月: 2023年7月

東京大会 基調発題を学びました。

青森からこんにちは

青森もここ1週間は35℃の熱い夏になりました。

体育館での部活動もできないくらいの気温が続いています。

青森高生研では7月29日(土)~30日(日)の2日間、サマーセミナーを豪雪で有名な酸ヶ湯温泉近くのキャンプ場で行いました。

準備がおくれたため参加者は少なかったですが、今年の東京大会の基調発題を学ぶことができました。

山の中でZOOMでのオンラインは厳しいかと思われましたがドコモのスマホのデザリングで静岡の塚本先生から講演をしていただきました。

山の上だけに心地良い気温のもと学ぶことができました。

来年もこの時期にキャンプをしながらサマーセミナーを開催しますので、ぜひ避暑しながら、学習そしてキャンプ飯を味わいに来てください。

東京大会も間近になりました。

皆さん、東京でお会いしましょう。そのときは気温が今より低くなっていることを祈るばかりです。

青森 吉田

      

高生研2023 東京大会 基調発題 塚本 徹(静岡)

「対等な関係性を探る生活指導 ~『ケアの倫理』を手がかりに~」

 ゼロトレ的な学校管理体制のなかで、生徒の人権を尊重しようと対等な関係性を探ってきました。学年主任として一生徒の退学を止められなかったこと、発達に課題を抱える生徒との関係で学んだこと、職員会議を通してチケット制を無くしたこと。いま管理とケアのはざまで悩む皆さんと共に読み解きたいと思います。

 

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交流会PR編

東京大会の実行委員会では、「ここに来ないと出会えないこと、出来事をつくろう」とできるだけ対面で来てもらう魅力いっぱいの大会にしようと若者が中心に動いています。「東京」をご堪能いただこうと、2日間に渡る交流会を企画。東京大会を“朝から晩まで堪能していただきたい”という思いで準備をしています。どれもこれもすべてに参加したくなるような魅力的なラインナップでお待ちしております。

1 外国にルーツを持つ高校生たちの声を聴く

外国にルーツをもつ高校生たちが増える一方で、その実情はほとんど知られていない。それぞれの生徒が抱える多様な困難について、リアルな声を聴き、一緒に考えたい。どの交流会に出るか迷ったら、この交流会へ。外国ルーツの生徒と一緒にお待ちしています。『高校生活指導216号』特集2の執筆者のヒセリさんも参加予定!(時原千恵子)

2 西郷孝彦世田谷区立桜丘中学校元校長を囲んで ~校則を無くした学校づくり、その問題点と課題~

「校則も定期テストもなくした中学校」として有名な世田谷区立桜丘中学校。森ゼミでは、学生による学校生活支援員などを通して桜丘中学校の取り組みについて学んできた。西郷元校長のお話を伺いながら、学校の取り組みや今後の課題などついて一緒に考えてみませんか。終了後、西郷先生の懇親会も企画。ふるってご参加を。企画:森ゼミ(森俊二ゼミの在学生・卒業生を中心に構成された学習サークル)

3 「基調発題のあとで語り足りないことをぜひ!

教師としての学校の中の役割と自分の思いとの葛藤や戸惑い。塚本さんが差し出してくれたこと、それは誰もが抱えていること、胸を打った、語り足りないこと、不安、疑問、自身の揺れ、今の自分の困りごとも含めてゆったりと語り合いましょう。

4 「こだまカフェ」~今、私が直面していることから~

「あのような実践をしたい」「自分はどうしようか」「なかなか疑問や悩みを話せる機会がない」……。そこで美味しいコーヒーと素敵な音楽を楽しみながら、聴き合い、語り合いましょう。聴き合い、語り合い、それぞれの思いが“こだま”する「こだまカフェ」にどうぞおいでください。(企画:鳥海・とりうみ)

