本の紹介(「カッコいいほとけ」・熊本高生研通信211号から)

おすすめのl冊
 早川いくを・著 寺西 晃・絵
   『カッコいいほとけ』
 (幻冬舎・1200円+税・2011年刊行)
カッコいいほとけ
 私(福永)は世界史の教員ですが、古代インドのスーパースター”お釈迦様”の教えだけは、どうもうまく説明できません。「六道輪廻」とか「解脱」とか「悟り」とか、辞書的な語義は分かっても生徒が(自分自身も)納得するような言葉がどうしても出てこないのです(福永の生家の宗教(宗派)は浄土真宗ですが、三十過ぎた頃に父に聞いてやっと判明したという罰当たりな檀家に過ぎません)。毎年インドの授業をどうしようかと悩んでいた際、たまたま出向いた書店で目についたのが本書『カッコいいほとけ』でした。
 早川いくを氏はベストセラーとなった『へんないきもの』の著者でもあります。早川氏の名前に惹かれて、どんな本かなと立ち読みし始めたら、これが福永のツボにピッタリはまる本でした。何せ帯にある惹句が「イカしたキャラの御仏(みほとけ)たちが大集合!!」なのです。前書き(プロローグ)で気になるフレーズを抜き出してみると「…こういった時代の流れの中で、やがてまったく新しいムーブメントが起こる。大乗仏教である」、「(大乗仏教は)厳格なクラシックの演奏が、フリージャズになったようなものである」、「本書は、そんなほとけたちの魅力を余さずご紹介……するようなことは一切なく、ただひたすら、かっこいいほとけを、かっこいい、かっこいいと礼賛するだけの本である」など、いかがわしさ満載です。本文もギャグ(のみと言っていいほど)を交えた文章で、28柱(?)の仏たちを紹介しています(有名どころでは、帝釈天、阿修羅、阿弥陀如来、不動明王などなど)。しかし、笑って読み終えたら(立ち読みで小1時間)何と「仏教(とその他のインド宗教)の基礎知識」が身についている(?)ではありませんか!活字も大きく短時間で読了できますし、その割には、迫力あるイラストも含めて読み応えもあります。
 早川氏が「仏萌え」して勢いで書き下ろした(一見)怪作ですが、若者向けの教養書としても見逃せません。ちなみにMy favoriteは十二神将(ほとけ戦隊)の中で頭に兎さんを付けた卯(う)神将です。仏様に対して失礼ですが、笑えます。(文責・福永 信幸)