「『集団づくり』の実践的伝統を引き継ぐ」とは 久田晴生(愛知)

 今全国大会の一般分科会で、私はHR分科会1を担当する。レポートは松本源太郎さんの「核を意識した学級」である。すでに何人かの方がこのブログで紹介されているとおり、かの大西忠治が著した『核のいる学級』(明治図書,1964)に触発されて行った実践である。送られてきたレポートと『核のいる学級』を読んで、「大変な分科会を担当することになってしまった」というのが率直な感想である。
 高生研は、1997年夏に現在の指標を採択した際、合わせて会則改正も行った。それ以前の会則には「集団主義」という言葉があったのだが、それを削除し、その代わり、新設した指標の中に「『集団づくり』の実践的伝統を引き継ぎ」という語句を盛り込んだのである。「集団主義」を会の目的から外し、「集団づくり」は伝統としては重んじるけど、かならずしもそれに囚われる必要がないとも読める方向に転換したわけである。
 あれから15年、松本さんが前述のレポートを引っさげて全国大会に乗り込んできた。聞くところによると、松本さんは高生研の会員ではなく、たまたま古書店で前述書に出会ったことが実践のきっかけと聞く。とすると、今回の全国大会は松本さんにしてみれば、「集団主義」という看板を出していた道場に対外試合を申し込みにきたつもりなのに、道場はいつの間にかその看板を外していた、みたいなものである。
 私が「大変な分科会」と言ったのは、この分科会は、松本さんのレポートを分析・検討することにとどまらず、高生研が「集団主義」「集団づくり」をどう総括し、これからどう受け継いでいくべきかということまで問われていると思ったからである。いや、その総括を十分検討してこなかったのではないか、と松本さんに突きつけられた思いがしたのである。その意味では、高生研のリニューアルにふさわしい分科会であると思う。と同時に、1分科会に留めるのではなく、高生研全体で検討する必要があると考える。
 さてもう一題。最近「管理」について考えさせられることが2度あった。1つは、先週の三重高生研の合宿研究会で報告されたHR実践レポートである。毎回のLHRで、団扇作り、生徒の自作川柳が書かれた巨大なカルタ大会、手製まわし着用の相撲大会、そして年度末には自家製アルバム等々、いわば「百連発」を地で行くHR実践である。その一方で実践者H氏は管理の必要性を説く。初任校で荒れたクラスの担任をいきなり持たされたことがきっかけとなって管理の必要性を感じ、その後、転勤先で生徒部長を担当したこともあって管理の徹底を図っていく。
 もう一つは、先日の金曜日、全生研のあるサークルでのこと。そこに参加した一人の大学生が「大学では子どもたちの発達の可能性とか支援・指導の必要性は学ぶが、管理についてはほとんど学んでいない。今多くの若い先生が挫折するのは、管理の仕方が分からないからではないか。」と語ったのである。これを聞いて私は、彼が言うところの、あるいは最近よく見聞きする若い人たちの困難と苦悩、および上記の松本レポート、そしてH氏のHR実践が、一つながりになって目の前に現れたような感覚を持ったのである。その例会では「安心、安全を保障するために管理をする」ということで落ち着いたが、確かに、全生研にしても高生研にしても名だたる実践家は管理もうまい。H氏もHR実践をするためには落ち着いたクラスが必要であり、そのためには管理が必要と考えたのである。
 かつて高生研は「レジム」という言葉をよく使った。「体制」「構造」あるいは「枠組み」とでも訳したら良いであろうか。例えば、「班」とか「班長会」というのはクラス内のレジムである。高生研・全生研は、このレジムを活用することで私的なトラブルが公的イシューへとせり上がることを可能にすることに、レジムの意義を見出してきた。『核のいる学級』で盛んに登場する日直は、集団が自主管理するためのレジムである。松本さんもこの自主管理の部分に注目している。高生研・全生研の実践は、指導と管理を峻別しつつ、しかし管理抜きにして考えてはこなかったのである。
 指導と管理、レジム、班、日直……、私たちは、「集団主義」「集団づくり」をどう総括し、どうこれからに受け継いでいったらいいのだろうか。高生研のリニューアルのために乗り越えなければならない課題が、今突きつけられている。
群馬も二桁参加に
東京大会の受付・千葉高生研より
7月1日現在の参加者申込数が72人となりました。毎週ほぼ10人ずつ増えております。いよいよ7月となり大会まであと1ヵ月余り、各支部とも本腰を入れて参加者増に取り組んで下さい。
神奈川から初の申込がありました。これで21都道府県になりました。また、大学生・院生の参加申込が3人になりました。
千葉12
群馬10
東京9
秋田7
静岡4 熊本4
大阪3 青森3
北海道2 茨城2 埼玉2 三重2 滋賀2 京都2 沖縄2
福島1 神奈川1人 山梨1 長野1 愛知1 鳥取1

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