5 成城学園ツアー ~成城学園の「自由教育」を学び、学園内を見て歩く

大正自由教育の祖・沢柳政太郎が創立した成城学園。彼が築いた「自学自習」「自主自立」の風土に触れながら、新教育の足跡をたどる成城学園を探索するツアー。

小学校、中学校の校舎は見ごたえがあり、見所満載です。成城学園を体感できる機会。

企画:森ゼミ

6 ジャズを聴ける店に行って楽しむ(参加費3500円)

気楽に集まって、ジャズを聴いて帰る…気軽で楽しいツアー。

南青山のBody&Soulというお店を考えています。(企画:古川)

7 「発言したいと思えるクラス活動」を通して身についたこと

高校時代の文化祭で取り上げた「働くこと」がきっかけで、首都圏ユニオンに加盟し、自分たちの権利を主張している青年たち。彼らは、「高校生活のクラス活動が、今の自分たちを作っている」と話します。「つまらなかった学校生活が、文化祭を通じて“楽しいもの”に変化していった」。彼らはどのような高校生活を送り、「企業や社会に立ち向かう力」を身につけたのでしょうか。卒業生が、「社会の現実にどう向き合っているのか」を語ります。(企画:西谷)

<高生研会員通信No.189より>

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大会特集③〔大会構想編〕対面で、新たな人と自分に出会い、エンパワーする東京大会(at成城大学)   

  1. 若手とベテランでつくる大会、「高生研を次世代につなぐ」ステップへ
    共同事務局長 森 俊二(成城大学)

 

2023年8月16日~18日に東京の成城大学で開催される高生研全国大会。大会がいわば「完全実施」(対面参加がベース)となるのは、名古屋大会以来の実に4年ぶりです。長くオンラインの大会が続いたからこそ、私は東京大会づくりを通して、改めて対面での高生研の全国大会の醍醐味や意義を再構築し確認したいと思うのです。

 

コミュニケーションはノンバーバル(しぐさ、表情等)の方が他者とつながる比重が大きいとも言われます。対面でのコミュニケーションは、身振り、表情、声のトーン、相づち等々を含めたもので、それらが互いに相手を実感し、感情の共有を保ちやすいと思います。

報道によれば、リモートによる活動は、情報の共有以上のものにはならないようです。そしておそらく、言葉や身振り等によって他者に働きかけることで、自他のいわば「複数性」を発見するのだと思います。だから、対面ベースの高生研大会は、いわば新たな人と自分に出会い、感情を共有しエンパワーするのではないでしょうか。全国の仲間と学び、討論し、そしてお酒を交えたりして交流する。そうした高生研に集う人とのつながりを実感する大会こそ、対面でつくる高生研の真骨頂だと思います。いよいよ8月16日から成城大で始まります。

この2023東京大会の目玉は、交流会を2日間実施にしたことです。(そのため、例年2日目の夜に行っていた総会を3日目の午後に移しました)詳細は、渉外・文化交流共同係長の見波さんからの報告をご覧ください。ラインナップが豊かで、どこに参加するか、一つしか参加できないのが惜しいほどの多彩な企画が並んでいます。全国から集まる仲間と、是非2日間、大いに交流して頂きたいと思います。また、初参加の方が分科会にいましたら、交流会参加の声がけをお願いできたら幸いです。

 

そして、東京大会実行委員会づくりを通して、私たちは「高生研(の実践理論と運動)を次世代につなぐ」ステップにしたいと大会づくりに取り組んでいます。私は、長年高生研運動に関わって来ています。いわば高生研が今の私を作ってくれたと思っています。それは、私だけではないと思います。

だから、前の世代から受け継いだ高生研のバトンを、ぜひ次の世代の方々につなぎたいと思っています。また組織や運動は、「新参者」が必要です。数年前に立ち上げたベテランと若手のメンバーでつくる関東高生研は、東京大会を目指したものでもあります。交流会も若手とベテランが協力して作っています。加えて、私の大学での教え子を中心にする自主ゼミ(森ゼミ)の若い教員や学生も実行委員に参加しています。

