朝ドラで知名度が上がりつつある山原。学生時代、毎年夏になると滞在していた国頭群有銘は私の第二の故郷だ。昼間は農作業、夜はエイサーを練習し、毎晩酒盛りをした思い出の場所。大して労働も苦労もせずに育った私が出会ったのは、日に焼けた顔で笑う地に足をつけて生きてきた人たちばかりだった。
私はうちなー口で歌われる沖縄民謡の中でも、労働歌が好きだ。
汗水ゆ流ち働ちゅる人ぬ心嬉しさや他所ぬ知ゆみ(ユイヤサーサー)他所ぬ知ゆみ(シュラーヨー シュラーハタラカナ)
有銘でお世話になった沼倉佐智子さんは、16歳でブラジルに渡った。働き者のさっちゃんは私に労働の楽しさを教えてくれた。よく夕飯につくってくれた、てびち(豚足)入りのフェジョンを今でも思い出す。
「唐(とう)の世から大和(やまと)の世 大和の世からアメリカ世 ひるまさ変わたる 此(く)ぬ沖縄(うちなー)」
目まぐるしく変化する時代に翻弄されながらも、日々働き、歌を唄い、何があってもチャンプルーして自分のものにし逞しく生き延びてきた沖縄の人々を私は心から尊敬している。
そのような沖縄の地で行われる、久しぶりの対面での高生研全国大会。今大会の相良基調の舞台としてピッタリの場所である。 どのような大会になるのか、すでにちむどんどんしている私は、上野美術館の琉球展にも、浅草の沖縄料理屋にも行って準備万端だ。 そうそう、シンポジウムにいらっしゃる上間陽子さんが1月7日のNHKラジオ第1「高橋源一郎の飛ぶ教室」に出演し、「沖縄の普通の日常から見えること」というテーマでお話をされていて興味深かった。検索して聴いていただくと、沖縄大会に行くのがもっと楽しみになること請け合いです。小柴架奈子
写真提供:青森、吉田。(2004.3.12)