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生徒が成長する時(部活動にて)

部活動は、全国的に教員の指導のもとに行われているのでしょうか?それとも、クラブチームのもとで、学校から切り離されている学校が多いのでしょうか?

北国の青森県では、部活動も放課後の講習もすべて教員が行っています。クラブチームも少なく、放課後は塾や予備校に通う生徒は少なく、部活動指導も学習指導もすべて教員が行っています。

高生研では、部活動における実践発表はあまりないように思えますが、ホームルーム活動以上に、濃密な人間関係の中で生徒たちが自立していく姿を見ることができると私は考えています。体罰問題などで、部活動の指導のありかたが問われていますが、学校生活の中での部活動の位置づけを考えてみたいものです。

青森県では6月初めに高校総体がありました。私はバドミントン部の顧問を始めてから20数年が過ぎました。中学・高校時代と帰宅部であり、スポーツの経験がない私が、バドミントンに関わったのは30歳のときでした。今年の春、退職した青森高生研の重鎮の谷崎さんから、K高校の男子バドミントン部顧問をバトンタッチされました。当時、K高校は強豪で、ベスト4の力はあるものの、くじ運に恵まれず、ベスト8どまりでした。バドミントンのバの字もわからない私でしたが、くじ運に恵まれ、K高校の県春季大会第3位の結果に貢献することができました。しかし、高校総体では1回戦で、3時間以上におよぶ長い闘いの末、同じ市内のA高校に敗れてしまいました。生徒たちが油断していたわけでもなく、誰かがミスをしたわけではなく、A高校の生徒と顧問の先生が私たち以上に闘志を燃やし、戦いに臨んだ結果でした。試合の終わったあと、生徒たちの号泣を今でも忘れることはできません。あれから20年以上もたっていますが、そのときの生徒たちとは今でも連絡を取り合い、昨年は谷崎さんの還暦を祝う会を開いてくれました。

今年、私はH高校の女子の監督をしています。実力的にはベスト8の力があるものの、学年間の温度差や人間関係、実力がありながら本番では力を発揮できない生徒たちのことで悩み多い日々を数えていました。

高校総体は、1年から3年の総勢18人で団体戦に臨みました。1回戦は普段の実力から考えて、楽に勝てると思いましたが、最も強い2年生のダブルスが相手校の3年生にまさかの敗戦。高校総体の怖さを感じた試合でした。このまま、3-0で負けると思いましたが、3年生のダブルスが接戦の末、勝利。3年生のキャプテンが、全員の声援を受けて勝ってくれました。1回戦はなんと4時間もかかりました。初めて、バドミントン顧問になった時のあの3時間の死闘を思い出すような長い闘いでした。2回戦も2時間以上のフルセットの末、3-2で勝利。3回戦は準優勝したS高校に3-0で負けましたが、午前10時から午後5時まで7時間近くの戦いの中で、生徒たちがたくさんのことを学んでくれたと思います。

全てが終わったとき、たくさんの悩みを抱えていた3年生部員5人は爽やかな顔をしていました。団体戦メンバーに選ばれず、高校総体1か月前に辞めるといった女子生徒は、仲間の声掛けをあり、この1カ月、マネージャー役として部員を盛りたててくれました。

2年生6人から新部長を選ぶにあたっては、会場の体育館のロビーでひとり一人と話をし、これからの練習のことについてじっくりと話をしました。

新体制になって、初めての練習のとき、これまでにない光景が体育館の中でありました。2年生の部員が、高校に入って初めてラケットを握る1年生部員に、みんなで打ち方を指導していました。教師になって30数年。バドミントン部顧問になって20数年。生徒たち自身で考えて行動し、輝いていると感じた場面でした。

青森高生研 よしだ まさひろ004s

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