実行委員会は、その運動面で次世代につなぐ意味で、若手とベテランが共同事務局長、共同係長を担い、ペアを組みながら大会づくりを担っています。そのチーフ役は、実行委員長に古川さん、共同事務局長に中田さんと私、会場共同係長に小波津さんと内田さん、渉外・文化交流共同係長に鳥海さんと見波さん、受付共同係長に但馬さんと礒山さんです。実行委員も少しずつ増えて、現在22名で、ワイワイ楽しくやっています。実行委員一同、皆さんのお越しを心よりお待ちしています。

 

<高生研会員通信No.189より>

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大会特集②「問題別分科会編~提起者からの報告概要~」問題別分科会4 「高校生が一般質問で地域を動かした― 模擬議会の取り組み ―」

昨年(2022年)の12月16日に、六戸町議会で、六戸高校の3年生による模擬議会が行われました。この模擬議会は12名の生徒が模擬議員として一般質問を行い、町長執行部側がそれに答弁するというものでした。

この日のために、5月から、町議員の指導を受けながら、「現代社会」の時間やLHRの時間などを使って準備を進めてきました。模擬議員になった生徒たちは、本番では2回のリハーサルのおかげで落ち着いて質問しました。心配していた再質問の場面では、町長の答弁に対して議員役の生徒が鋭い再質問を行ない、それに対し町役場の執行部が答弁できず休憩になる場面なども見られました。いっぽうで、うまく再質問できず、町長が助け舟を出す場面も見られました。また、議長役を担当したSさんは落ち着いて堂々と進行し、とても立派でした。

質問は6つの大テーマについてそれぞれ2人が質問しました。ジェンダー平等について質問した生徒は「この場にいる人を見ると分かるとおり、議員さんも課長さんも全員男性です。そして男女共同参画の担当者の方も男性でした。私は少なくとも担当者を女性にするべきだと思います。問題意識を持った女性自身が、男女共同参画の担当者になることによって、今の六戸町の現状や改善しなければいけないところが見えてくると思います。」という再質問には議場内からどよめきと笑いが起こりました。これに対し、町長は「私どもは、あえて女性を省いて男性のほうにしたとか、そういうわけではございません。逆にお願いしたくても断られた」などと逃げの答弁を行いました。結局、ジェンダー平等については、町の男女参画推進計画に目標数値を入れる方向で検討する、環境問題についてはゼロカーボンシティ宣言を実施する、公園のキャンプ場のトイレの洋式化などの公園整備を行うことなど、前向きな回答を引き出すことができました。

 

こうして模擬議会は無事終了しました。議員議会事務局町の執行部は、生徒の質問は簡単なもので、時間が大幅に余ると思っていたようですが、実際には、時間がないので発言をまとめるように議長役が促す場面が何度かあったり、執行部側が答弁に窮する場面があったりするなど、予想以上に内容のあるものでした。また、ジェンダー、農業の六次産業化、外国人との共生などのテーマの質問は町議会で前例がなかったらしく、驚かれました。そのことは、今回の担当である副議長が模擬議会の終わりの挨拶の中で「(六戸高校との模擬議会を)もっと早くやるべきでした」と悔やんだことからも伺えました。

模擬議会はコロナ感染予防のため一般傍聴者は入れませんでしたが、役場のロビーで映像を見ることができました。学校で子育ての話をしてくれたTさんがわざわざ模擬議会の様子を見に来てくれました。自分が学校で生徒に話をしたことを、生徒が政策にまとめ質問してくれたことに感激していました。この模擬議会の様子は、後日地元の新聞3紙が比較的大きな記事を掲載してくれました。さらに、議論内容は、正式な会議録として町の議会のHPに掲載されました。

生徒たちは議会側から絶賛されるような一般質問を考え、実際に質問することができました。生徒たちは、模擬議会を通してリアルな政治の姿を学んだだけでなく、自分たちの質問が実際に政治を動かすことができたという実感を得ることができました。

