 山形1 福島1 愛知1 兵庫1 鳥取1
学生・院生30(上記に含まれています)