地域で生きる若者、高校生(6) ~Fさんのその後~

 さっき、札幌市定山渓温泉で行われた「全」生研全国大会から帰ってきた。600名近い参加者のうち20代の参加者が2割を占めた。しかも、各地から若手が分科会などで積極的に報告し、活気のある雰囲気だった。実行委員の裏方の役割であったが、いわゆる分科会会場係だったため、ほとんど一参加者のような感じで老若男女様々な先生方と交流ができ、元気をたくさんもらった有意義な時間であった。来年は高生研と同じ京都市内での全国大会となるので、「相乗効果」に期待したいところである。
 さて、このブログの連載も今回が最終回。前回に引き続き、一昨年の札幌大会の問題別分科会で話題提供をしてもらった若者の「その後」を紹介したい。8年余りの不登校だったFさんは「自主夜間中学」で高齢者受講生に囲まれた中で3年間を過ごし、高校通信制に復帰するとともに「自主夜間中学」卒業後に同期生と自主学習サークルを立ち上げたところまでを札幌大会で話してくれた。
 現在、その自主学習サークルは4月に新たな卒業生を仲間に迎えつづけ、3年目を迎えることができた。実は、Fさんが代表だったのは最初の1年だけでその後は新しいリーダーを支える立場として、私たちと同じ「助っ人」(チューター)として活躍している。また、今年の4月からは私が週1回の例会にほとんど出られなくなったが、私の妻と二人で学習者の「学び続けたい」思いに応え続けている。
 Fさんはことしの3月で高校通信制を卒業した。そうすると「次の進路は?」と聞いてしまうのが教師、大人のいけないところである。すでに自らの手で、しかも支援者として、自主学習サークルを3年続けているではないか。これは、「学習権」保障の地域活動の担い手としてである。これが「仕事」にならないのをおかしいと考える見方が私たち「市民」に求められるのではないだろうか。
 先ほどふれた全生研全国大会では、フリーターの若者があるきっかけで高校中退者の居場所(聞いた感じだと「かくれ家」と言った方がしっくりくるが)づくりに取り組み、3年で皆が仕事や結婚など次の進路に進むことができた、という報告があった。そのまちでは高校中退者に対してのサポートが公的にも私的にもほとんどないとのことらしい。
「若者が生きられる」地域をつくる営みは、持続可能な社会をつくる上で「仕事」になるべき欠かせない機能ではないか。「高校生を『市民に』」しようと言うのであれば、このような取り組みに真摯に学び、それぞれの立場から必要な社会的資源を分ける方策を、ぜひ今回の高生研全国大会で議論したいと私は思う。多くの方が8/10~12、東洋大学に参集いただけることを願って筆をおくこととする。
(北海道高生研 井上)

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