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高生研オンライン基調討論会のすすめ  「ためらい」と「したたかさ」をつなぐ渡部翔子の「震えるアンテナ」

いじめやLGBTという難問については、自分が対応するだけでも困難であるが、学年主任という立場に立つと、意見を異にする同僚の同意をとるという難題もつけ加わってくる。同僚の中には「ダメなものはダメ」という強権をかざす年配者もいれば、「自信のなさ」を告白してくる若手もいる。

「排除されがちな生徒と一緒に修学旅行に行く」という困難な課題に挑むべく、渡部は考え方の違う同僚を説得し、繊細な感性の若手教師によりそっていく。そのさい、自分の良心と相手の価値観を考量するがゆえに「ためらい」が生じる。「ためらい」は、複雑な課題に対応する時にあらわれる倫理であるがゆえに、実践に深みを与えている。他の教師と信念のレベルで争わないで実践の実をとるとか、若手教師の成長に渡部自身が励まされるとか、渡部がためらいながら蒔いた実践の種は、修学旅行後の教師たちの明るい会話の中で実を結んでいる。今日、職員室で子どもの成長を話題にして明るく盛り上がる、ということは称賛に値することである。

「ためらい」の姿勢は困難な状況に臨んで複数の選択肢を用意するがゆえに、「したたかな」実践と結びつく。つまり、プランAでダメならそれで終わり、というのではなく、プランB・Cまで用意できるからこそ、自分の意見に同意してくれない人たちとも対話を継続できる。そして、「ためらい」と「したたかさ」をつなぐものが、渡部によれば、すなわち「震えるアンテナ」なのである。

渡部が「震えるアンテナ」としか表現できなかったことを、私たちなりに自分の言葉で語り直していきましょう。この作業が、基調を活かし・発題者の労に報いることになり、かつ自分の実践を更新していくことなるはずですから。

                    (熊本高生研、白石陽一)

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高生研オンライン全国研究集会2020

8月9日(日)14:00~16:30
<高生研オンライン全国研究集会2020基調発題>
「震えるアンテナ」は人と人をつなぎ、学校を変える
を実施します。
人は、独りでは立てない弱く未完成な存在、だから、お互いの声を聴き合いつつ、「失敗」をしながら、学び合って成長していきます。「震えるアンテナ」で、生徒・保護者・同僚の思いを汲みとり、対話を紡ぎながらつながり、だれもが居場所となる学年・学校をつくっていった渡部実践から学びましょう。

案内チラシを添付します。
同僚、お知り合いに案内していただければ幸いです。
申込案内とオンライン参加登録はこちら(https://kouseiken.jp)からです。

参加に際して、Zoomの操作が必要となり、双方向でのやり取りを行うことから、お名前とお顔の表示をお願いすることとします。
技術面、操作面についての問い合わせも受け付けます。
どうぞ気軽に相談ください。
大会グループ安藤a-seiya*cty-net.ne.jp(*を@にして)にまで連絡ください。
たくさんの参加をお待ちしています。

また、同日の夜
19:30~21:00に
「高生研2020年度総会」をオンラインで行います。
こちらは、会員のメルマガを通じて参加案内を送信します。
会員の方でメールの登録がまだの方はinfo@kouseiken.jpへ連絡してください。

よろしくお願いします。

高生研大会グループチーフ 安藤誠也