この実践は、文部科学省の『令和4年度主権者教育(政治的教養の教育)実施状況調査報告書』の中で、政治の働きを身近に感じさせるための「特徴的な取組の工夫等」の事例として紹介されました。

 

※実際の町長・町の執行部・課長・議会・副議長・町議員・議会事務局をゴシック体にしてあります。

<高生研会員通信No.189より>

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大会特集②「問題別分科会編~提起者からの報告概要~」問題別分科会3 「地域高生研の『外』と『内』をつなぐ」

提案趣旨

熊本高生研(サークルおよび会員)は、「高校生を市民に!」を目標に教育実践を行い、例会で報告しあい、意見を交換し、そして感想などを通信に掲載し、学びあっている。しかし高校の教員の取り組みや学びだけで、「高校生を市民に」することは難しい。だから熊本高生研では、“市民”と手を繋ぐことを選択した。会員とつながりのある高校生も大学生も、親たちや議員も毎月の例会に参加し、時にはレポート報告をしてもらい、共に学びあっている。この共同の学び合いが「シチズンシップ育成への近道」だという認識が、私たちの中で深まってきた。

 

熊本高生研の活動スタイル

熊本高生研の例会や大会には、通信制に通う高校生やその保護者が参加し、時にはレポーターとして不登校体験を話してくれる。不登校の「当事者」の本音を聴ける貴重な機会である。このような積み重ねがあったことで、問題別分科会「不登校の子どもたちとその家族」を2021年全国大会で実現できた。またその後、スピンオフ原稿も3本、保護者が全国通信用に寄稿してくれた。互いの意見を聴きあい「違う意見っておもしろい」と高校生・大学生・保護者・教員が実感し、互いにエンパワーメントされている。

「18歳を市民に」と掲げる高生研「会員」としてどのような「市民」的活動の展開が求められているのか。主権者教育は、私たち「高生研会員」から「高校生」へのバトンパスであり、同じ「市民」として地域にある社会的課題と社会的要求の分析を行い、共に課題の解決方法を考え、取り組むことだと考える。

高生研では、1~5の研究指標にもとづき研究活動を進めている。この研究指標は、一年以上にわたる議論をもとに、つくられたが、今後、研究の進展と教育を取り巻く情勢の変化により改変されることもあると但し書きがある。

今回の分科会報告には、最近の例会のレポーター4名が登場。熊本高生研がどのような学びあいをしているのかを追体験してもらう。そして「高生研研究指標」に基づく高生研活動とは何か、分科会参加者と意見交換を行い、求められている高生研活動を明らかにしたい。(レポートは、まるっと「熊本編」に掲載)

 

「高生研研究指標」(1997 8.1 改正)

1 私たちは、憲法と教育基本法の平和と民主主義の理念を今日的に発展させる

立場から、人権の発展を目指すグローバルな動向に学び、すべての子ども・青年

の個人的権利と集団的権利の実現につとめ、民主的な高校教育を追求する。

2 高校生が学校をはじめとした生活の中で、多様で豊かな社会関係をとり結び、

主体的・創造的な学びを獲得し、他者と共存・共生するわざや見通しを身につけ

よう指導する。

3 高校生が自治的な諸活動をつくり出し、青年・父母・市民と協同・連帯して

社会の発展に参加する中で、社会の民主的形成者としての品性と自治的能力を身

につけるよう指導することを原則とする。

4 個の成長と集団の発展の関係に着目した「集団づくり」の実践的伝統を引き

継ぎ、国家および市場による教育支配に対抗しうる文化・社会・学校を創造する

新たな実践の筋道を探る。

5 広く子ども・青年、父母、地域住民、近接領域の専門家と交流・提携しつつ、

教育慣行と教育政策・制度の民主的転換に取り組み、十代のこども・青年の自立

に関わるすべての教育機関の総合的発展に寄与する。

<高生研会員通信No.189より>

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