一般分科会5 [ HR ] 見え方のちがいをこえて 授業改善要望書づくり

夜間定時制高校に勤務する渡部のHRでは、3年間HRの中心だった女子Rが退学し、男子6人が4年生に進級した。修学旅行を2週間後に控えるなか、「理科室のドアをだれが閉めるか」でIとHが険悪な雰囲気になる。渡部はそのトラブルを自身が担当する国語表現の授業で「物事の見え方の違いを知って、考えよう」シートを使って、一人ひとりの行動の背景や裏にある感情を読み解くよう促す。シートに書いたことを発表しあうなかで他者の行動の意図や感情のちがいに気づき、お互いの距離が縮まる。自分の体験を積極的に語ったり、人間関係についてのアドバイスをしたりするなど、クラスメイトへの関心が一気に高まり、6人の会話は弾んでいった。こうして迎えた修学旅行では、Hは人生で初めて一人で食事をし、周囲への気遣いもできるようになり、劇的な成長を遂げることができた。
進路も決まった11月、Iの心の中にくすぶっていた数学の授業中への不満が爆発してしまう。渡部は一人ひとりの授業への不満を聴きながら、社会に出る前に、みんなで不当な扱いに対する具体的な声のあげ方を学ぶ絶好の機会と考えた。
生徒たちは渡部と「要望書の書き方」について学び、一緒に作成。そしてIをHRの代表として、数学の授業担当者に要望書を渡すことになる。

定時制4年目、Rの後に残された6人の男子の物語
―バラバラだった男子生徒が団結できたのはなぜ―
級友への関心を素直に表せないまま、積極的に他者と関わろうとせず、ばらばらだった生徒たちが、4年1学期の修学旅行前の国語表現でトラブルを紐解く話し合いの時間を経て、旅行先では親密で濃密な時間を過ごすことができた。
11月のある日、数学の授業でキレてしまったIに共感し、話し合い、結束して教師へ要望書を出せたのはなぜか?どこからそんな力が湧いてきたのか?声を上げること、声の上げ方を学び、生徒たちはどのように変わったか?

生徒が、意見表明ができるようになるまでに必要なこととは?
子どもの権利条約批准から30年がたってようやく「こども基本法」が日本でも制定された。子どもを管理することが優先されがちな学校で、生徒に声の上げ方を教え、意見表明権を行使させることは喫緊の課題である。しかし生徒はすぐに意見表明ができるものではない。生徒が声を上げる主体となるためには何が必要か?渡部実践から学ぶべきは何か?6人が声を上げるような力はどこからきたのか?いつの間にこんなに力を蓄えていたのか?皆さんで渡部実践を読み込んでたくさんの気づきを共有しましょう!!

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